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九州自然歩道で三郡山へ(2010年5月12日) → 写真集


 先日、茜屋から三郡山へ登った帰りに九州自然歩道が通っている車道を途中まで歩いてみた。この道路は「航空路監視レーダー専用道路」で、米の山峠付近から三郡山山頂まで登っている全線完全舗装の道路である。入口にゲートがあって一般車両は通行できない。ふと思い返してみると、三郡山地への登山道はあらかた歩いてしまったがこの専用道路を通しで歩いた記憶がない。そこで、今日はこの専用道路を最初から最後まで通して歩いてみようと思う。


登山コース

航空路監視レーダー専用道路入口(柚須原)(11:00) − (11:55)旧道入口(十字路) − (12:34)旧道合流1 − (13:06)旧道合流2 − (13:20)旧道合流3 − (13:25)露岩のピーク(昼飯)(13:50) − (14:08)三郡山山頂(14:15) − (14:26)旧道入口1 − (14:33)旧道入口2(14:40) − (14:55)旧道入口3 − (15:13)十字路(専用道路) − (15:48)航空路監視レーダー専用道路入口

MAP

専用道路を通って三郡山山頂へ
専用道路入口ゲート → (専用道路) → 最後の旧道合流地点 → 露岩のピークで昼飯 → 三郡山山頂

 吉木公民館前の信号を左折して県道65号線を飯塚方面へ向かう。左手には宝満山が聳えていて、裏宝満の登山口へ向かう分岐を幾つか見送って行く。柚須原公民館前のバス停を過ぎると射撃場へ向かう道路が左へ分岐している。分岐点の角には九州自然歩道の案内板が設置してある。分岐を左折するとすぐに右前方へ細い道路が分岐しているのでそちらの方へ入って行く。道なりに進んでいくと程なくゲートが行く手を塞いでいる。ゲートには「この道路は三郡山航空路監視レーダー専用道路に付き関係車両以外の通行を禁ず。」と書いた大きな金属製の看板が取り付けてある。ここが今日の登山口だ。

ゲートの左側の柵に人ひとりが通れるくらいの隙間があるのでそこから車道へ入って行く。また、ゲートの手前からは右の方へ細い林道が分岐しているので、そちらへ進まないように注意しなければならない。専用道路は綺麗に舗装されている。山頂までの距離は約6km、標高差は約550mといったところだ。今日はウォーキングのつもりで歩こうと思ってきたが、山へ登るのには違いないのでそれなりの準備はしてきた。特に水はたっぷりと持ってきたのでデイパックは5kg程度にはなっている。それなのに、近所をウォーキングする感じで歩き出してしまい、すぐに息が切れてしまう。

歩き始めてすぐに左前方に大根地山が見えてくる。しかし、最初のカーブを右へ曲がると谷沿いの道になり展望は利かなくなる。道路脇にはオドリコソウやアザミがたくさん咲いている。また、タンポポの綿毛も綺麗な球体を作っている。上を見上げれば若葉や藤の花が太陽の光に透けて、これもまた綺麗だ。時折、風が吹くと枯葉がカラカラと乾いた音を立てて路面を転がっていく。道路はよく整備されていて山岳道路に付き物の落石や崩壊もまったく見られない。道路沿いに、何メートル間隔だろうか、No.プレートが立ててあって、数字が2つづつ増えていく。その他にも距離を書いた標柱やプレートが時々現れる。

専用道路は幾つか谷を横切りながら北へ向かって登って行く。3つ目の谷には堰堤があり、上にふたつ、下にひとつ四角い穴が開いていて、そこから水が流れ落ちる様はまるで泣き顔のようだ。堰堤の近くには1.6kmのプレートがあるが起点がどこなのか分からない。九州自然歩道の標柱ではゲートのところが米の山まで800mになっていた。たしか旧道入口のところが2800mになっていたから、ゲートから旧道入口まで約2kmあることになる。ゆっくり歩いて1時間程度だろうと思っていたら55分で旧道入口に着いた。調子は悪くなさそうだ。

旧道入口はNo.108のプレートの所で右側にカーブミラーと道路標識がある。カーブミラーの横から林の中へ入ると十字路になっていて白糸の滝経由でサンビレッジ茜へ降る道が前方へ、三郡山山頂へ向かう登山道(旧道)が左へ、竹の尾山への道が右へ分岐している。おそらく旧道を登った方が近いと思うが、今日は最後まで専用道路を歩いてみる。旧道入口の少し先に自然歩道の距離を示す標柱があり、米の山峠まで2800mの表示がある。道路はここから一旦西の方へ向かう。法面の上や路肩の下にミツバツツジや藤の花が綺麗に咲いていて、次第に新緑も鮮やかになってきた。カーブを曲がって北へ向いた時に、正面に見える山肌のかなり上の方に白い箇所が見えるのはこの道路の続きで、あんなところまで登って行くのだと再認識させられる。もっとも、この山域で一番高いところへ向かっているのだから当然ではあるが。。。

道路は西側の端で大きく右へカーブしていて、その左側が空き地になっている。空き地の奥の林の入口には木の枝に小さな標識が付けてあって「柚須原バス停へ(2H)」の表示がある。地図を見ると確かにここから破線が降っているが下の方で幾つか分岐しているので最終的にどこを通っているのか判断がつかない。ちなみにこのカーブのところにはNo.168のプレートが立っている。カーブを曲がりきると北から北東へと向かい、開けた尾根の斜面を横切って行く。前方に白い法面が見えてくると旧道との合流地点も近い。旧道入口の十字路から約40分で最初の旧道合流地点に着いた。

最初の合流地点は道路が左へ大きく円を描いてカーブするところにあり、右側にカーブミラーと徐行の道路標識が立っている。また、少し手前にNo.194のプレートが立っている。旧道が登ってきているところは丁度ガードレールが切れていて近くに小さな標識が取り付けてある。旧道はここで一旦車道に合流して、すぐに白い法面の手前から上へ上げって林の中へ入って行く。

専用道路はカーブを曲がると再び西へと向かう。最初に突き当たる谷にはパイプで水が流れている。上が砂地で濾されて流れているようなので飲めそうである。道路沿いには、その他にも水が流れている小谷が幾つかある。時折、林の中にはモミの巨木が見えたり、路肩にはタンポポの丸い綿毛が揺れていたり、新緑はますます色鮮やかになってきたりで飽きることはない。西の端で大きく右へ曲がると、また北東へ向かう。最初の谷でゴロゴロした岩が見えたので林の中を覗いてみると木の幹に黄色いテープが見える。おそらく上の道路へ登るショートカットがあるのだろう。

先ほどと同じように左へ大きくカーブするところで旧道との2回目の合流地点がある。最初の合流地点からここまで約30分かかっている。ここは先ほどと違ってガードレールは繋がったままであるが、やはり小さな標識が取り付けてある。近くにはNo.248のプレートがある。旧道はここでも一旦車道に出るが、すぐにまた灰色の法面の上へと上がって林の中へ入って行く。法面への登り口には木の枝に小さな標識が取り付けてある。旧道はここから露岩のピークを越えて降ったところで三度専用道と合流する。

一方、専用道路の方はカーブを曲がるとまた西の方へ向かい、自然歩道の5800mの標柱を見ると左右の小ピークの間を抜ける。左側にはカーブミラーと電柱が立っていて、電柱の所から左の小ピークへの入口に小さな標識らしきものが取り付けてある。表示は消えてしまったのか何も書かれていないようだが、おそらく、この下の方で見かけた黄色いテープのところへ降るショートカットであろう。道路はここで右へ曲がって北東へ進み、すぐに左へと曲がって行く。この左へ曲がるところへ小ピークを越えて来た旧道が右側から降ってきている。No.266のプレートの所だ。2回目の合流地点からここまでは約15分かかった。

カーブを左へ曲がると車道の左側は小広い空き地になっている。また、行く手には電波塔が2つとその左奥にレーダードームの白い頭が覗いている。三郡山山頂はすぐ目の前だがお昼を回っていたので、ここから旧道を少し引き返して小ピークの頂にある露岩で昼飯を食べることにした。旧道へ入ると1、2分の登りで露岩の小ピークを越える。登山道は林の中のふたつの露岩の間を抜けて降って行くが、左側の岩の上へは簡単に登ることが出来て三郡山山頂や筑後平野、筑豊盆地を展望できる。

昼飯を終えて三郡山山頂へと向かう。電波塔を過ぎた辺りににはミツバツツジの大株が綺麗に咲いている。電柱に沿って茜屋へ降るコース(茜屋電柱コース)がこの辺りから降っている。車道は突き当たりのコンクリートの壁の所で右へ曲がって行く。一方、九州自然歩道はここから壁の左端を回りこんで宝満山へと向かっていて、左側のガードレールの外側に標識が立っている。車道を進み、レーダードームへ向かう道路を左に見送ると、突き当たりのゲートの右側から金網の横を通って三郡山山頂へ登って行く。

平日だからか、山頂に登山者はひとりもいない。露岩の横に焦げた太い杭のようなものが転がっていて、その傍にやはり焦げた細い木切れに石をかぶせてある。細い方は三角点の所に立ててあった標柱のようだ。誰が何の為に燃やしたのか知る術はない。。。

ひととおり景色を眺めた後、久しぶりに記念写真を撮って下山にかかる。

(写真:航空路監視レーダー専用道路を行く)


旧道を通って下山
三郡山山頂 → (車道) → 旧道入口 → (旧道・区間1) → (旧道・区間2) → (旧道・区間3) → 十字路 → (車道) → 専用道路入口ゲート

 山頂を後にして専用道路を降って行く。降りは旧道を通ることにしていたので、最初の旧道入口から露岩のピークへ登って行く。登りは呆気ないが露岩を過ぎると降りは少し急になる。林が切れると目の前が開けて法面の上に出る。足元には専用道路の急カーブが見えていて、その向こう側に近くは大根地山、遠くは馬見三山から耳納連山が見えている。法面の上から左下へ降り、一旦車道に出るとすぐにまた旧道へ入る。

林の中へ入るとヤブ椿の落花が綺麗な赤をちりばめている。旧道のこの区間は割りと露岩が多い。なかには真中からパックリと割れて開いている印象的な露岩もある。その露岩を過ぎると尾根が分岐しているところで左へ折れるが、そこの左側の林の中には標石が2つ埋めてある。ひとつは頭が半球状になっていて「航」の文字が見え、もうひとつには「公共」の文字が見える。標石の所から一旦左へ折れ、またすぐに右へ降って行く。ちなみに、ここをそのまま真っ直ぐに進むと林が切れて飯塚方面の展望が良い場所がある。急坂をひと降りで林が切れて、また法面の上に出るが、その手前の小さな露岩の所には左右へ横切るワイヤーがあるので足を引っ掛けないように気をつけよう。特に暗い時や降りは要注意だ。

法面の上からの景色は先ほどと大して違わない。また、カーブの曲がり具合も良く似ている。それにしても、大根地山の麓を横切っている新しく出来た送電線がうっとうしいほど目に入ってくる。鉄塔は古いものに比べて数倍大きくて、高圧線の本数も多いようだ。GWに田舎へ帰るときに高速を使わずに一般道を通ったが、県道35線を原から久留米方面へ走っている時に高圧線の鉄塔の多さに驚いてしまった記憶がよみがえってきた。

法面から降って再び車道から旧道へと入る。旧道はこれが最後の区間で一番長くて、約600mほぼ一直線に尾根を南東へ降っている。尾根道は椎や樫、椿などの照葉樹の落ち葉で埋め尽くされていて傾斜が急なところはとてもすべりやすい。それでも、足元でカサカサと音を立てる落ち葉を踏みながら歩くのは楽しいものだ。途中、中間地点辺りのロープを取り付ける金属製の杭がポツンと立っているところは小さなこぶになっていて尾根が分岐している。ここを左へ折れて、すぐにまた右へ降って行く。最後に、こぶを左から巻いて少し降ると林の中の小広い空間に出る。ここは十字路になっていて、右へ行くとすぐに専用道路に合流し、左へは白糸の滝コースが分岐している。また、林の中へ直進する踏み跡が竹の尾山方面へ降っている。ここからは、今朝歩いてきた専用道路を降って行く。専用道路への出口にはカーブミラーが立っていて、その手前の右側に「茜屋山」と書いた古い標柱が倒れ掛かっている。茜屋山という山があるのだろうか。。。

専用道路を少し降ったカーブの所から左の林の中へ踏み跡がついているので少し入ってみると、どうやら先ほどの十字路から竹の尾山方面へ進む踏み跡と合流しているようだ。十字路の標識に竹の尾山への矢印が2方向から書いてあったが、一方はこの踏み跡のことだったのだろうか。。。

あとは、専用道路をのんびりと約30分降って入口のゲートに到着した。いつもより下山時刻が早かったので、帰りに竜王山の「ひやんけ様」で水を汲んで帰った。

(写真:枯葉道)


あとがき

 初めて専用道路を通しで歩いたが、九州自然歩道に指定されているだけあって思ったよりも楽しく歩くことができた。車が通らないので気分的に楽だし、景色もいいのであまり疲れを感じない。今日は道路脇に咲く花や新緑の山肌を眺めながらのんびりと歩くことが出来た。とは言っても、舗装道路なので足への負担はそれなりにある。特に降りはかなり堪えそうだ。また、今日は降りに旧道を通ったが、傾斜が急なところでは落ち葉が滑って歩きにくかった。それと、これからの季節は直射日光とアスファルトの照り返しがかなり堪えそうだ。。。

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