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司書の湖周回縦走(2009年2月8日) → 写真集


 2月に入りテレビの天気予報で花粉状況が放送されるようになった。今年は昨年の2、3倍の量の花粉が飛散するとのことだ。春の訪れは嬉しいが、花粉症の私にとっては恐怖の時期でもある。その前に一度犬鳴山系を縦走してみようと思い立った。
犬鳴ダムのダム湖は別名司書の湖と呼ばれている。この地に御別館を作り有事に備えた福岡藩の家老加藤司書にちなんでそう呼ばれていて、ダム湖の奥の高台には御別館跡が残っている。この司書の湖を取り巻く尾根上には一本の縦走路が通っている。本来の登山口は東側が脇田温泉口、西側は犬鳴口(藤七谷口)であるが、これらは何れも交通量の多い県道を歩かなければならない。そこで、これを回避する為に東側にタタラ谷コース、西側にダムコースが新設されて県道を歩かずにダム湖の周回道路から直接登り降りできるようになった。ダムコースの登山口はダムの入口から近いが、タタラ谷コースの登山口は少し離れていてコース上には足場の悪い急斜面の登りがある。しかし、東側にはもうひとつ隠れたルートがある。ダムのすぐ近くから尾根通しに登り、途中でタタラ谷コースと合流して大平林道へと登って行くコースである。今日はこのコースを登って西山、こもの峠、鹿見岐れ、犬鳴山と縦走することにした。


登山コース

犬鳴ダム(7:20) − (8:35)大平林道(8:50) − (10:25)辰ノヘラ(10:30) − (10:55)西山(11:15) − (11:30)こもの峠 − (12:10)番兵跡(12:50) − (13:20)鹿見岐れ − (14:45)猪野岐れ − (15:30)犬鳴山(16:10) − (17:00)犬鳴ダム

MAP

犬鳴ダムから大平林道まで
犬鳴ダム西岸 → 犬鳴ダム東岸 → タタラ谷分岐 → 大平林道

 久山町から新犬鳴トンネルを抜けて宮若市へ降り、レストラン「米の花」の手前で左折すると犬鳴ダムの駐車場がある。ここから周回道路がダム湖を一周しているがこの道路は時計回りの一方通行になっている。周回道路の途中には親水公園、魚釣広場などに駐車場がある。また、ダム湖の最奥部の司書橋から北へ車道が延びていて、その終点はこもの峠経由で西山へ登るコースの登山口(このHPでは司書口と表記している)になっている。このコースは宮若側から西山へ登る一般的なコースであるが、昨年の雪害で倒木が散乱して今は使用出来なくなっている。このコースに変わりに仮設コースが作られているようであるがまだ試していない。

犬鳴ダムの駐車場に車を停めてダムの上を対岸へ渡る。対岸の車道を左へ少し行ったところから右の高台へ手すりの付いた狭い階段が登っている。これを上がると上は小広い平坦地になっていてダムを見下ろすことが出来る。ダム湖を隔てて犬鳴山が見えている。反対側にはどんどんの左側から太陽が昇ったところだ。

今日登るコースの入口はこの平坦地の左奥にある。ここから林の中へ入り、しばらく進んで谷の手前で左の尾根へ上がる。尾根を右へ辿ると植林帯へ入り、この植林帯の左端を登って行く。目印として青いビニール紐が付けてあるが踏み跡は不明瞭だ。尾根の中心から若干左よりを、歩けそうな所を選んで登って行く。高台の入口から約25分で右から登ってきた尾根に出る。この尾根の反対側はヒノキを植林しているがまだ若木で背丈が低く辺りは明るい。左へ尾根を辿ると傾斜が緩やかになり、右側には平坦地が広がってヒノキの若木の間にススキが茂っている。明るくてなかなか気持ちがいい所だ。以前ここを歩いたときは平坦地を突っ切って行ったが、今日は左の尾根上を歩いてみる。植林の中に自然林が混じった尾根道で右下に平坦地が広がっている。平坦地の突き当りからは本格的な植林帯へ入って行く。植林帯の尾根を登ってピークを過ぎると左側は自然林で右側には緩やかな植林帯が広がっている。一旦降って登り上げた所に黄色やピンク、青に白といった色のテープやひもが付いている。ここはタタラ谷コースとの合流点で左から登山道が登って来ている。

タタラ谷コースとの合流点から大平林道までは尾根通しに進んで行くが、この尾根道は左が自然林、右が植林帯になっていて一部植林帯を突っ切っている所がある。また、左側には自然林の広い尾根が広がっているので散策するのも楽しいが迷わないように注意しよう。タタラ谷コースとの合流点から約15分で上が開けてくると大平林道に出る。おそらく送電鉄塔の建設工事の為であろう、林道は補修されて綺麗になっている。

西山へは林道を右へ辿るが、左の方をチョッと覗いてみると先の方に伐採された尾根が見える。おそらく鉄塔を建てる場所なのだろう。送電線がダム湖の上を横切るらしいという情報を何かで見た記憶がある。最近いたるところで鉄塔建設の工事が行われている。鉄塔を建てるために森林が伐採されて、現場へ資材を運ぶ為に作業道路が作られ、そのためにまた山が削られていく。私達の生活を支える為とはいえどうにかならないのかと漠然と思いながら引き返して林道を反対側へ歩いて行ったが、この先にもっと悲しい光景が待っていようとは。。。

(写真:犬鳴ダム)


大平林道から西山まで
大平林道犬鳴ダム下山口 → 西山大観望 → 乙野岳 → 草場岳 → 往来岳 → 辰ノヘラ → 西山(鮎坂山)

 綺麗に修復された林道を東へ進む。作業小屋の手前の崩壊箇所も綺麗に修復されている。車で来れそうだが、以前様子を見に来た時は林道の入口がチェーンで封鎖されていた。今はどうなっているのだろうか。。。

作業小屋からしばらく行くとカーブミラーの所で右へ脇田温泉口へ降る登山道が分岐している。左側に簡易地図が下がっている。さらに少し行くと前方に人工的に作られた平坦地が広がっているが、その手前で右の草が茂った中へ踏み跡が付いている。これは西山大観望への踏み跡である。西山大観望はパラグライダーの基地として切り開かれた斜面だそうだが今は使われていないのかススキに覆われていて展望を楽しむにもチョッと煩わしい。

林道は西山大観望入口から左へ曲がり、人工的な平坦地の横を通って奥の方で右へ曲がっている。この右へ曲がる辺りから林の中へ入って行くと、林の中に左右へ横切る踏み跡が付いている。この踏み跡は林道を通らずに西山へ向かう道で、左へ上手く辿ると大平林道の犬鳴ダムへの降り口がある所へ行くことも出来る。西山へはこの踏み跡を右へ辿る。踏み跡は林道の左側に沿って付けられており、途中から次第に左へ曲がってアップダウンの後に大平林道から分岐した林道へ出る。この林道は以前は草に埋もれて廃道化していたが、最近修復されて登山道が横切る所から北へ新しい林道も作られている。元々あった林道は西の方へ数百m行った辺りで終点となっているが、新しい林道はなんと登山道の右側を延々と往来岳の近くまで延びていた。どうやら、これは林道ではなくて送電鉄塔の工事用に作られた作業道路のようである。

以前は林道を横断した後、鬱蒼とした植林帯や照葉樹林の中を歩いて行ったものだが、今では右側を道路が通っているので、明るいが味気ない道を歩く羽目になってしまった。乙野岳の東側は、おそらくここに鉄塔を建てるのだろう、伐採されて明るくなっている。伐採地には細いコンクリートの道が登って来ていてその下を作業道路がさらに北へと延びている。また、伐採地の出入り口付近の登山道には注意書の看板が立ててある。登山道は乙野岳山頂(616m)のチョッと手前から右へ折れて一旦降り作業道路に再接近するが、何とか道路には出ずに林の中を通って行く。しかし、乙野岳と草場岳の中間地点辺りで、チョッとではあるが、ついに道路へ出てしまう。

右下に作業道路を見ながら登って行くと、また伐採地に出た。ここは草場岳の山頂で以前は標識が取り付けてあったのだが、今は空き地が広がっている。北側に赤白の巨大な鉄塔が見えているが、工事の最中なのだろう、まだ電線は張られていないようだ。登山道は伐採地を突っ切って一旦作業道路へ降り、作業道路を横切って反対側の林の中へ続いているが、ロープが張ってあって分かりづらい。作業道路は左奥で終点になっているようで、そこでは大工事を行っている。車が沢山停めてあり、人の声も聞こえる。作業道路を横切る辺りには「登山道迂回路」の標識が立っている。どうやら伐採作業や鉄塔工事の間は作業道路を迂回路として使えということらしい。これから犬鳴ダムの方へ向かって工事が進んで行くようなので当分の間このコースは歩かない方が良さそうだ。。。

作業道路を横切って登山道へ入る。左側の木の間から工事をしている様子が見える。電線の束だろうか、巨大な糸巻きのようなものが沢山並んでいる。やぐらを組んで何本も線が張り巡らされている。送電線を張る作業をしているのだろう。登山道は左へ折れて作業場の北側を横切って行く。途中で工事関係者とすれ違った。上を線が通っているので注意して歩いてくださいとの事だ。新しい送電線はどうやら辰ノヘラ付近から清水の方へ続いているようだ。林の中へ入ると左手の木の幹に「往来岳」の標識が掛かっている。その向うに荒れた竹林が見えるので確かに往来岳であるが、あの薄暗くて不安な気持ちにさせる雰囲気はなくなってしまった。

往来岳からは杉林の中に送電鉄塔の近くでよく見られる階段が一直線に登っている。登山道は、以前は左の方へ大きく回り込んでいたように思うが、右上に出来た新しい鉄塔用に作業道を作ったようだ。階段を登り上げると右へ鉄塔に向かう道が分岐する辺りで「登山道」を示す標識が左の方を指している。鉄塔の方では工事をやっているようで人の声がしている。登山道は杉林の中を進み、右へ清水へ降る道が分岐する(目印のテープと地図を描いた標識がある)と自然林へ入って行く。しばらく行った所で再び右へ清水へ降る道が分岐して西山へ向かう道は左へと曲がって行く。ここが辰ノヘラである。良く見ると木の根元に古い小さな石の標識が2個あってそれぞれ「清水」、「こもの」の文字が読み取れる。

辰ノヘラからはアップダウンの少ない気持ちの良い道が続く。従来からあった送電鉄塔の下を通ってしばらく行くと左へ鉄塔経由でダムへ降る道が分岐し、さらに右へ馬口谷への道が分岐する。やがて、自衛隊の立ち入り禁止の看板が現れると左からこもの峠から登って来た登山道を合わせてコンクリートの階段を上がり、ロープを潜って車道へ飛び出す。車道は右から左へ降っていて、右の方にはコンクリートの壕?(車庫?)が2つ見えている。奥の方の壕の上が山頂である。

西山は標高644.6mの一等三角点の山で鮎坂山の別名を持っている。山頂は自衛隊の用地になっていて立ち入り禁止の看板が立っているが、常駐しているわけではないので失礼して立ち入らせてもらう。山頂には丸太を輪切りにして作った山頂標識と三角点が設置されている。コンクリートの塀の上からは古賀方面の景色とこれから縦走する尾根が見えている。山頂では先客の男性が独り休憩していた。今日初めて出会った登山者だ。この日に出会ったのはこの男性を含めて3人だけであった。

(写真:西山山頂(鮎坂山))


西山から犬鳴山まで
西山(鮎坂山) → こもの峠 → 番兵跡 → 鹿見岐れ → 猪野岐れ → 犬鳴山(熊ヶ城)

 西山山頂の車道からコンクリートの階段を降り、すぐに右へ分岐する道へ入る。西山からこもの峠までは距離こそ短いが標高差が150m近くあり、かなりの急坂が続く。西山へのメインコースでかなり歩かれているので登山道は傷んでいて足場が悪い所にはロープが張ってある。登山道沿いには大きなアカガシの木を始め、色んな樹木が見られ木の幹に名前を書いた札がつけてある。どれも聞いたことのある名前であるが実物の見分けは未だにつかない。

こもの峠は古賀市と宮若市の境にある歴史のある峠で木やコンクリートの標識と「清水道」と彫られた小さな石の標柱がある。古賀市の清滝からと宮若市の犬鳴ダムから登山道が登って来ているが、犬鳴ダム側は雪害で倒木が散乱し通行できなくなっているそうだ。西山へのメインコースなので早く復旧することを期待したい。こもの峠では男性が2人話しこんでいた。一人は先ほど西山山頂に居た人で清滝へ降って行った。もう独りは犬鳴ダムから仮設コースを登って来たそうで西山へ登って行った。

こもの峠からは植林の中の急坂を登って行く。すぐに右へイノニタコースが分岐しているが以前あった標識はなくなっている。急坂を登り上げて降りにかかる辺りでも右へ分岐があり、こちらには標識が設置してある。このコースは下の方で先ほどのイノニタコースと合流し、さらに番兵跡からのコースと合流して清滝へ降って行く。一旦降って次のピークには黄色い紙の標識が取り付けてある。犬鳴ダムからの仮設コースがここへ登って来ているようだ。さらにピークをもうひとつ越えた鞍部が番兵跡で、この少し手前でも右へ登山道が分岐しているが、これは手前で分岐していた2つのコースと合流している。

番兵跡は杉林の狭い鞍部にコンクリートの標識が立っているだけでこれといったものは何もない。丸太に腰掛けて昼飯を食べながら、「昔はここに番兵小屋が立っていて見張り番が詰めていたのだろうか」などと想像してみるがピンと来ない。

番兵跡からピークをひとつ越えた所には水道管で作ったT字型の標識が立っている。T字の柄の部分には「御別館跡→司書橋」の表示がある。ここから谷沿いに犬鳴ダムへ降る道がついている。これはこもの峠へ登るコースの登山口から左の平坦な植林帯へ分岐しているコースである。さらに登ったピークには送電鉄塔が建っている。登山道は鉄塔の右側の林の中を通っているが、鉄塔の方へ少し入ると東側の展望が開け西山から大平林道まで尾根が連なって見える。

鉄塔から少し降って緩やかに登ると自然林の中に標識が立っている。ここが鹿見岐れで自然林の静かな平坦なピークである。鹿見岐れからは西の方へ白木越へ向かう道が分岐している。鹿見岐れから南へ小さなアップダウンを過ぎた鞍部が椿峠である。ここから北西へガレ谷を降ると猪野ダムから登ってきた畑林道に出る。

椿峠からは鉄塔作業用の階段をジグザグに登って行く。登りきった所で右へ踏み跡が付いているがこれは鉄塔へ向かう道である。登山道はここで左へ折れ、少し行った所から右へ降って行く。次のピークでも右へ踏み跡が付いている。この踏み跡へ少し入ると南側の展望が得られ犬鳴山の姿も見ることが出来る。登山道へ戻って松葉の多い道を降って行く。降った所の正面に細い倒木が横たわっている所で登山道は左へ尾根を巻いて進むが、ここから尾根通しに登って行くことも出来る。最初の登りは木の枝が煩くて少し歩きづらいがピークから先は踏み跡が付いている。尾根道と巻き道はP492.8の手前の鞍部で合流する。

今日は巻き道の方を歩くことにするが、この巻き道には2箇所ほど注意する所がある。巻き道へ入ってしばらくすると登山道は右へ曲がって行くが左の尾根へ明瞭な踏み跡が付いている。何気なく歩いていると必ずと言って良いほどこちらへ迷い込む。辺りの木に緑や赤のテープが何本も巻いてあって小さな標識も付いているので良く確認して進もう。2ヶ所目はもう少し行った所でこちらも左へ尾根が延びていて踏み跡が付いている。手前の木の幹に赤ペンキで「右へ」と書いてある。ここも右へ進むので注意する必要がある。チョッと行って振り返ると木の幹に今度は「左へ」と書いてある。もう少し行くと左側に青いコーンが置いてあり「左西山へ」と書いてある。コーンの所から少し行った所で右前方へ踏み跡が登っていて、これへ入ると尾根道の途中に合流出来る。巻き道はさらに続き、尾根に出たところで右から降って来た尾根道と合流する。こちら側から見ると尾根道も巻き道と同じくらい良く踏まれている。

登山道は各ピークを左から巻いて行くが、P492.8のピークには四等三角点があるので確認して行くことにする。斜面を直登すると赤白のポールの側に石で囲まれた三角点が設置されていて「四等三角点」の文字がハッキリと見て取れる。

途中左下にチラッと林道が見えるがこれは犬鳴林道が延びてきたものである。気持ち良い照葉樹林の中を歩いて行くとやがて猪野岐れに着く。猪野岐れは十字路になっていて猪野越とも呼ばれている。右の植林帯を横切って行く道は轟林道と畑林道を結ぶ作業道へ出る。左へ降る道は犬鳴林道を横切って谷沿いに降り犬鳴ダム湖周回道路の日原炭焼窯へ降り着く(日原炭焼コース)。このコースはやはり雪害で荒れて現在は使用できなくなっているようだ。

猪野岐れから東へ方向を変えて尾根の北側を巻いて行く。ひたすら斜面を横切って行くが、一箇所だけ谷を横切る所が倒木と崩れで荒れているので注意する必要がある。P528を巻いた鞍部からは東へ上下2本の道が延びている。上の道が本道で下の道は犬鳴林道へのショートカットである。また、この鞍部から右の植林帯を降ると作業道を通って轟林道の終点に出ることが出来る。

次のピークを巻いて枝尾根をひとつ越えた鞍部は犬鳴尾根コースの分岐点になっている。ここから古犬鳴峠、柳原越、猫峠と続く尾根にルートが作られている。分岐点には黄色い紙の小さな標識が取り付けてある。分岐から左側を巻き、尾根を降ると犬鳴林道に出る。

犬鳴林道は旧県道21号線の犬鳴隧道の宮若市側の入口手前から登って来ている林道でここで尾根を越えてさらに北へと延びている。おそらく近いうちに鉄塔作業の工事に使用されるのではないだろうか。そのうち縦走路が通っている尾根の何処かが伐採されるのかもしれない。。。

林道を横切って反対側の斜面を登り平坦な尾根を進んで行く。背の低い木が茂った中を登り始めると犬鳴山山頂も近い。遠くから見ると犬鳴山は双耳峰に見える。手前のピークへの登りで珍しいキノコを見つけた。ヒトデのような星型の皮の真中に丸い袋状の物が乗っている。ツチグリである。他にないかと辺りを見回してもこれ一個だけがぽつんと落ちている(?)。晴れた日に風に吹かれて転がって行くそうだから何処からか転がってきたのかもしれない。最初のピークを越えてチョッと降った所から右へ登山道が分岐している。これは藤七谷コースでかつては犬鳴山へのメインコースであったが、最近はあまり歩かれていないようなので荒れてしまっているのではないだろうか。

最後にロープを張った斜面を登ると犬鳴山の明るい山頂に着く。犬鳴山は標高583.7mの三等三角点の山で別名熊ヶ城とも呼ばれている。山頂は狭い平坦地で北側の展望が開けて今日歩いてきた尾根が一望できる。また、東側の木立の間から脇田方面の展望も得られ、眼下に犬鳴大橋が見えている。残っていたお湯でコーヒーを入れて今日の歩きを振り返りながら休憩する。

(写真:犬鳴山山頂(熊ヶ城))


犬鳴山から犬鳴ダムへ
犬鳴山(熊ヶ城) → 犬鳴口分岐 → ダムコース分岐 → 司書の湖展望所 → ガレ谷 → 犬鳴ダム

 犬鳴山からの下山コースは、以前は藤七谷コースがメインだった。その後、山頂標識の裏側から急斜面を降り、途中から南の尾根を降って藤七谷の東側の谷に降り、最終的には藤七谷コースと合流するルートが歩かれるようになった。しかし、この2コースは旧県道21号線の入口から犬鳴ダムまで交通量の多い県道を歩かなければならない。そして、最近、県道歩きを避ける為に犬鳴ダムへ直接降るダムコースが設けられた。このコースは、やはり山頂標識の裏側から急斜面を降り、途中で犬鳴口へ向かうルートと分かれて東へ尾根を辿り、P380から北側の植林帯の斜面を降ってやせ尾根から右の谷へ降りて犬鳴ダムの周回道路へ降り着く。実はこのコースが正式に紹介される前に一度コースの一部を歩いたことがある。そのときはP380からそのまま東尾根を降り、最後は右側のガレ谷を降ってダムの入口近くへ降りた。ダムからダムへの趣旨を尊重して(?)今日はそのときと同じコースを降ることにする。

標識の裏側から林へ入り、転げ落ちそうな急坂を木につかまりながら何とか降りきる。傾斜が緩やかになってチョッと登った所で右へ犬鳴口への登山道が分岐する。ダムへ向かう道は左へ降っているのでこれを辿る。分岐点には小さなプレートが掛かっていて「(キイロ)ダム口」の表示がある。おそらく黄色のテープが目印なのだろうが、コース上には赤やピンクのテープもあり、それらが途中で勝手なルートを降っている所がある。なるべくハッキリとした踏み跡を辿ってジグザグに降って行くが、途中からピンクのテープが圧倒的に増えてきた。木の幹にきつく結んだビニールテープが行く手に何個も連なっている。。。

P380地点で左の斜面を降って行くピンクのリボンと分かれてそのまま尾根を降って行く。左が植林、右が自然林の境辺りを降り尾根が分岐する辺りで左の植林の尾根を降って行く。途中で1ヶ所右の谷へ向かう踏み跡がついているが、我慢してもう少し降ると左側が明るくなっている所がある。ここは崖の上になっていて司書の湖を一望できる。既に陽は傾き、司書の湖の湖面に陽は差していない。しばらく景色を楽しんだ後、さらに少し降った所から右の谷へ踏み跡を辿る。谷はスギの倒木で塞がれているが、奥の方の幹の下が空いていてその下を潜って谷を降って行く。正面にはダムの対岸に今朝登って行った高台と尾根が見えている。ガレた谷を何とか降りきってダム入口の車道へ到着する。ダムの駐車場には今日も愛車RAV4が一台だけ私の帰りを待っていた。

(写真:司書の湖)


あとがき

 司書の湖周回縦走は今回で2回目である。前回は脇田温泉口から登り、藤七谷を降って来たが、今回はダムから登りダムへ降るコースを歩いてみた。登り口と降り口は直線距離で300m程しかないが、周回コースは約17.5kmのロングコースで歩きがいがある。このコースは昼なお薄暗い照葉樹林の中を独り静かに歩くのが良かったのであるが、登山道に沿って高圧送電線の鉄塔建設の為に作業道路が作られてすっかり趣が変わってしまった。この送電線は司書の湖の上を横切って西岸の斜面を南下し、八木山方面へ向かうらしい。司書の湖の西岸にも3ヶ所鉄塔建設が予定されているそうだ。そういえば龍王山や三郡山の麓でも鉄塔工事が行われていた。これからもあちこちに鉄塔建設の為の作業道が作られて森林伐採が行われるのだろうか。。。

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