ほっつき歩記山記録 (九州脊梁山地)No.1 烏帽子岳・五勇山・国見岳
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登山日 : 2003年5月23日
コース : 五勇橋烏帽子岳登山口→烏帽子岳→五勇山→小国見岳→国見岳→ブナの古木→五勇橋国見岳登山口
登山口 : 五勇橋烏帽子岳登山口
 八八重から椎葉〜五家荘線に入り、すぐに左へ分岐する道に入る。入口に「国見岳登山口」の標識がある。五勇橋のゲートから約150m手前に「佐世保九州峰友会」の黄色い標識がある。
樅木の烏帽子岳登山口は、ここの他にエボシ谷と椎葉〜五家荘線の峰越峠手前にもあり、本来こちらがメインである。
※2004年4月現在、烏帽子岳登山口は椎葉〜五家荘線の峰越峠にも新設されている。
所要時間: 約7時間30分(休憩は含まず。)

(注)この鳥瞰図は「国土地理院のウォッちずで提供されている2万5千分の1地形図」を使用してカシミール3Dで作成したものです。

烏帽子岳へ  写真
 五勇橋手前で林道が崩壊しており、車で五勇橋まで入ることはできなかった。(※)前日は崩壊地の少し手前で車中泊した。

 午前4時45分起床。雨は降っていない。風も大丈夫だ。ラーメンとコーヒーで朝食をしていると、6時ちょっと前に釣師が一人林道を歩いてきた。少し言葉を交わす。崖崩れが怖いので手前に車を止めて歩いてきたとのことだ。釣師は魚がいればどこにでも入っていく。たいしたもんだ。。。

 6時21分出発。慎重に崩壊地を渡る。写真を撮りたかったが危険なのでやめにした。15分くらいでゲートに着いた。どうやら烏帽子岳への登山口を見落としたらしい。ゲートから3,4分戻ったところに「佐世保九州峰友会」が付けた烏帽子岳登山口の黄色い標識があった。この標識がなければわからないところだ。感謝である。登山道は最初、杉の植林帯の中をジグザグに登って行き、20分ほどで崩壊地を横切る。やがて、尾根沿いの登りとなり、さらに行くといよいよ問題のスズタケが現れた。踏み跡がかすかで赤いテープを頼りに登っていく。尾根が少し緩やかになってスズタケ、潅木、杉が混じった道を過ぎると林の中に苔むした広場が現れる。ここで小休止する。

 広場から5分程で尾根に出る。登山道はここから東へ折れ尾根沿いに登っていく。この辺りからヒノキと自然林が入り混じってくる。 途中登山道の左に岩があり、その上から北と南の展望が得られる。北の方の稜線近くに林道が走っている。樅木林道の終点辺りであろうか。 覆いかぶさるスズタケを払いながら身をかがめて進んでいく。なんとも厄介だ。

 8時半ごろ下草がない樹林帯に入った。道が不明瞭でテープだけが頼りである。樹林帯を抜けるとまた、スズタケの急登が始まる。この後、1時間近く藪コギ状態であったが、ブナの大木も現れ、ところどころスズタケが切れたところは新緑が美しい。やっと脊梁の山らしくなってきた。 藪コギが終わるころエボシ谷への分岐に着いた。分岐といっても何も標識はなく、スズタケの中の木の枝についた赤いテープだけが目印である。降ってきたとき、間違わずにいけるかどうか自信はない。今日は登りでよかったと胸をなでおろしながら先へ進む。 すぐにちょっとした降りになり、石楠花の群落地が現れる。開花時期にはさぞ美しいのであろうが・・・

 午前9時43分烏帽子岳山頂到着。出発してから3時間が経とうとしている。 烏帽子岳の頂上は狭く展望はない。山頂のすぐ南に岩場があり、南と東の展望が得られる。峰越峠へ続く稜線とその先には白鳥山がうっすらと見える。

※2004年10月現在、崩壊地は復旧しておりますが、台風の影響でこの崩壊地の少し先が、また、崩壊しております。

烏帽子岳から五勇山へ   写真
 午前10時、烏帽子岳山頂を出発、五勇山へ向かう。山頂からベニドウダンの間の細い道を行く。薄紅色の花が鈴なりになっている。 山頂から5分ほどで峰越峠コースへの分岐がある。辺りには自然林の中にスズタケと石楠花の群生が見られる。登山道のスズタケは刈られており、烏帽子岳までの道に比べてずいぶん歩きやすい。バイケイソウの葉の緑が美しい。

 途中に展望が良いところが何箇所かある。そのうちの一箇所は「展望岩」の立て札がある。峰越峠への稜線、尾手納の集落、五勇山の稜線、遠くは白鳥山、上福根山辺りまで見える。

 1654mのピークを過ぎて20分ほどで、国見岳への登山道の標識の奥にある五勇山の山頂に到着。 なんだか空き地のような所に五勇山の標識と杭がある。地図上の山頂よりは少し南東よりにあるようだ。 三角点も何もないので、ここを山頂としてあるのだろう。山頂の少し南側に烏帽子岳方面の展望がきく岩場がある。 山頂からは尾手納への道が降っている。


五勇山から国見岳へ   写真
 五勇山の山頂で記念写真を撮り、山頂から少し引き返して国見岳へ向かう。溢れんばかりの緑の中を気持ちよく歩く。まさに脊梁の山の醍醐味だ。途中にゴマ畠と呼ばれる平地があるらしいので、そこで昼食にしようと注意しながら歩く。途中1箇所登山道の右側にここかな?というところがあったが、なんだかピンとこず見送って先に行く。1678mのピークへの登りにかかる辺りにそれらしい場所があった。まばらな木々の間に枯葉が敷き詰められ、バイケイソウが群生している。早速昼食にする。コンロを出してコーヒーをいれパンをかじる。バイケイソウの緑が鮮やかだ。のんびりしたいが先はまだ長い。早々に出発し、国見岳を目指す。

 登山道は1678mピークの左を通り、小国見岳の右側を巻いて行く。小国見岳への登り口を捜すがそれらしい所がない。当てをつけて山頂方面を目指して登って行く。途中で赤いテープが見えたので、それに従って行くと小国見岳の山頂に着いた。山頂は狭く、西側に展望がきくところがある。五勇谷への稜線の向こうに烏帽子岳が見える。山頂からテープをたどって降って行くと、さっき入ってきたところより少し先の方に出た。ここが登り口らしい。

 小国見岳の斜面を横切る登山道を気持ちよく歩いていく。国見岳との鞍部を過ぎて、やがて樅木への分岐を過ぎると、すぐに国見岳の山頂に着く。午後1時46分、烏帽子岳登山口を出発してから7時間が経過している。山頂には見慣れた社がある。
記念撮影を済まして午後2時10分下山にかかる。


国見岳から下山   写真
 国見岳から少し戻り、樅木への分岐を右へ行く。山頂からしばらくはなだらかな降りが続き、国見岳らしい、すがすがしい景色だ。最初の急な降りを過ぎた辺りに例のぶなの古木があった。葉は一枚もなく、命が尽きるのを待っているかのようで、生涯を全うした威厳を感じる。

 道は次第に険しくなり、スズタケをかき分けるところもある。1409mのピークを過ぎる辺りで沢音が聞こえてきた。スズタケと格闘しながらの下降が始まる。ぐんぐんと高度を下げていき、杉の植林帯へ入る。斜面を転げ落ちるように杉の幹につかまりながら下降していくと、国見岳登山口のある林道に着く。午後4時10分、国見岳から2時間である。

 国見岳登山口から林道を歩いて行くと、左に五勇谷への林道を分け、すぐに五勇橋に着く。橋を渡って左から橋の下へ降り体を拭く。今日の登山の終わりである。ゲートを抜け、崩壊地を通り、車が止めてあるところに着いたのは午後5時少し前であった。車が一台やってきたが崩壊地の手前でUターンして帰っていった。夫婦で林道を散策しているらしい。

 林道を崖崩れに注意しながら引き返し、佐俣の湯を目指す。途中「七郎次水源」で水を補充。熊本名水100選に選ばれている水源で、濾紙まで準備してある。佐俣の湯はR218を松橋方面へ10分ほど走り右へ入ったところにある。午後9時半まで入浴可能で、受付締め切りは午後9時となっていた。入浴料は400円。
さっぱりした後、ラーメンを食べて阿蘇へ向かう。今日は、阿蘇登山道の駐車場で泊まりだ。


その他
  • 今回の山行は歩行時間が長く、足がもつか心配であったが、烏帽子岳から国見岳までが割りと楽だったので助かった。このコースは烏帽子岳への登りが勝負であろう。特にスズタケの藪コギには余計な体力を使う。
    また、崩壊地から登山口までが近かったことも助かった。崩壊地がもっと手前だったら、あきらめて計画変更しなければならなかったところだ。脊梁の山はなるべく稜線上に長く居たい。もっと歩行時間を短くして余裕を持った山行がいいかもね。。。
  • 所要時間は休憩時間を除いた実質歩行時間であるが、「年齢48歳、最近膝の調子が悪く、登りも降りも大して時間が変わらないような状況」なので参考程度にしていただきたい。
  • 椎葉や五家荘の道は狭くてカーブが多いので安全運転を心がけてほしい。ライトの点灯は常識である!!
国見岳山頂周辺 五勇橋周辺 烏帽子岳山頂周辺
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