ほっつき歩記山記録 (九州脊梁山地)No.12 国見岳
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登山日 : 2004年8月6日 (晴後雷雨)
コース : 五勇橋→樅木林道終点→尾根取付き地点→平家山・国見岳縦走路→国見岳→国見岳登山口→五勇橋
※このコースの尾根取付き地点から平家山・国見岳縦走路までは登山道がなく猛烈な笹薮です。ヤブ山目的以外の方は絶対に入山しないでください! → 2012年10月に逆コースを歩きましたが、笹藪は切り分けられて快適な登山道に整備されていました。(詳細は「国見岳・後平家山・夫婦山周回縦走」を参照。)
登山口 : 五勇橋国見岳登山口
樅木の八八重から椎葉方面へ向かいすぐに左へ分岐する道に入る。道なりに進むと途中から未舗装路に変わり、やがて五勇橋手前のゲートに着く。
所要時間: 約11時間(休憩は含まず)
樅木林道終点まで        2:15(歩行 2:00) 7.2km
尾根取付き地点まで引き返し   0:25(歩行 0:25) 1.0km ← 地図上の終点辺りから尾根に取付いた
平家山・国見岳縦走路まで    5:50(歩行 5:10) 4.5km ← 全区間ヤブコギ
国見岳まで           2:50(歩行 2:10) 5.0km ← 途中から雷雨となる
五勇橋まで           1:30(歩行 1:25) 4.5km
総時間             12:50(歩行11:10) 22.2km

(注)この鳥瞰図は「国土地理院のウォッちずで提供されている2万5千分の1地形図」を使用してカシミール3Dで作成したものです。

 以前、五勇橋から烏帽子岳・五勇山・国見岳と周回したとき、谷の反対側の尾根近くに林道が見えていた。「樅木林道があんなところまで延びているだなぁ」と少し気になっていた。地図を調べてみると樅木林道終点付近から北上する尾根に破線が記されている。かつては道があったのだ。もし、ここを歩ければ、五勇橋を基点に平家山、国見岳と周回することができる。平家山から国見岳まではしっかりとした登山道があるようだし、国見岳から五勇橋までは以前歩いたことがある。問題は「樅木林道が終点付近まで歩ける状況か」と言うことと、「もし尾根上に道がなければヤブコギをすることになる」ということである。  写真

五勇橋から林道終点まで
 五勇橋手前のゲート付近は工事用車両が出入りするため駐車禁止になっていた。少し手前の路肩に駐車して出発する。時刻は6時半。早朝に出れば工事の車両に出会うこともない。五勇橋、国見岳登山口と過ぎ、特に危険な箇所もなく歩いていくが、アブとハエが多くて参ってしまう。特に血を吸うやつがいて厄介だ。朝の空気は湿気を帯びていて重たく感じる。

 国見岳の旧登山口辺りは堰堤の工事をしていた。本来、ここが正規の登山口であったらしい。立派な標識が立っていた。途中、一箇所堰堤工事をしているところを過ぎて、谷の最深部にかかると、反対側に渡る所も工事中で、ショベルカーが止まっていた。橋を渡ると途端に道は荒れて崩壊地も数箇所現れるようになった。林道は地図上の終点辺りを過ぎてもまだ、先へ延びていて、1kほど行ったところで尾根に突き当たって終わっていた。


林道終点から平家山・国見岳縦走路まで
 林道終点から尾根に向かって踏み跡らしき痕跡が見られ、一瞬期待したが、すぐにヤブに阻まれてしまった。どうせならもっと手前から尾根に取付いた方がヤブコギの距離も短くなるので、林道を引き返して地図上の終点辺りの小谷から登ることにした。

 急な小谷を登って行くとすぐに笹薮に突き当たった。獣道を1時間ほど辿って何とか尾根上に上がるが、右も左も背丈を越える笹藪である。時々、踏み跡ではと思わせるような道があるがすぐに途絶えてしまう。笹が真直ぐに立っているところはいいが、笹が倒れているところはそれを起こしながら進むのでかなり体力を使う。とにかく稜線を外さないようにGPSと地図を確認しながら先へ進む。ちょっと明るい場所が見えると、そこは倒木が横たわっている場所で、そこから先の進行方向に迷う。1時間で600mから700m位しか進むことができない。途中、一箇所だけ赤いテープを見かけたが、そこからどの方向へ向かうのか判断できなかった。また、空き缶を2個ほど見かけたし、伐採用のワイヤーもみかけた。かつては、確かに道があったのだ。

 1時間で600mから700m位しか進むことができず、平家山と国見岳を結ぶ稜線の縦走路に出た時は午後3時になろうとしていた。尾根に取付いてから約6時間かかったことになる。もし、しっかりとした道があれば2時間ぐらいで歩ける距離だ。そろそろ夕立がくる時間帯だし、また、日が暮れる前に下山したいので、残念ではあるが平家山へのピストンは断念して国見岳へ向かうことにした。


国見岳まで
 登山道のなんと歩きやすいことか! 自然も豊かで、快適な登山道が続く。しかし、自然林の中を快適に歩いたのも束の間、20分ほど歩いたときに土砂降りになった。ヤブコギで前進泥まみれになっていたし、気温も高いので雨具はつけず濡れて歩くことにした。しばらくするとカミナリが鳴り出した。林の中でも落雷することはあるのだろうか。。。
途中で2回ほどカミナリが収まるのを待ったが、日暮れの時間も迫っている。雷鳴にビクつきながら縦走路の周りに広がる自然も目に入らないほど必死に歩き、午後5時半、やっと国見岳山頂に到着した。国見岳山頂に着くと雨は止み、薄日も射して祠の向こうに虹まで現れた。しかし、雷鳴はまだ止まず西の方には雨雲が広がっている。ずぶ濡れになった着衣を絞って着なおし、すぐに下山にかかる。


国見岳から下山
 降りで滑って転ばないようにストックを使って歩く。山頂から少し降ったところで五勇山への縦走路から分かれて、右の樅木へ降る道に入る。以前降った時には気付かなかったが、登山道の右側にドリーネがある。この辺りも石灰岩でできているのだろうか。この辺りは春にはバイケイソウの緑が綺麗なところだ。見覚えのある根元が空洞になっているユニークな木も健在であった。

 山頂から30分ほどでブナの古木に出会う。この登山道のシンボル的な存在であるが、残念ながら枯れてしまい、キノコが生え始めていた。自然に帰るまでそう永くはないであろう。途中で旧登山口への道を分け、急坂を降ってやっと国見岳登山口に着いたのは午後7時15分。日も暮れて薄暗くなっていた。林道に着いたとたんアブとハエの洗礼を受けながら五勇橋を渡り、愛車RAV4の待つ駐車ポイントへと帰り着いた。


その他
  • 樅木林道終点から平家山・国見岳縦走路まで踏み跡があることを期待したが、歩けるような道は見つからなかった。
  • 平家山・国見岳縦走路は始めて歩いたが自然が豊かで雰囲気のいい道であった。しかし、今回は雷雨にあったため充分に満喫することができなかった。いつか、今度は平家山から国見岳までの往復で歩いてみたい。
  • 椎葉や五家荘の道は狭くてカーブが多いので安全運転を心がけてほしい。ライトの点灯は常識である!!
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