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川辺川源流の尾根を周回縦走(2009年10月30日〜11月2日) → 写真集


 ネット上の掲示板では紅葉の便りが賑わっている。4年前から年に1回テント泊の山歩きをしているが今年はまだ実現できていない。どうせなら今の時期が良いだろうと思って地図を広げてみる。場所は九州脊梁山地が良い。いつもマイカー利用の単独行なのでどうしても周回ルートを採らざるを得ないが、九州脊梁山地には幾つか思い描いているコースがある。ひとつは霧立越と向霧立越を結ぶ耳川の源流帯を囲む馬蹄形の尾根の縦走だが、これは登山開始地点と下山地点の間が遠すぎるという問題がある。扇山から尾前辺りへ降る道、もしくは時雨岳から不土野橋辺りへ降る道があれば何とかなりそうなのだが、まだ、それらしい情報は得ていない。もうひとつは緑川源流帯を取り巻く尾根だ。ここにはまだ、登ったことのない山が幾つかある。このコース上ではトレイルランのイベントなども行われていて登山道の整備は行き届いていそうだ。さらに、もうひとつ。距離は少し短くなるが、雷坂を通って国見岳へ登り、五勇山、石堂屋と周回するコースもある。このコースは石堂屋からの降りが今一ハッキリしない。

いろいろ考えながら、ネットで情報を集めているとウードヤ山という変わった名前の山が引っかかってきた。五家荘の樅木にある山で標高は1355.7mと決して高くはない。しかし、この山のある尾根を北へ辿ってみると京丈山から平家山、国見岳と延びる縦走路が通っている尾根に突き当たる。この尾根の最後の部分は5年前に歩いたことがあるが、猛烈な笹藪漕ぎでわずか4km程の距離を6時間近くかかってしまったという苦い思い出がある。
しかし、ネットの情報に寄れば笹も大分枯れて歩きやすくなっているようだ。また、尾根上には五家宮岳、南平家山など初めて聞く名前の山があり、Mishanさんや、やませみ&かわせみさんのレポートがネット上にUPされている。それによるとウードヤ山と五家宮岳間は笹が濃くて途中まで林道を迂回している。また、五家宮岳と南平家山の間は情報がない。やませみ&かわせみさんのレポートによると南平家山から五家宮岳方面へ踏み跡が延びているようなのでルートはあるのだろう。問題は笹の状態であるが。。。

いろいろ検討した結果、立てた計画は樅木からウードヤ山へ登り、後平家山、国見岳、五勇山、峰越峠、白鳥山、水上越、山犬切峠、上福根山と周って横平へ下山するという我ながら長大なものになってしまった。途中で挫折することも考えてエスケープルートも検討しておく。問題は水であるが、事前に峰越峠にデポしておいて後は国見岳の力水、水上越のアンドウゴヤ谷、あるいは営林署小屋跡の近くで得ることにした。日程は3泊4日あるいは4泊5日の予定である。


登山コース

1日目 : 泉八小 − ウードヤ山 − 五家宮岳 − (五家宮岳北側の尾根で泊)
2日目 :  − 南平家山 − 夫婦山 − 後平家山 − (後平家山北側で泊)
3日目 :  − 国見岳 − 五勇山 − (五勇山で泊)
4日目 :  − 烏帽子岳 − エボシ谷へ下山、林道を歩いて駐車ポイントへ

MAP

10月28日(水) 久しぶりの五家荘へ


 久しぶりに県外の山へ出かける。期待と不安が混じったいい感じの緊張感だ。車検が終わったばかりの愛車RAV4も久々の遠出だ。いつものように、高速は使わずに阿蘇を越えてR445から五家荘へ入ることにする。ウードヤ山の登山口が今一ハッキリしないので前日に入って調べてみよう。宝珠山の岩屋駅で水を汲んで、日田、小国、阿蘇と越え、美里町の佐俣の湯でひと風呂浴び、ガソリンを満タンにするとR445へと入って行く。今晩は2本杉峠で車中泊になるだろう。R445はいつ走っても緊張する。狭くてカーブが多いので夜の方が対向車が分かりやすくてよい。

2本杉峠で、晩飯を食べ終えて寝る準備をしていると闇の中でカサカサと音がする。じっと気配をうかがうとなにやら大型の動物がうろついているようだ。ライトで照らすと大きな犬(本当に大きかった!)が広場の周辺をうろついていた。老犬のようでライトを当てても動じずうろついていたが、車の中から写真を撮ろうとしたら突然何処かへ消え去ってしまった。

(写真:二本杉峠で車中泊)


10月29日(木) 登山口の調査と散策


 2本杉峠から降って下屋敷から樅木へ向かう。平家の里入口辺りからは車の駐車ポイントを探しながら行く。知らない車が永く停まっていると不審に思われるだろうから民家の近くや観光名所の駐車場などは避けたい。それに登山口と下山口の距離のバランスもとりたい。今日はウードヤ山の登山道への取り付き点も見極めないといけないので、とりあえず峰越峠に水をデポしてからゆっくり探すことにした。

峰越峠への道路は水害で崩壊していたが、昨年辺りから通行できるようになっている。しかし、まだ工事中の箇所もあるので走行には充分注意が必要だ。この道路から分岐している国見岳の登山口へ向かう道路は法面崩落のおそれがあるとのことで入口で通行止めになっていて、八八重の手前の川辺川を渡った所から迂回路を通るようになっている。また、白鳥山や上福根山の登山口へ向かう林道川口線も崩壊したままで復旧のめども立っていないそうだ。峠へ向かう途中でバンに乗った髭のおっさんとすれ違った。昨夜は峠で泊まり、これから烏帽子、五勇、国見の周回コースを歩くそうだ。その時は、なんとも元気なおっさんだなくらいにしか思っていなかった。

峰越峠で朝飯を食べていると車が一台登ってきた。男性二人組みが乗っていてキノコ採りに行くと言う。すぐに、また、一台登って来て今度は高年の男性二人と女性が一人降りてきて山登りの仕度を始めた。烏帽子岳までピストンするとのことだ。キノコ採りは白鳥山方面へ、登山のグループは烏帽子岳方面へそれぞれ出かけていったので、近くの林の中に水の入ったポリタンをデポして来た道を引き返して行く。

泉八小(正式には八代市立泉第八小学校)の近くに車を停めて近くの鳥居から尾根へ登ってみることにする。小学校の門の前では生徒3人と先生ひとりで落ち葉集めをしていた。小さな鳥居をくぐって急な斜面に付けられた道を登って行くと尾根の上に出て、左手に小さな祠が祀ってある。白鳥神社だろうか「白・・・」で白しか読めない。本当に小さな祠だ。尾根は左へ緩やかに登っているようだが、林の中に踏み跡のようなものは見えない。また右側は背丈の高い笹が密生していて祠の周りだけ切り払われている。もし、ルート上にこのように密生した笹があったらとても歩けそうにない。

鳥居まで降って少し先から右上へ登っている細い舗装路へ入ってみる。入口には「しゃくなげの宿」の看板が出ている。この道路の途中から尾根へ上がる道がないか探しながら歩いたが、それらしい道は見つからなかった。舗装路を突き当りまで行くと民家が数軒建っていた。上の方へ細い道が付いているが不審に思われても何なので躊躇していると、すぐ側の家からおじさんが出てきて話しかけてきた。家の中に招かれ、お茶までご馳走になってしまった。

ウードヤ山への登山口が見つからないまま、もう一度さっきの鳥居から登って尾根を少し辿ってみる。道は無いが何とか歩けそうだ。地図と照らし合わせるとこの尾根はウードヤ山山頂へ繋がっている。明日はここから登ることに決めて、こんどは駐車ポイントを探しに行く。

登山口と下山口は川を隔てて対岸にある。樅木の吊橋を渡って繋ぐつもりだが、川のどちら側に車を停めておくか悩んでしまう。どちらに停めても永く停めて置くと人目を引いてしまうだろう。悩んだ末、国見岳登山口へ向かう迂回路へ入った路肩に停めておくことにしたが、結果的にはこれが正解だった。

天気は良いし、時間があるので樅木の吊橋を見物してから国見岳登山口まで様子を見に行くことにした。迂回路は川を渡ってダムの横を通ると、折り返して五勇谷橋へ向かう道路に出る。以前に比べると随分綺麗になっているが、途中少しだけガタガタしている所がある。渓谷を隔てた対岸の山肌は紅葉真っ盛りでとても綺麗だ。対岸にも2、3軒、民家があるようだ。

五勇谷橋手前の烏帽子岳登山口に今朝すれ違った髭のおっさんのバンが停めてあった。また、五勇谷橋手前のゲートの前にも軽が一台停まっていた。ゲートの前に車を停めて国見岳登山口まで散歩してみる。林道は色とりどりの落ち葉で埋め尽くされ、上を見れば紅葉(黄葉)が陽光に輝いている。引き返す途中で足元にユキノシタに似た花が咲いている。おそらく大文字草か人字草であろう(帰ってから調べてみたら人字草であった)。

車で引き返す途中で河原へ降る道があったので降りてうろついてみる。降りついたところの下手に巨大な堰堤があるのでほとんど伏流水となっていて流れはごくわずかである。堰堤の下を覗くとなんと小さなつり橋がある。非常に興味をそそられるが我慢して車へ戻り晩飯を食べていると、髭のおっさんが車で降って来た。予定通り烏帽子、五勇、国見と周回してきたそうだ。話をしている内にこの人が単なるおっさんではなく、日本山岳会の会員でユニセフのカメラマンなどもやっているH氏であることが解った。髭のおっさん呼ばわりは失礼だったか。写真を沢山見せてもらったが「虫の落し文」というなんとも風流な名前の枯葉に包まれた虫のタマゴの写真に興味を惹かれた。さらに出身地などを話していると私の従兄弟と知り合いで、伯父の家に泊まったこともあるという。世間は狭いものだと感じた瞬間だ。H氏は明日もう一度、今度は内大臣側から国見岳へ登ると言って去っていった。

(写真:表:泉第八小学校とウードヤ山 裏:ウードヤ山から五家宮岳への稜線遠景)


10月30日(金) 樅木からウードヤ山と五家宮岳
迂回路入口(駐車ポイント) → 泉八小前の鳥居 → ウードヤ山 → 林道 → 尾根取り付き → 五家宮岳 → 五家宮岳北側の尾根でテント泊

 6時過ぎに迂回路入口を出発する。天気は上々、いよいよ縦走開始だ。登山口と決めた泉八小前の鳥居へ向かう。夜は明けているが陽はまだ山の端に隠れている。迂回路入口から小学校前まで民家は一軒も無く、人にも車にも出会わない。鳥居を潜って斜面を登って行く。空身で登っても息が切れるくらいの急坂で重いザックを背負って登るのにはいきなり堪える。祠の裏側から林の中へ入って尾根を辿る。左下には泉八小が見えている。杉の植林帯の尾根は最初は平坦だが次第に傾斜が急になってくる。途中で2ヶ所尾根を横切って踏み跡が付いている。どちらも踏み跡に沿って黒いパイプが敷かれているが、2ヶ所目の方が明瞭な踏み跡で、これはおそらく地図上で樅木集落から開持集落へ向かっている破線であろう。やはり、昨日行った集落辺りから道が付いているようだ。

左上部には1241mピークであろうか、朝日を浴びているのが見える。一旦、自然林へ入るがすぐにヒノキと松が混じった広い植林帯になり傾斜も急になってきた。傾斜がきつくてつい左側の斜面へ向かいそうになるが我慢してなるべく尾根を外さないように登って行く。幸い下草はほとんど無く笹は尾根の右端にあるだけである。1000mを越えた辺りで一旦平坦になったので休憩しながら朝飯を食べる。

松の巨木がある辺りで植林帯を抜け自然林の中へ入って行く。左側へはなだらかな斜面が降っている。傾斜が緩やかになったと思ったらすぐに、また、猛烈な急登が待ち構えていた。踏み跡も定かでない斜面を喘ぎながら登って行く。笹がまばらに現れるが、背丈が低いので特に障害にはならない。左奥には岩の壁のようなものも見えている。斜面を登りきると右から尾根が合流する。少し登ると今度は左から尾根が合流する。木の幹に、おそらく今日始めてみる赤テープが巻いてある。露岩が多くなり、笹が少し現れてくると左前方に鮮やかな紅葉を見ながら1241mピークに到着する。

時刻は9:30。朝飯休憩を取ったとはいえ泉八小から登り始めて3時間もかかっている。まだまだ先は長い。

1241mピークからは小さなアップダウンを幾つかこなすが、傾斜はこれまで程きつくなくなった。しかし、今度は紅葉が目を引いてなかなか先へ進まない。時々、木の間越しに烏帽子岳が見え隠れする。また、尾根上には黒いケーブルのようなものが埋設されていて「MIYAZAKI」と書かれた「CATV線路増幅器」も見かけたが今も機能を果たしているのかどうかわからない。

喘ぎながら、それでも紅葉を愛でながら登って行くと、やがてウードヤ山山頂に着く。標高1355.7m、三等三角点の山だ。山頂は狭くて三角点の側に鉄板にマジックで「ウードヤ山」と書いた山頂標識がひっくり返っている。近くの藪の中からはテレビのアンテナらしいものが覗いている。山頂の南側は明るい自然林で綺麗に紅葉しているが、これから向かう北側は笹とヒノキで鬱蒼としている。それにしても紅葉が鮮やかだ。

ウードヤ山山頂から北へ向かう踏み跡の右側に金属製の箱(受信用増幅器と書いてあった)に「ここはウードヤ山です」と書いてあり、その周りに三方向の矢印が書いてあり、それぞれ下(南)の方へ「平家の里」、右(東)へ「泉第八小学校」、左(北)へ「五家原岳(林道に出る)」の表示がある。(「五家原岳」と書いてあったがおそらく「五家宮岳」の誤りだろう)
どうやら平家の里からもルートがあるようだ。

ウードヤ山から次の目標である五家宮岳を目指して踏み出すとすぐに猛烈な笹藪に行く手を阻まれてしまった。事前にネットで情報を得ていたのが、やはり尾根通しに進むことは出来なさそうだ。左側に林道が通っているはずなので捜すと確かにそれらしいものが見える。林道の右側斜面にはびっしりと笹が密生していてわずかに稜線上にだけ樹が残っているのが見える。次の小ピークとの鞍部辺りから強引に林道へ降りてとりあえず先へ進むことにした。この林道は下屋敷から延びてきている保安林管理用の道路であるらしく入口はゲートで閉ざされていて一般車は入れない。最もこの辺りはススキに覆われそうになっていてとても車は走れそうにないが。。。

林道の左側は斜面が切れ落ちていて谷を隔てた向こう側の山並みが一望できる。右奥から大金峰、小金峰、保口岳、さらに左の遠くには白髪岳や国見山など何故か足が向かず、未だに登ったことがない山々が連なっている。天気は良く、この時期にしては気温も高いようで歩きながら眠気に誘われそうになる。後を振り向くとウードヤ山の山頂だけ木が生茂っており、そのすぐ下を林道が横切っている。その向こう側には(北)山犬切から上福根山へと続く尾根が見えている。林道の右斜面は笹に覆われ、尾根の上にポツポツと残った樹々は立ち枯れているように見える。

林道は尾根を幾つか回り込んで延びているが、1443mピークの尾根は上部は笹とススキに覆われまばらに木が生えているが下の方は紅葉した樹々に覆われている。また、このピークから西へ降っている尾根は岩稜になっているようで紅葉の隙間から白い岩肌を覗かせている。途中、「ブナの里帰り」と書いた朽ち欠けた標識を見て1443mピークの尾根を回り込み、さらに進んで突き当たった谷の奥で昼飯休憩にして尾根への取り付き地点を捜すことにした。1443mピークからこの谷の上の尾根までには小ピークが2、3あって樹林に覆われているようで、ここを歩かないのはもったいない気もするがしょうがない。

時間がもったいないので食べながら登り口を捜したいところだが、カラスが数羽いるので荷物を出したままザックから離れられない。急いで昼飯を食べてから空身で林道を先へ進み尾根の状況を調べてみる。ネットで検索した数少ない情報のなかで「やませみ&かわせみ」さんのHPで、この林道から五家宮岳へ登った記録が紹介されている。それによるとこの谷の北側の尾根を辿って稜線へ上がり五家宮岳山頂へ到達していたはずだ。その尾根を回り込んで見ると林道は降って行ってしまう。この尾根はヒノキが植林されていて、その下には笹やススキはあまり生えていない。また、ヒノキ林の入口の笹は切り払われているので尾根に取り付くにはもってこいだ。

ザックを取りに行って早速この尾根へ取り付く。ヒノキ林の中を登って行くと次第に手入れされていないヒノキの枝が邪魔になりだし、苔が沢山生えている辺りを過ぎると唐突に笹藪に突き当たってしまった。一瞬がっくりしそうになったが、なんとか持ちこたえて笹藪をよく観察するとかすかに踏み跡らしきものがあったので、迷わずそこへ突入して行く。踏み跡の上に笹がかぶさり、踏み跡を少しそれるともうわからなくなる。それに、かぶさった笹を起こしながら進むのは非常に体力を消耗するのだ。それでも頑張って、なんとか尾根に到達すると、そこは小ピークになっていて右から赤テープが登って来ている。おそらくウードヤ山から続く尾根の何処かに踏み跡が付いているのだろう。

倒木があると踏み跡がどちらへ続いているのか、一瞬、判断に迷う。頭上の紅葉もろくに眺めないで何とか尾根に沿って登って行ったが、標高1480m辺りで左へ進んで迷ってしまう。そういえば「やませみ&かわせみ」さんのレポートでも途中で間違って左へ進んだ箇所があったのを思い出して、少し引き返して良く調べてみると尾根を直登する踏み跡がかすかについている。良く見れば笹に小さな赤テープが付いていたのだが、これは笹の葉に隠れてわからない。

安心したのもつかの間、ここから猛烈な藪が続いている。5年前の後平家山の藪漕ぎが思い出される。途中で、もう一度道を失いかけるが何とか次の小ピークまで辿り着く。ここには「山」の標識があり、笹藪の中にブナの木が数本立っている。五家宮岳までもう少しのはずで、笹の勢いも若干弱まったように見えるが、体力はかなり消耗していて思うように進まない。ブナの巨木があるたびに脚を止め写真を撮りながら気を紛らわすが、おそらくブレてしまっているだろう。

五家宮岳山頂直下で10分程くたばってから、最後の力を振り絞って、やっとこさ五家宮岳山頂に辿り着く。五家宮岳は標高1538mで三角点は無いようだ。山頂は林と笹に囲まれた狭いスペースで展望は得られない。山頂標識が見当たらないので捜してみると足元に板切れが落ちている。ひっくり返してみるとブルーの文字で山名が書かれた立派な標識であった。

五家宮岳山頂からは北へ向かうが道は割りと明瞭になってきた。時刻は16:30を回っていてそろそろ天場を決めなければならない。五家宮岳山頂から20分程行った所の、尾根が東へ方向転換する辺りに落ち葉が敷き詰られめた広い空間があったので、今日はここでテントを張ることに決める。

木の枝を取り除き、落ち葉を敷き詰めてその上にテントを張る。夕食は水をあまり使わないように気をつける。一応、ザックの中に4Lの水と1.2Lの水筒と500mlのペットボトルをぶら下げてきたが、水筒とペットボトルのほうはほとんど飲み尽くしてしまった。明日も水場は期待できそうに無いので4Lの水で国見岳の力水までは何とか持たせなければならない。

夜が更けると風が強くなってきた。枯葉の散る音が思いのほか大きく聞こえる。特にホオノキの葉は枯れると結構硬いようでテントにぶつかると大きい音を立てる。携帯型のMP3プレーヤーで森田童子の歌を聞きながら眠ろうとしたら、なんだか物悲しくなってきたのでやめた。。。

(写真:表:ウードヤ山山頂 裏:五家宮岳山頂)


10月31日(土) 南平家山、夫婦山を経て後平家山へ
五家宮岳北側の尾根 → 桜谷分岐 → 南平家山 → 林道終点 → 夫婦山 → 後平家山(泊)

 テントの中でグズグズしている。大抵、テントの中は結露してビショビショになる。しかし、昨夜は風が強かったので乾燥していたのか、珍しく乾いている。いつもこうだと助かるのだが。

簡単に朝飯を済ませてザックに荷物を詰め込む。いつもはこれで時間を食うのだが、今回もやっぱり。。。
やっとテントを撤収した頃、樹間から朝日が差し込んで周りの紅葉がいっせいに輝きだした。時刻は7:00になろうとしている。もっと早く出発すべきなのだろうが、初めてのコースなのと登山道が整備されていないので暗いうちの行動は禁物だ!(本当はテントの中でグズグズして出発の準備に手間取っただけなのだが。)

朝日に輝く紅葉の下、笹の中に続く踏み跡を辿る。昨日の五家宮岳への登りよりは踏み跡も明瞭で笹の勢いも衰えてきたように感じるが、今度は倒木という新たな難敵が現れた。笹の中に倒れたブナの巨木は踏み跡を完全に隠してしまう。倒木の上に乗って笹の波の様子を眺めたり、永年培った(?)勘を働かせて進む方向を見つけ出す。枯れた枝は折って取り除き、私の足で跨げそうなものは跨いで、どうしても潜らないといけないようなものは腹ばいになって潜って行く。なるべく笹藪のなかを迂回するのは避ける。笹と格闘するうちに方向を見失ってしまう恐れがあるのだ。それでも今日は笹が乾いているだけましだ。

次のピークへの登りの手前に標識がかかっていて、今来た方へ「五家宮岳」、進行方向へ「南平家山」の表示がある。また、左の谷の方へ「登山口(桜谷) 林道まで25分」の表示がある。どおやら、五家宮岳や南平家山へのメインの登山道は「桜谷」という登山口からのコースのようだ。国土地理院の地図ではこの辺りを越えて両側へ破線が降っている。

次のピークは大きなブナやカエデが紅葉(黄葉)してきれいだ。このピークは三方向へ尾根を張っていて、地図を見ると南東へ広い尾根が緩やかに降っている。進行方向を間違わないように慎重に踏み跡を探すがそれらしき形跡が無い。20分程ウロウロして、ピークのすぐ下から左へ進みやせ尾根に出る。右手には国見岳から烏帽子岳への稜線が見えている。安心したのもつかの間猛烈な笹の洗礼を受ける。それにしても、この辺りには大きなブナの木が多い。踏み跡は南平家山山頂の東側を巻くように進んでいるが、そのうち緩やかに降り始めたのでザックを置いて山頂への登り口を捜す。結局、登り口は見つからず、適当な所から強引にピークを目指して登って行く。

南平家山は標高1510.2mの三等三角点の山である。山頂は笹と大木に囲まれて狭く、展望は無い。山頂の東側に黄色いテープ(おそらく元々は赤テープだったのが色が抜けてしまったのだろう)の目印があり。そちら側から踏み跡が降っている。山頂からそちらへ降るとザックをデポしていた地点のすぐ手前に降りつき、そこにも黄色のテープで目印がしてあった。登り口を捜すときに先の方だけ捜して、手前に戻って捜すということをしていなかったのだ。

ザックを拾って降り始めると次第に笹も濃くなり、疲れが出始める。ザックを降ろしてひっくり返り、「即効元気」を飲む。寝転がって見る紅葉もなかなかいいもんだ。気合を入れなおして先へ進むが、笹は益々濃くなる。左手には植林帯のピークを林道が横切っているのが見える。おそらく地図に載っている1309mピークであろう。所々に黄色のテープがあり、それを追いかけるが、右手に国見岳への稜線が見える辺りで解らなくなってしまった。知らないうちに右へ右へと進んだようで突然崖の上に出てしまった。崖の下は窪んでいて地面が露出している。斜面には土止めの緑のネットの残骸も見える。どうやら五勇谷橋から登って来ている林道の終点辺りに出たようだ。とりあえず林道へ降りてみる。

この林道は5年前に一度終点まで歩いたことがある。終点はもう少し南側だったようだが、ほとんどススキに埋もれてしまっている。林道の両側には紅葉した背の高い樹木が立ち並んでいて圧巻だ。道路脇の大きな丸太に腰掛けて、さてどうしたものかと考える。5年前はこの辺りから尾根に取り付こうとしたが完全な藪で入れなかった。しかし、南平家山から降って来た踏み跡はおそらくこの林の中にあるのだ。調べる為に笹を掻き分けて尾根の方へ入ってみるとチョッと入った所をそれらしい踏み跡が通っている。

再び尾根道へ入り、次のピークを目指して登って行くが、2度ほど倒木で道が分からなくなる。笹の中に踏み跡が無いか、しゃがんで覗いてみたり、倒木の上から笹の様子を眺めたりして、むやみに動き回ることはせず、勘を働かせて何とか踏み跡に辿り着く。気温が上がり疲れが出てきたのか、なかなか先へ進まない。登りになるところで明るく開けている所があったのでチョッと長めの昼飯休憩をとる。倒木の向うに南平家山が見えている。笹の間に寝転がっていたらいつの間にか眠ってしまったのか、自分のいびきで目が覚めた。この調子だと今日は後平家山辺りで一泊することになりそうだ。

次のピークは落ち葉の絨毯の周りにブナの巨木が立ち並ぶ素晴らしい景色を見せてくれた。やはりブナの木は素晴らしい。他の木に比べて葉っぱの量が圧倒的に多い。写真を撮りながらウロウロしていると木に標識が取り付けてあり、「夫婦山」の表示がある。私はこの時勘違いをしていて、ここが1470mピークだと思っていたので、山名の根拠がわからなかった。しかし後で地図を見てみるとこのピークのすぐ東側にもうひとつピークがあることが分かった。なるほど、「夫婦」または「双子」などの名前が適当だろう。このピークの南側を五勇谷橋から登ってきた林道が通っていて5年前はその林道の小谷から尾根へ上がり、ここを通って後平家山、国見岳と周回していたのだ。そのときは猛烈な笹藪に覆われていて地面など見えず、自分が何処にいるのかさえも分からないほどだった。しかし、今は笹の勢いも衰えて一面に敷き詰められた落ち葉を見れるほどになっている。

「夫婦山」から一旦降って1470mピークを目指すが、この辺りから笹は枯れかけて葉も少なくなり、手で折れるほどになってしまった。谷まで光る紅葉や木の間から覗く山並みを眺めながら、それでも、ひーこら、ひーこら、1470mピークに辿り着く。

1470mピークはブナやカエデ、その他は知らない、等が立ち並ぶ広いピークである。笹はほとんど枯れていて、思わず落ち葉の絨毯の上に寝転がる。黄色やオレンジの隙間から青空が覗いている。一瞬、ここで一泊しようかと思ってしまうほど最高の瞬間だ! しかし、冷静になって後のことを考えると、やっぱり後平家山までは行っておきたい。

方向を確認して慎重に降り、小ピークをひとつ越える。うつむいて歩いていると色んな葉っぱが落ちていて植物の種類の多さに改めて驚かされる。落ち葉の中に一際目立つ大きな葉はホオノキの葉だ。灰色がかった薄茶色のこの葉っぱはお世辞にも綺麗とはいえないが、昨日、今日と歩いて来て結構眼に付く葉っぱだ。花の時期にはいい香りが漂っているのだろう。

この辺りからはピークを通るたびに東へ北へと蛇行しながら登って行くので方向を確認しながら先へ進む。東側の谷が結構大きな谷でその谷へ落ちて行く支流の谷が複雑な地形を作っている。そしてそれらの谷の源頭部はなだらかな広い斜面を作っていて美しい景色を見せてくれる。踏み跡は大体尾根の左側を通っているのだが、尾根上の笹が勢いを増すとどうしてもこの広い谷の方へ逃げてしまうので、そこから登り返すのがまた大変だ。

何とか最後のピークを越えて後平家山山頂へと登って行く。途中で休憩していると、すぐ近くでキツツキのドラミングが聞こえた。カメラの録音機能を使って録音しようと構えると音が止み、あきらめるとまた鳴り出す。からかわれているようだ。

最後のひと踏ん張りをガンバルと、突然、落ち葉を敷き詰めた林が広がった。傾斜はやや降っている。どうやら後平家山の山頂を通り過ぎて反対側へ出たようだ。前回もそうだったがこの山を南から登ってくると突然景色が変わる。笹の多い南側に比べて北側は広くてなだらかな疎林帯が広がっている。とても雰囲気のいい所だ。平家山方面から国見岳へ向かう縦走路が通っているはずなので、少し降って確認すると赤いリボンが結んであるのが見え、その下を、落ち葉に埋もれて分かりづらいが、かすかな踏み跡が通っている。

時刻は17:00になろうとしている。なるべく平坦な所を捜してテントを張り終える頃には綺麗な夕日が木の間に沈もうとしていた。天気予報では明日から崩れるとのことだったが本当だろうか。。。

今日も夕食は水を使わずにパンとフルーツ缶などで済ませ、そそくさと寝袋に入る。標高が少し高くなったせいか昨日に比べると随分寒く感じる。特に足が冷えるのでズボンの上にヤッケを穿いて寝た。(昔、テレビで植村直己がセーターをこうやっているのを見て覚えていたのだ。。。)

(写真:落ち葉の絨毯の上に寝転がって紅葉を見上げる)


11月1日(日) 後平家山から国見岳、五勇山
後平家山 → 国見岳 → 五勇山(泊)

 縦走3日目。天気は急変した。昨日のあの綺麗な夕日はなんだったのか、外はガスっていて小雨がぱらついている。それに風も強いようだ。テントの内側は結露でビショビショになっている。少しは乾くだろうと思いタオルでふき取ってからコンロに火をつける。あまり食欲は無いが食パンを一枚とバナナを一本食べる。

雨具を着けてテントを撤収する。時刻は7:30、昨日よりも遅い出発だ。今日は何処までいけるやら。。。

縦走路は広い樹林帯から右上へ向かい尾根上を進む。早速、笹の間に倒木が現れるが、近付いてみると特に問題なく突破できた。登山道が南東へ方向転換すると「現在地:イチイ平」と書いた標識が現れた。このコースは何回か通っているが始めて見る標識だ。辺りを見回すと、登山道の左側の笹の上にイチイの巨木が聳えている。かなりの老木なのだろう、上の方で沢山枝分かれしているように見える。

頭上の木々はほとんど葉を落して、足元には無数の落ち葉が敷き詰められている。晴れていれば最高の気分で歩けるのだろう。このコースは今回で4回目になるが、相性が悪いのか、そのうち3回は雨に降られている。ただ、2004年の10月に平家山から国見岳までピストンした時だけは晴れていた。でも、その時は倒木に悩まされてやはり余裕がなかった。いつか、この尾根に的を絞って、ゆっくりと散策してみたいものだ。

標高1576m地点辺りからは国見岳や天主山が見えるのだが、今日は全く展望は無い。それにしても以前に比べたら随分と歩きやすくなった。以前は登山道いっぱいにブナの倒木が枝を広げて倒れている所が何箇所もあった。周りは笹で囲まれているので容易に迂回することも出来ず、苦労して乗り越えていたのだが、今は枝は朽ちたのか既に無く、残った幹の部分も乗り越えたり、迂回したり容易に出来るようになった。それでも、尾根が広いので落ち葉で踏み跡が分からなくなると、間違った方向へ進みそうになる。

広河原登山道が合流する辺りまではアップダウンが少なく、1576mからの降りと1578m辺りの登り降りが唯一それらしい所だ。しかし、山道は山道、以前、積岩山から蕨野山、鷹の巣山と周回したとき、濡れた木の枝に脚を滑らせて竹の切株で手を突き刺したことがあるので、降りは特に注意深く降って行く。

途中で「国見岳登山道出会いまで30分」の標識をみるが、今日は30分では無理であろう。1578m地点を過ぎると広い樹林帯が広がっていて大量の落ち葉で埋め尽くされている。色も形も大きさもさまざまで下を向いたまま「もみじ狩り」が出来そうだ。登山道は尾根の北東側を通っているが、そこから一段下がった所に気持ち良さそうな樹林帯が広がっている。

1555m地点を過ぎると右前方に小さな道標が見えてきて、ここで、広河原からの登山道が合流する。この登山道は、かつては国見岳へのメイン登山道であった。熊本の高校に通っている頃、遠足で始めて国見岳に登ったときにこの登山道を登った思い出がある。あの頃は、まだ、登山口近くまで大型バスで入ることが出来た。27、8年前の話だ。

広河原登山道が合流するといよいよ国見岳山頂への最後の登りだ。山頂までの標高差は約200m、1kmチョッとの距離だが重荷を背負っているとこれがなかなか進まない。焦らずに、ゆっくり、ゆっくり登って行く。「山頂まで500m」とか「山頂まで300m」とかの表示がなんと遠く感じることか。右へ延びる岩稜へ乗り上げて「山頂まで300m」の表示を過ぎた辺りで、登山道を外れて左へ尾根を横切り、「力水」へ向かう。この辺りは鹿の姿をよく見かけるが今日は一頭もいない。地図を見ないで勘に頼ったら「力水」の少し上の方に出てしまった。

「力水」は国見岳山頂近くにある貴重な水場であるが、今では荒れ果ててしまっていた。パイプは除けられて、石と落ち葉の間をほんのチョロチョロと流れているだけだ。下の方にブルーシートを広げてあり、水溜りが出来ていたが飲めたものではない。登山口から担いできた水は既になくなっていて水筒の水も飲み尽くしていた。峰越峠まで行けばデポした水があるが、天候、体力、時間を考えるとこれから10km近い距離を歩くのは無理だろう。しかし、いざというときの為に買った携帯型の浄水器をザックに入れていたのを思い出して、急に気持ちにゆとりが出来た。おもむろに浄水器をザックから取り出し、ブルーシートに溜まった水を入れてみたが一滴も出てこない。しばらく、あれや、これや、やってみてが出てこない。買ってから一度だけ試しに使っただけなのに、もうフィルターが詰まったのだろうか。雨は、また強くなってきた。しかたなく、チョロチョロと流れる水を落ち葉を使って集めて、1.2Lのプラティパスと500mlのペットボトルを満たして山頂へと向かう。

背丈の低い笹の中を通り、石楠花の群落を抜け、右から平家山、広河原方面からの登山道を合わせるとガスの中に山頂の社が見えてくる。最後に岩場を登って国見岳山頂に出る。

国見岳は九州脊梁山地の盟主で標高は1738.8m、一等三角点の山だ。遠くから見ると丸みを帯びた鈍頂に見えるが、山頂部分だけは岩が露出していて少し突き出ている。山頂には小さいが風格のある社があり、この山のシンボルになっている。この社は、最近建て替えられたようで、前にあったものと同じ形をしているが、まだ風格が無い。特に屋根がそうだ。これから風雪に耐えて前のものと同じように小さいながら風格のある社になって行くのだろう。晴れていれば脊梁の山々を一望できるのだが、今日は全てガスの中だ。また、いつか晴れているときにくることを誓って先へ進むことにする。

五勇山へは登ってきた方と反対側へ降る。降ってすぐに右へ五勇谷橋の登山口へ下る道が分岐している。内大臣林道が頻繁に通行止めになるので、今では国見岳へのメイン登山道になっているコースだ。縦走を開始する前日に登山口まで行ってみたが林道の様子も前に比べてよくなっていた。最近は五勇谷橋から登って峰越峠まで縦走するツアーもあるようだ。峰越峠の手前でマイクロバスを見かけたが、マイクロバスでは工事区間を通るのは無理かもしれない。

少し降った所で鹿を数頭見かけた。本来、人の気配がしたら慌てふためいて藪の中へ逃げ込むのだが、この辺の鹿はジッとこちらの様子を伺っている。人に大分なれてきてしまったのだろうか。それでもこちらが動くと斜面を駆け下りて行った。左側に大きな露岩を見ると国見岳(小国見岳<こぐるみだけ>に対して大国見岳<おおぐるみだけ>とも呼ばれている)と小国見岳の鞍部に着く。この辺りは春先になるとバイケイソウの緑で埋め尽くされてきれいだ。登山道は小国見岳の東側の斜面をトラバースしている。少し登ると大きな倒木が登山道の上にかぶさるように倒れている。この木は私が最初にこのコースを歩いたときから変わらずここにある。

小国見岳山頂(1708m)は登山道のすぐ西側にあり登り口には標識が立っている。少し先にも登り口があるが、手前の方が正規(?)のルートのようだ。今日は少しの体力も使いたくない気分になっているので小国見岳はパスすることにする。

落ち葉で埋め尽くされた細い踏み跡が斜面を横切って延びる。1678m地点を過ぎた辺りに「ごま畑」と名付けられた平坦な空間があるが、ここも落ち葉で埋め尽くされている。休憩をするのにいい場所だが今日はパスだ。ごま畑を過ぎると巨大なブナの倒木が登山道を塞いでいる。根元で幹が2つに岐れ、太い枝が2本突き出ている。幹の下に隙間があるがこのザックを背負ってはちょっと潜れそうにない。しかたないのでなんとか幹の上に登って越えたが滑りそうで怖かった。途中、尾根の西側を通る所では風が強く緊張するが、あれほど苦しめられた笹が強風から守ってくれた。

ガスの中に枝を広げる巨木を眺めながら、最後は五勇山の最高地点(1662m)を東側から巻いて道標が立ち並ぶ分岐点に出る。烏帽子岳や峰越峠方面へはここから右へ折れて行くが、五勇山の山頂標識はここから左へ少し入った所にあるのでそちらへ向かう。すぐに、山頂標識の小さな杭が立った狭い平坦な場所に着く。一応、ここが五勇山の山頂ということになっているが、三角点はここから東へ400m程行った所にあり、最高点は烏帽子岳方面への登山道へ入った辺りになる。左前方へ切分けがあり、岩稜が少し張り出している。右前方へ降る道は椎葉村の萱野登山口へ降る登山道で三角点へもこちら側へ行く。私はまだ、こちら側の登山道は使ったことが無いが、途中で石堂屋へ向かう道が分岐しているようだ。また、この道の入口付近から右へ付いている踏み跡の先には展望の利く岩場がある。この岩場からは峰越峠へ続く尾根が一望できる。

時刻は14:00を少し回っている。標識の表示によれば「烏帽子岳まで約50分」、「峰越峠まで約200分」である。烏帽子岳までの間にテントを張れそうな場所が有っただろうかと考えるが思い付かない。雨も次第に強くなってきたので、結局、ここにテントを張ることにした。

雨が降っているのでテントにフライを取り付けてからポールを差し込んで組み立ててみたら、これが割とうまくいった。ザックの中身をテントの中に放り込んで急いで中へ入る。ウォータプルーフを2回に分けて塗りこんできた登山靴だが中まで水が入り込んで靴下はぐっしょりと濡れている。福岡に来てから買った靴だから、もう15、6年になるか。最初の山行は尾平から祖母山へ登ったときだったと思う。最近はテント泊か雪の中を歩くときにしか履かないので、履くたびに靴底が剥がれないか心配になる。一度、祖母、傾の縦走を企てたときに、傾山の水場コース(青鈴コース)の途中で靴底が剥がれて撤退したことがある。車が走らせないとダメになるように、靴も履かないとダメになってしまう。

コンロに火をつけて濡れたものを少しでも乾かそうとするが、そう簡単には乾かない。今日は今回の縦走で初めてお湯を沸かし、アルファ米の白米と牛肉の缶詰、タマゴスープなどを頂く。アルファ米も昔のとは比べ物にならないくらい美味しくなった。外は雨が降り続き、風が強くなってきた。時折、ゴォーゴォーと音を立てているが、林と笹に囲まれているのでテントには影響なさそうだ。

明日のことを考える。当初の予定通り上福根山まで行くには最低でも後2泊は必要だ。白鳥山で一泊、山犬切り峠で一泊など考えるが明日の天気が気になる。この雨は寒気をもたらす雨だと天気予報で言っていた。とすれば、明日から冷え込むに違いない。昼間は何とかなるだろうが夜が問題だ。冬山の準備はしてきていない。全部着込んでも夕べでも寒かったくらいだ。今夜はもっと寒いだろう。そして、明日はそれよりもっと。。。

悩みながら持病(腎臓と高血圧)の薬を飲んでいて気がついた。薬が明日の朝の分までしか無いのだ。テント泊のときは、いつも予備を数日分持って行くようにしている。今回も用意していたのを車の中に置いてきたらしい。もともと3泊4日で計画していたので明日の朝の分までしかない。血圧の方は1日や2日は大丈夫だろうが、腎臓の方は計画的な投薬を行っているので一度も欠かさずに飲んできた。それに妻にも1日程度の余裕しか言っていないので2日延ばすと心配するだろう。白鳥山まで行ってウエノウチ谷を降り、秘境ルートの車道を歩いて降る方法もあるが。。。

薬が決め手になり、結局、明日下山することに決めた。問題は下山ルートだが、思いつく候補は4つある。

・1番目は峰越峠まで行って車道を歩いて帰る。車道歩きが長くなるが安全性は高い。
・2番目は白鳥山まで行ってウエノウチ谷から車道へ降り、車道を歩いて帰る。車道歩きは少し短くなるが歩行時間が大幅に増える。
・3番目は烏帽子岳から五勇谷橋へ降り、林道を歩いて帰る。林道歩きが長い。
・4番目は烏帽子岳からエボシ谷へ降り、林道を歩いて帰る。エボシ谷のコースは歩いたことが無い。

天気がよければ2番目を取るが、明日も天気は悪そうなので早く下へ降りることを考えて3番目か4番目で検討する。その結果、4番目のエボシ谷へ下山することに決めた。降りると決めたら少しでも時間がかからないほうが良いし、何よりもこのコースはまだ歩いたことがないのでこの機会に歩いておこうという欲が出てしまった。ただ、心配なのはエボシ谷コースへの分岐が分かるかどうかである。以前、と言っても、もう6年も前になるが、烏帽子岳、五勇山、国見岳と周回したときには笹藪に埋もれて分岐が分かりづらかったのを覚えている。笹の中に目印のテープが付いていたが踏み跡は定かでなかったような気がする。もし分からなかったら五勇谷橋へ降る方へ変更することで決着をつけてシュラフに入る。

(写真:新しくなった国見岳山頂の社)


11月2日(月) 五勇山から烏帽子岳を経てエボシ谷へエスケープ
五勇山 → 烏帽子岳 → エボシ谷分岐 → エボシ谷林道(下部) → 車道 → 迂回路入口(駐車ポイント)

 昨夜はかなり冷え込んだのと風の音で、一晩中うとうとしては眼が覚め、の連続であった。雨が降っていると思っていたが、目が覚めるたびにテントに光が差していて、どうやら月が出ていたようだ。しかし、今、外は小雨が降っていて風が強い。たぶん、ガスの上は晴れているのかもしれない。脚をシュラフに突っ込んだままコンロに火をつけてテントの中を乾かす。

お湯を沸かして紅茶をいれ、食パンを食べる。今日はパンを少し焼いてみる。生のままで食べるより少し焼いたほうが食べやすい。食べれるだけ食べて撤収の準備をする。今まで使っていたザックの内側のコーティングが剥がれてボロボロになってきたので、最近Ospreyのバリアント52というザックに買い換えた。このザックは、本来クライミング用で軽量化が行われていて余分なものがほとんど付いていない。色はパイロ(炎の意味らしい)で、真っ赤でかなり目立つ。若い頃使っていたカリマー・ピーターハーベラ−というザックを思い出させるシンプルさだ。確かに軽くて丈夫そうだが、パッキング下手な私には52Lは少し小さかったかもしれない。しかし、背中についているポケットはなかなか便利だ。今回のような藪山では笹の葉や小枝が溜まってしまうのが難点だが。。。

最近は、たまにしかテント泊の山行を行わなくなったのでパッキングがなかなかうまくできない。シュラフと衣類を脚でぎゅうぎゅうに詰め込んで、あとは適当に詰めて行く。なるべく行動中に使うものを上の方に詰めようと思うのだが、隙間が空くとそこへ合うものを押し込んでしまうので後が大変だ。重さのバランスも考えないと背負ってから後悔することになる。最初は我慢できても長時間になると体に負担がかかって来るのだ。何とか荷物を詰め込んで、最後にテントを撤収する。幸い雨は小降りで、それでも風が吹くと木の枝から水滴がボトボトと落ちてくる。雑巾代わりのタオルでなるべくふき取りながらたたんで行く。

今日は下山と決めたのでゆっくりと出発する。昨日より1枚多く着込んで烏帽子岳へ向けて出発する。今日歩く烏帽子岳へのコースは3回目になる。一度目は五勇谷橋から国見まで周回したとき。二度目は峰越峠から五勇山までピストンしたときだ。確か途中に展望岩と言うのがあったはずだ。

地元の人や有志の方々が整備したときに刈った笹が登山道に敷き詰めてある。理由は分からないが、雨に濡れて結構滑りやすい。特に茎の部分に乗るとズルッと行きそうで怖い。それでも笹が煩くないのは快適である。歩く幅だけ綺麗に刈ってあって両側に残った笹は風を防いでくれる。感謝、感謝である!!

時々、ガスの中に葉を落したぶなの木が複雑に枝を広げて立っているのが見える。展望岩をひとつの目安として歩いていたがなかなか辿り着かない。パソコンで打ち出した地図は雨に濡れて肝心の部分が滲んでしまった。どの辺を歩いているのか検討もつかないまま、黙々と歩く。1654m地点の前で露岩の側を通る所があり、展望岩かと思ったが違っていた。展望岩は1654mの地点を越えた所にあった。岩の間を登って行くと正面に「展望岩」の標識がある。もちろん、今日は何も見えないので登らずに先へ進む。

展望岩を過ぎると割りと平坦な道が続き、もう1ヶ所露岩(ここからの展望も良い)の近くを過ぎて最後に斜面を登って行くと、右上の岩稜に複雑怪奇な姿の老木が立っている。根は岩をしっかりと抱え込み、幹にはゴツゴツとした瘤がいくつもあって、上の方は細くなっている。また、枝の多くは枯れているようだが、一本突き出た太い枝には葉がついているので、まだこの木は生きているのだ。このコースで記憶に残っていた景色のひとつである。岩稜に上がると約5分で峰越峠への分岐に着く。この頃になると、時折、ガスの隙間から陽が差すことがあったので少し気持ちに余裕が出てきた。お日様の光は本当にありがたいと思う。

峰越峠への分岐には立派な標識が立っていて「峰越峠(約110分)」、「国見岳(約115分)」、「五勇山(約45分)」、「烏帽子岳(約5分)」の表示がある。私の場合、休憩も含めるとこの1.5倍は見ておかなければならないだろう。一瞬、峰越峠へ向かおうかという迷いが生じたが、思い直して烏帽子岳へ向かうことにする。

烏帽子岳山頂付近は石楠花の群落地として有名で、辺りにも石楠花の木が沢山生えている。分岐からは石楠花の間を登って狭い尾根の上に出る。ツツジの木だろうか硬い枝に挟まれた細い通路を通って行く。半袖だと引っかき傷ができそうな所だ。岩稜帯を過ぎると、最後に山頂標識の裏側から烏帽子岳山頂に登りあげる。

烏帽子岳は標高1692.2m、三等三角点の山である。山頂は木に囲まれて狭いが、南側に展望の利く岩場がある。烏帽子岳の山頂はメインの縦走路から少し外れているが、数年前から五勇谷橋から烏帽子、五勇、国見と巡る周回縦走を行う登山者が増えてきている。また、最近では南側の峰越峠からの登山道が整備されていて往復する登山者も多い。元々、この山へのメイン登山道は山頂の南西側から登るエボシ谷コースであった。私はまだ、そのコースを歩いたことが無いが、栗野集落の北側で東へ分岐している林道に登山口がある。今日はそのコースを始めて降るつもりだ。

随分と冷え込んできたと思ったらパラパラと小さな白い粒が降ってきた。なんと粉雪が降ってきたのだ。天気予報で寒気が入り込むとは言っていたが雪が降るとは思っていなかったのでチョッとパニクリそうになる。しかし、まだ、そんなに激しくは降っていないので何とか持ち直して山頂を後にする。

エボシ谷方面へは登ってきた方から見て右側の赤テープが付いているところから降る。この道は途中で五勇谷橋へ降る道とエボシ谷へ降る道に分かれている。笹の中に踏み跡が続いていて目印の赤テープも付いている。途中、石楠花の群落を通って笹の中に巨木を見るとひときわ赤テープが目立ち、右手に標識がかかっているところで踏み跡が分岐している。右が五勇谷橋へ降る道で左がエボシ谷へ降る道だ。足元を見れば頭が赤く、その下に黄色のテープを巻いた小さな杭が立っていて白ペンキで「エボシ谷分岐」と書いてある。以前に比べて笹の間の踏み跡は明瞭で分かりやすい。これだったら何とか降れそうだと思い、迷わずエボシ谷へと踏み出して行く。

このコースの笹は、背丈は高いが登山道に覆いかぶさっている所はほとんど無くて真直ぐに伸びている。笹の間の踏み跡も明瞭で良く踏まれている。しかし、大変な急坂で油断すると転げ落ちそうなくらいだ。笹につかまりながら滑らないように慎重に降って行く。笹の上には高い木が赤や黄色、オレンジの葉をつけて聳えている。下へ降るほど葉の数が増して鮮やかだ。左側には木の間から峰越峠へ続く尾根が見えている。その尾根の上には、時折、暗雲が漂い、やはり雪になりそうだ。

所々、露岩の場所があり、そこからは展望が開ける。それにしても急な降りだ。標高差270m程をほぼ一直線に降ると踏み跡が分岐する。近くの木にはテープが沢山付いていて、足元には白いヘルメットの側に割れた白い小さな道標が落ちている。道標からは「林道下部」と「林道終点」の文字が読み取れる。どうやら林道の終点へ出る道と林道の途中へ出る道に分かれているようだ。帰ってから渡部智倶人著の「マイカーで行く九州100山峰」で調べてみたら林道終点からのコースの方を紹介してあった。しかし、この時はそれを知らなかったので、少しでも林道歩きを減らそうと思って「林道下部」を目指すことにした。

分岐を右(西)へ笹の間を少し行くと杉の植林帯の左端を降るようになる。左側は今までとはチョッと違う黄色の葉の多い木々が立ち並ぶ。その中に時折、鮮やかなもみじの赤が綺麗だ。正面には東側から降って来た尾根の山肌が紅葉して綺麗だ。分岐から40分程降って、尾根の突端で右側から降って来た谷の方へ降りる。「久留米 山酔A.C.」の標識が立っているところで左下へ降る踏み跡が付いているが、そちらへは降らずにそのまま沢に突き当たる所まで直進する。

時刻は12:00を少し回ったところだ。突き当たった沢で昼飯休憩にする。久々に見る豊富な水で餅入りのチキンラーメンを作り、お茶とコーヒーを飲む。生き返った瞬間だった。やはり水がなければ食欲もわいてこない。最後に水筒を沢水で満たして出発する。

登山道は沢を渡って対岸の斜面を横切って行く。途中、人工的な感じのする平坦な林の中を通ると、笹に付けられた小さな赤テープに従って再び杉林の中をジグザグに降る。最後は4本の丸太で作ってあるが、傾いて危なそうな丸太橋をおっかなびっくりで渡ってエボシ谷の左岸へ出る。ガレた斜面を横切り、落ち葉の細い踏み跡を辿って、谷底から登って行くと笹に小さな赤テープがつけてあるところで林道へ登りあげる。林道から登山道への入口には足元にやはり「久留米 山酔A.C.]の標識が石で押さえるようにしておいてある。

林道はここから大きくカーブしてさらに上部まで続いているが、車が通った形跡も無く、びっしりと落ち葉に覆われていてとても綺麗だ。これだったら分岐から林道終点へ出て歩いてきても良かったかもしれない。。。

まるで初雪を踏みしめるような気分で落ち葉の上を歩いて行く。両側には笹の上から降ってくるような紅葉で、「見上げれば紅葉、うつむいても紅葉」である。しかし、杉林の中に入った途端、地面が剥き出しになり足元の紅葉は消えてしまった。でも、ここの杉林は良く手入れされている。しばらく降って行くとシイタケの栽培や畑など人里の気配がしてきて、やがて一軒の民家が現れる。正面には3日前に歩いたウードヤ山から五家宮岳辺りの稜線が見える。民家を過ぎてさらに降って行くと左上の林で夫婦らしい男女が木を切っていた。おそらく、先ほどの民家の住人だろうと思い、挨拶だけして通り過ぎる。

烏帽子岳登山口を出てから約40分で五勇谷橋へ向かう道路にでた。分岐には「国見岳登山口(5km)」と書いた標識が立っている。今まで、エボシ谷登山口への入口がここであろうと見当はつけていたが、今回やっとハッキリした。

さて、駐車ポイントまでは、ここからまだ4km近い距離が残っている。平坦な道なので一時間半も見ておけばよいだろう。この道路は五勇谷橋の国見岳登山口へ行くのに車で通るくらいで、歩くのは初めてだ。車で走るのとはまた違った目線で見れるので少し楽しみでもある。

対岸には五家宮岳から張り出した尾根が紅葉に染まっている。また、右前方にはウードヤ山も見えている。栗野の集落に入ると民家がポツポツと現れる。どの家も長い年月、この地で暮らしてきた人たちの家だ。「よく、こんな山奥で・・・」と思うが、自分が生まれ育った所も大して違わないことに気付く。集落を過ぎると道路の下に滝が落ちているところがある。道路の上の方にも急峻な谷があり、水が流れ落ちてきている。今まで気付かなかったが、滝のある谷を道路が横切っているのだ。上から見ても結構落差があり迫力があるが、下から見たらもっとすごいだろうと思う。

滝の上を過ぎてから約20分で迂回路の入口に着く。今歩いてきた道路の先には「法面崩壊の恐れ 全面通行止め」の看板が立っている。まったく通れないわけではなさそうだが、安全の為に通行止めにしているようだ。迂回路はここから右下へ降っている。細い舗装路だがなんとか車も通れる。途中には民家が2、3件あるので元々あった道路なのだろう。2、3度大きくカーブするとダムの横を通って「東宮橋」というなんとも高貴な名前の付いた橋を渡る。川の名前は「樅木川」になっている。もう一度川を渡り返すと愛車RAV4の姿が見えてきた。

帰る前に峰越峠にデポしていたポリタンを回収しに行ったが、峠は風が強く、粉雪が地吹雪のように舞っていたし、道路脇に吹き溜まった落ち葉の上には雪が積もろうとしていた。やはり、計画を強行せずに下山して正解だったのだろう。

帰りにまた、佐俣の湯に入って帰ったが、ズボンを脱ぐと脚は引っかき傷と打ち身のあざが何箇所も出来ていた。。。

(写真:表:笹の急坂をエボシ谷へ降る 裏:落ち葉に埋もれたエボシ谷林道)


あとがき

 今回の縦走は当初の計画とは大幅にくるってしまった。そもそも、ウードヤ山から後平家山までを1日で歩くというのが無理だったようだ。整備された登山道が有って、荷が軽いときなら別だが、今回のようなテント泊で約25kgのザックを背負って藪漕ぎの連続では、今の私ではとても無理な話だった。しかし、ここを2日かけてでも歩きとおせたことは今後の自信になる。もうひとつの失敗は、縦走開始が2日遅かったなぁと思う。あと2日早めていれば、好天に恵まれてなんとか計画のコースを歩きとおすことが出来たかもしれない。もちろん予備の薬を忘れるなどの不注意が無ければの話だが。それでもエボシ谷コースを始めて歩いたのでかなり満足している。

今回歩いたコースの前半部分は、まだまだ笹の勢いが強い難コースであるが、それだけに脊梁山地らしい自然があちこちに残っている。ここに整備された登山道が出来れば国見岳や京丈山などと組み合わせた縦走コースのバリエーションも増えるのだが、そうなるとこの残された自然が失われそうで少し心配でもある。後半部分は雁俣山や、目丸山、京丈山などからの縦走コースでもあり、登山道も良く整備されてきたと思う。今後の課題は、やはり水場の確保であろう。水場を確保して、祖母、傾に負けないような九州屈指の縦走コースをこの山域に作って欲しいものだ。

最後に、今回の計画を立てるに当たってMishanさんとやませみ&かわせみさんのHPを参考にさせていただきました。ありがとうございました!

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