ほっつき歩記山記録 (九州脊梁山地)No.13 | 平家山・国見岳 |
平家山から国見岳往復 |
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(注)この鳥瞰図は「国土地理院のウォッちずで提供されている2万5千分の1地形図」を使用してカシミール3Dで作成したものです。 | |||||||||
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九州脊梁山地の盟主国見岳から北西へ延びる稜線上に「平家山」というピークがある。標高1496.5mの小ピークで国土地理院の地図にも載っていないこの山の名前が五家荘の平家落人伝説と絡んで妙に気になっていた。実は、過去に二度トライしたことがある。一度目は夜に登山口を探しに林道へ入って行ったが登山口を見つけられず、京丈山登山に切り替えた。もう一度は樅木林道の終点近くから尾根をたどり平家山の東の縦走路へ出て、国見岳まで縦走し、樅木登山口へと降りたことがある。このときは、平家山に立ち寄る予定を立てていたのだが樅木林道から縦走路までの尾根で終始ヤブコギを強いられたため、時間が遅くなり平家山は断念した。 今回は充分に下調べをして平家山から国見岳往復を計画した。 |
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● | 前日 | ||||||||
登山口までの林道で工事を行っていることをV誘笑むさんのHPで知り、前日に様子を見に行った。ワナバ谷の京丈山登山口を過ぎて少し行った橋のところに立ち入り禁止の表示がしてあった。橋の手前に車を停めて林道を歩いていくと、30分程歩いた辺りに工事現場があり通行止めになっていた。工事箇所を歩けるのかどうか気になっていたところへ工事関係の若者がやってきたので様子を尋ねたところ、「平日は工事を行っているので通れないが、休日は工事を行っていないので歩いてなら通れる」ということであった。また、「車は手前の橋のところから入ってはいけないのか」と尋ねたところ、なんとも絶妙な表情で「通っていいとはいえない」ような回答をしてくれた。その日はとりあえずR445まで戻り道路脇で車中泊した。 |
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● | 平家山まで 写真 | ||||||||
翌日(日曜日)の午前5時過ぎに再び二合から腰越へ向かう。工事現場の少し手前に車を停めて歩きだす。工事現場を越えて、谷を2回渡り返し、30分程で平家山登山口に着いた。道路脇には「平家山・登山口」と書いた小さな標柱が立っている。 沢の対岸に下流へ向けて登山道が付いているが、沢を渡るところがかなり荒れている。注意しながら大きな岩を伝って対岸へ渡る。沢の右岸に付いている登山道を下流に向かって歩いていくと右側から枝沢が合流する。登山道はこの枝沢の左岸を谷沿いに北へ登っていく。登山口から約10分で堰堤が現れる。堰堤から先の道が分かりづらいが、登山道は堰堤の右上を越えて上の河原を対岸へ渡り、沢の右岸沿いに林の中へ入って行く。 しばらく沢沿いに少し進んだ後、杉林の斜面をジグザグに登って行く。どんどん高度を上げて行き、あっという間に沢が遠ざかっていく。途中に杉の倒木で崩れた箇所があり、足元がゆるくなっていた。 堰堤の上から10分程で尾根上に出る。杉の植林帯であるが狭い尾根なので明るい道が続いている。尾根道を12、3分登って行くと左へ斜面をトラバースしていく道が分岐し、すぐに今度は右へ道が分岐する。登山道は尾根の中央を通っている。 やがて登山道は尾根の中央から右の斜面へ入り、スズタケの間を登っていく。最後にジグザグの急登が終わると傾斜が緩やかになり広い杉林の中へ入っていく。また、すぐに登りとなり、尾根の北側へ回りこんで杉と自然林が混じった道を行く。左手には京丈山への稜線らしき景色が見える。紅葉もちらほら見られるようになってきた。スズタケの間の道を登って行くと倒木の跡のガレ場が数箇所現れる。倒木の上に登ると、西から南の方角の展望が開ける。この日は晴天ですばらしい展望が得られた。 何ヶ所か展望を楽しんで再びスズタケの間に入っていくとやがて小ピークに着く。ここが平家山の山頂かと思ったが、それにしては何の標識も無い。少し降ってすぐに登り返すと京丈山への縦走路が左へ分岐している。入口を見る限りではスズタケも刈られていて手入れされているようだ。すぐに、巨木とスズタケに囲まれた小さな広場に出た。ここが平家山の山頂である。木の板に「平家山」という文字を木の枝で浮き上がらせたユニークな山頂標識がひっそりと立っている。細い丸太で小さなベンチも作られている。展望は無いがひっそりとした静かな山頂だ。 |
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● | 平家山から国見岳へ 写真 | ||||||||
国見岳への縦走路を探したが、パッと見、それらしい道が無い。周りを良く探してみると山頂の西側が倒木で塞がれており、その手前に黄色い小さな標識があった。倒木の向こうへ道がついているようだ。 倒木を越えて縦走路へと踏み出したが、これから先、国見岳までは倒木や折れた枝との格闘であった。倒木の幹の部分が登山道を横切っているのは何とか乗り越えたり、潜ったりで対処できるが、枝の部分が登山道に広がっていたり、巨木が登山道に沿って倒れていたりすると進む方向が分からなくなる。安易に迂回すると登山道を外しそうなので木の枝と格闘しながら進行方向へと進んでいく。 それにしても、ブナの巨木や樅の木らしい大木が根こそぎ倒れていて、自然の驚異を実感する。 平家山から降った辺りから北側の斜面をトラーバースして行くが、この辺りは広々とした樹林帯で脊梁山地の雰囲気が溢れている。平家山へ登る場合は、なんとしてもここまで足を延ばすべきだと思う。時間があればゆっくりと過ごしたい場所であるが、今日は余裕がないので先を急ぐ。 トラバースが終わり稜線に戻るとスズタケの間の道を進む。しかし、辺りには巨木があるため景色としては悪くない。紅葉は色づき初めといったところであるが、所々綺麗に色づいている箇所もある。しかし、次々に現れる倒木には悩ませられる。 今年の夏、この道を初めて歩いたときは、雷雨になり怖い思いをしながら必死で歩いた為、辺りの景色を楽しむどころではなかった。今日は倒木との格闘でやはり大変ではあったが辺りを見渡す余裕がある。 P1576を過ぎた辺りで行く手に国見岳のピークが見えてきた。また、左手には天主山も見えている。 P1578の近くに「国見岳登山道出会いまで30分」の標識がかかっている。広河原登山道との合流点のことであろう。時刻は11時を少し回ったところだ。12時までには国見岳に着きたいと思っていたがこのペースでは無理なようだ。せめて午後1時前には着けるように気合を入れなおす。 P1555辺りは北東側の斜面をトラバースして行くが、何ヶ所か広い樹林帯がある。 広河原登山道が合流するといよいよ最後の登りにかかる。ここからの登りはかなり堪える。山頂まで1km、山頂まで500mの標識を横目で見ながら登って行く。シャクナゲの群落地を通り、岩稜の紅葉を見ながら行くと山頂まで300mの表示が2本立っている。この辺りからは緩やかな広い林になっている。林の中で鹿の親子が遊んでいた。いつもは、すぐ逃げてしまうのに、今日は珍しく立ち止まってこちらの様子を伺っている。 やがて高岳へと続く稜線に出る。ここは杉ノ木谷コースへの分岐でもある。すぐに山頂の祠が見え、ひと登りで国見岳山頂に到着する。時刻は12時半になっていた。予定よりは少し遅れたが、何とか明るいうちに下山できそうだ。 今日は休日で天気もいいのに山頂には誰もいない。登山口への林道が荒れているのでみんな敬遠しているのであろうか。それにしても山頂の祠はいつもと変わらずそこにある。 側のポールがポッキリと折れ曲がっているのに祠は何の損傷も無いのだ。もともと頑丈に作られているのか、誰かが避難させているのか、それとも嵐も避けて通るのか。。。。 とにかくこの祠が国見岳山頂のシンボルとなっていることは間違いない。 反対側の岩にはいつも注連縄がしてあったが、これは飛んでしまったのか無くなっていた。 |
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●下山 | |||||||||
時間に余裕がないので写真を撮りながらパンをかじって昼食を済まし、30分程で下山にかかる。帰りは写真はあきらめてカメラをザックに仕舞い、三脚もザックの横に取り付けて手をあけることにした。 午後1時下山開始。来た道を引き返す。降りになるのと、倒木の対処に要領を得たのとで、登りより2時間短い時間で歩くことができた。 車を停めてある工事現場に着いたのは午後4時46分。日が暮れる前に下山できてホッとした。 中央町の「佐俣の湯」で汗を流して帰途に着いた。 |
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● | その他 | ||||||||
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