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三郡山縦走 (2005年5月21日) → 写真集


 三郡山地は福岡県糟屋郡宇美町と嘉穂郡筑豊町の境を南北に延びる山地で、北の若杉山から南の宝満山まで尾根伝いに縦走路が整備されている。過去に一度だけこのコースを縦走したことがあるが、その時は若杉山山頂近くの奥の院駐車場までタクシーを使った。今回は篠栗駅から歩きだすことにした。また、大宰府へ降ると帰りの交通の便が悪いため、宝満山から宇美新道を通って宇美町に降りることにした。全長約25km、コースはよく整備されていて問題になるような箇所はない、問題は体力だけだ。


登山コース

JR篠栗駅 → 若杉山登山口 → 若杉山 → ショウケ峠 → 鬼岩谷 → 砥石山 → 前砥石山 → 三郡山 → 頭巾山 → 仏頂山 → 宝満山 →(宇美新道)→ 昭和の森 → JR宇美駅

MAP

JR篠栗駅から若杉山まで
 JR篠栗駅 → 若杉山登山口 → 若杉楽園 → 若杉山

6:40 篠栗駅発。
 先日、若杉山から篠栗駅まで歩いたときは道が分からずに遠回りしたので、今日は最短距離を歩くように気をつけた。早朝、住宅地の間の車道を歩いているとあちこちで犬が吠え始めた。行く手には米ノ山の丸い山頂が聳え、その右奥に電波塔が立ち並んだ若杉山の山頂部が覗いている。

7:09 若杉山登山口。
 若杉山の登山口がどこなのかはっきりしないが、民家と川に挟まれた細い道に入り、川を渡って山道に入るところを登山口と仮定した。登山道には要所要所に「篠栗山の会」が設置した道標が立っている。「若杉の湯」の近くで車道に出て、車道が右へカーブする辺りで左へ登る細い車道に入る。味処「若杉」の看板にしたがって進めばよい。味処「若杉」のところで左折して遊歩道を歩いて行くと、しばらくして車道に出る。またすぐに遊歩道に入り林の中を登って行くと、やがて若杉楽園に着く。

7:48 若杉楽園。
 「若杉楽園」は地図上で「古堂」と書かれているところにあり、キャンプ場になっている。車道を挟んで御堂が建っている。遊歩道は御堂の中を通り、杉林の中へと入って行く。ここから太祖神社までは杉の巨木を辿りながら歩いて行く。この辺り一帯は大和の森として遊歩道が整備されており、「綾杉」をはじめ、森の巨人たち100選に選ばれた「若杉ドウダの二又杉」、この森一番の「大和杉」などを巡ることが出来る。一旦林道へ出て、また、山道へ入って行くとやがて太祖神社の石段の下に着く。この最後の石段が結構きつい。階段を上り終えると太祖神社の社が建っている。神社に一礼して若杉山山頂へ向かう。

8:41 若杉山山頂。
 若杉山山頂は電波塔の横にあり、2本の山頂標識の周りに石が積み上げてある。標高は681mで三角点はない。三角点はここより南西の655.7mのところにある。標識の前でご老人が杖をいじっていた。どうやら石突きの部分が壊れたようだ。これから宝満山まで縦走するそうで、年を聞いたらなんと83歳とのことだった。気になったので途中で団体に出会うまで様子を見ながら歩いたが、宝満山から引き返し、うさぎ道へ入るところで再び出会った。なんとも元気なご老人であった。

(写真:縦走開始地点のJR篠栗駅)


若杉山から三郡山まで
 若杉山 → ショウケ峠 → 展望露岩 → 鬼岩谷 → 砥石山 → 前砥石山 → 三郡山

 若杉山は東へ延びる長い尾根を持っている。登山道はその尾根上に付けられており、途中から南へ降ってショウケ峠を横切って行く。途中には若杉の鼻と名付けられた露岩があり、三郡山方面の展望が抜群である。

9:25 ショウケ峠。
 ショウケ峠は糟屋郡須恵町と嘉穂郡筑穂町の間にある峠で県道60号線が通っている。登山道は車道の上にかかった橋を渡って行く。橋を渡ったところで5、6名のグループに出会った。ショウケ峠からは鬼岩谷まで急登が続く。峠から約20分のところに展望の利く露岩がある。

9:48 展望露岩。9:57発。
 展望の利く露岩のところで小休止にしてバナナを一本食べる。ここからは、右手に若杉山と登山道の在る尾根が良く見える。露岩から10分少々で急登を登りきると鬼岩谷山頂に着く。

10:10 鬼岩谷。
 鬼岩谷は標高774mで、今は木に囲まれて展望はないが一等三角点の山である。山頂からは仲ノ原へ降る道が付いている。鬼岩谷からは一旦緩やかな降りになるが、すぐに急登を何度か繰り返す。1ヵ所だけ倒木で荒れたヒノキ林があるが、全体的に緑溢れる縦走路が続く。

10:30 砥石山。
 砥石山は林の中の平坦な山頂で展望はない。山頂からは今屋敷へ登山道が降っている。また、北西の山腹には鬼岩と呼ばれる大きな岩がある。縦走路は山頂から少し進んだところで急な降りとなり、前砥石山との鞍部に降りつく。鞍部からは右前方に宝満山が見える。鞍部から登り返すと明るい前砥石山山頂に着く。

10:43 前砥石山。
 前砥石山は宇美方面から見ると砥石山に隠れて見えないが、展望の利く明るい山頂を持つ。北西の砥石山から南西の宝満山まで西側の展望が得られる。木立の間から三郡山山頂のドームも見えている。
前砥石山からは一旦降った後、快適な縦走路が続く。途中で内住峡や昭和の森へ降る登山道を何本か見送りながら、緑の中を歩いて行く。露岩が多くなり、左の谷に大きなブナの木が現れると三郡山まであと一息だ。三郡山山頂の少し手前に宇美反射板があり、この反射板のすぐ下から欅谷の崩壊が始まっている。麓から見ても崩壊地が見えるほど大きく崩れてしまっている。すぐに、電波等やレーダードームが立ち並ぶ三郡山山頂に着く。

(写真:展望露岩から若杉山を望む)


三郡山から宝満山まで
 三郡山 → 頭巾山(昼食) → 仏頂山 → 宝満山

11:44 三郡山山頂。12:04発。
 さすがにここは人が多く、特に中高年の登山者が多い。山頂は混雑しているので昼飯は頭巾山で食べることにして、写真だけ撮って早々に出発する。山頂から南へ降り、フェンスの横のコンクリートの壁の上を通って一旦車道へ出ると、少し降ってからすぐに右の登山道へと入る。ここからは九州自然歩道を歩くことになる。二段階の降りで天の泉に着く。「天の泉」は三郡山と頭巾山の鞍部にある水場で、たまに涸れているが、今日は水量が少ないものの冷たい水を得ることが出来た。水筒を満たして、広い縦走路を頭巾山に向かって登って行く。「天の泉」から頭巾山入口辺りまでは広い道が続き、木漏れ日が美しい影を落としている。

12:11 頭巾山山頂。(昼食)12:46発。
 頭巾山山頂は縦走路から100mほど西に入ったところにある。山頂は木立の中の静かな場所で、展望は無いが近くに休憩に適したスペースもある。山頂からは昭和の森へ降る登山道(頭巾山コース)が降っている。欅谷や河原谷が災害復旧工事で利用しづらくなっているので最近利用者が増えたようである。休憩している間にも若者のグループやおばさん達のグループが通り過ぎていった。ここで、休憩する人はほとんどいないので、ゆっくりくつろげる場所でもある。
食事を終えて、頭巾山から仏頂山との鞍部へと降って行く。途中で小ピークを2つ越えるが、1つ目のピーク過ぎたところから河原谷へ降る道が分岐している。この道は途中で難所ヶ滝へ降る道(難所ヶ滝コース)と尾根通しに河原谷入口付近へ降る道(P856西尾根コース)に分かれる。入口には河原谷の林道工事の為立ち入り禁止の立て看板があった。欅谷が開放されたと思ったら今度は河原谷だ。降ってから確認したら工事期間は8月15日までとなっていた。
2つ目のピークには大きな岩がある。東の展望が得られ休憩に適しているのだが、この日は残念ながら男女のペアに占領されていた。仏頂山との鞍部からは西へ河原谷が降っている。この谷には登山道(河原谷コース)がついていて、途中から宝満山への登山道も分岐している。また、冬場は難所ヶ滝の氷瀑見物の登山者で賑わう。立て看板は無いが、当然ここからの下山も不可だ。鞍部から仏頂山へ向かって登って行くと5分程の急登で長崎鼻に着く。「長崎鼻」は縦走路上の露岩で北西の展望が得られる。ここからは傾斜も緩やかになり、「八葉の峰」を過ぎ、右へうさぎ道への巻き道、左へ「普池の窟」への道を分け、土止めの階段を登ると仏頂山山頂に着く。

13:22 仏頂山。
 仏頂山山頂には石の祠があり心蓮上人像を祀ってあったが、今日見てみると、祠の扉が無くなり、中の上人像も無くなっていて、大きな石の上に小さな石を乗せたものが入っていた。心蓮上人は旅立たれたらしい??(後で知ったが、この祠は先の福岡西方沖地震で崩れたのを地元の有志が復旧したらしい。)
仏頂山から荒れた道を降ると左へ本導寺、右へうさぎ道の分岐がある。本導寺分岐には大きな丸太が散乱し、道標も壊れてしまっている。うさぎ道の入口にはやたらと道標が増えた。ざっと数えただけでも7枚の札が掛かっていた。最近うさぎ道がよく使われるようになったのかもしれない。宝満山の山頂手前で登山道からちょっと右へ入ると岩が飛出たところがある。この岩の上からは宝満山山頂が見える。

13:35 宝満山山頂。14:02発。
 鎖場を登り、階段を上がると宝満山山頂に着く。さすがに登山者が多い。宝満山は三郡山と違って若者や子供たちが多い。この日は何かの団体であろうか、小学生くらいの子供たちのグループが山頂で休憩していた。他にも友達同士やカップルで登って来ている若者も多い。もちろん中高年も沢山いる。

(写真:新緑の縦走路)


三郡山から宝満山まで
 宝満山 →(宇美新道)→ 昭和の森 → JR篠栗駅

 30分程休憩して下山にかかる。今日は宇美町へ降るので山頂から縦走路を引き返してうさぎ道へ入る。うさぎ道の入口で今朝若杉山で出会ったご老人に再会した。「今頃になってしもうた。」と笑いながら声を掛けてきた。いたって元気だ。脱帽である。

14:15 うさぎ道入口
 仏頂山から北西へ降る尾根に付けられた登山道を降って行く。この登山道はうさぎ道と呼ばれ、途中のP599辺りで南西へ降って行くが、北西へそのまま尾根通しに降る道が分岐していて宇美新道と呼ばれている。今日は「宇美新道」を昭和の森へ降る計画であるが、河原谷の林道工事がちょっと気がかりだ。自然林の中の道を降って河原谷分岐、うさぎ道分岐を過ぎ、ロープの急坂を降ると沢に降りる。

15:03 沢。15:16発。
 この沢も水害ですっかり広くなり、岩がゴロゴロしている。沢から尾根に取り付く入口には「仏頂山北西尾根道(旧)」の表示があった。そういえば登山道の途中でも「仏頂山北西尾根道」の表示を見かけた。(旧)でない道はどこを通っているのだろうか・・・
荒れた沢を右へ左へ渡り返しながら降り、鎌ヶ谷池の近くで右の林の中へ入って行く。鎌ヶ谷池も流木で荒れてしまったが、水は何とか元の澄んだ色を取り戻している。植林帯を抜け河原谷から降ってきた沢に着くと沢を渡ったところに真新しい作業道が出来ていた。例の林道工事であるが幸いなことに立ち入り禁止になっていたのは宇美新道の入口から上部の林道であった。河原谷の林道を降り、一本松池の下を通って昭和の森入口に着く。

15:46 昭和の森入口。
 一本松池の下では女性だけのグループが2組バーベキューをしながら語らっていた。昭和の森ではバーベキューをするグループを良く見かけるが、ごみの始末だけはしっかりして欲しいものだ。
何はともあれ、無事に縦走を終えることが出来た。後は障子岳バス停まで歩いてバスでJR宇美駅へ行き、電車で帰る予定だ。休憩もせずにバス停へ向かって歩き始める。よく考えるとこれが間違いだった。バスの時刻を確認してここで休憩を取ってから歩き始めるべきだった。宇美駅を通るバスは15:52でこれには間に合わない。次は16:49なのでかなり待たなければならないのだ。しかし、それに気付いたのは障子岳バス停に着いてからだった。

16:04 障子岳バス停。
 宇美駅行のバスはあと45分待たなければならない。こうなったら宇美駅まで歩こうと覚悟を決めて歩きだす。車でよく通る道なので迷うことはない。35分程で宇美駅に着いた。しかし、途中の乗換えで間違えて快速に乗ってしまい、引き返す羽目になってしまった。相変わらず街中に入ってからのドジが多い。。。

(写真:登山者で賑わう宝満山山頂)


あとがき

 今回で二度目の三郡山縦走である。一度目の縦走を終えた後、帰りの交通の便が悪いのを理由になかなか実行に移せずにいた。しかし、宝満山から宇美へ降るという選択肢があることに気付き、俄然やる気が出てきた。距離的にも大宰府へ降るのと大差ない。こんどはいつか逆コースをやってみようと思う。




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