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三郡山地小河内・内住峡コース周回(2008年12月11日) → 写真集


 私のHPを参照してくれている方からメールを頂いた。最近、三郡山地の小河内コースを歩いたようで、このコースをHPで紹介して欲しいとのことだ。このHPは昭和の森からのコースを中心に紹介してきたので飯塚側のコースはあまり載せていなかった。そろそろネタも尽きてきたのであちら側のコースも紹介してみようかと思うが、内住峡コース以外はまだ歩いたことがない。そこで、まずは手始めに小河内コースの様子を見に行ってきた。


登山コース

小河内登山口(8:40) − (10:15)内住峡・小河内分岐(10:25) − (10:28)林道(10:35) − (10:56)縦走路(11:05) − (11:25)内住峡分岐 − (11:51)林道(昼飯)(12:40) − (13:28)三郡山・砥石山分岐(13:38) − (14:20)内住峡小河内分岐(14:30) − (14:40)分岐の脇道探索(15:05:) − (15:45)小河内登山口

MAP

小河内登山口まで
県道60号線 → JR九郎原駅 → 内住本村 → 中畑 → 小河内橋 → 農道三叉路 → 小河内登山口(送電鉄塔)

福岡方面から県道60号線でショウケ峠を越え、降りきった辺りの信号(左には龍王山の霊園がある)を右折すると、主車道はJR篠栗線のガード手前で左へ曲がって大分(だいぶ)方面へ向かっている。ここを右前方へ分岐している道路に入りガードを潜ると右側にJR九郎原駅がある。そのまま道なりに進み、内住本村を過ぎて降りになると右側に溜池が見えてくる。この溜池の先を右へ回り込むと十字路になっている。左側にはふれあいバスの「中畑」バス停がある。ここを右折してしばらく行くと左へ橋(小河内橋)を渡って行く道と直進する道に分かれている。

ここを左折して小河内橋を渡ると右手に大きな堰堤が見える。細い道路を左に分けると今度は左前方に巨大な堰堤が見えてくる。堰堤の上には三郡山の山頂が見える。さらに進んで、道路が狭くなり左に果樹園が現れると右へ作業道が分岐している。左の畑の中には何やら櫓が組んであり、「あぶない」と書いた赤い札がたくさん取り付けてある。この三叉路の角をよく見ると小さな標識があって、直進の方へ「農道経由三郡山」、右の作業道の方へ「三郡砥石縦走路」の表示がある。農道の方からはラジオの音が聞こえている。この先には果樹園があるので鳥除けにでもしているのか、以前来たときもラジオの音が響いていた。どうやらスピーカーで流しているようだ。

三叉路を作業道の方へ右折すると上りきった所にカーブミラーがあり、そこを左へ曲がると大きな送電線の鉄塔が建っている。まだ工事中なのかブルーシートや資材が置いてある。細い道路が先の方へ延びているが、この道路は堰堤のところで行き止まりになっている。どうやらこの鉄塔の辺りに登山口があるようだ。工事の車が来るといけないので鉄塔横の広い場所を避けてカーブミラーの所に車を停める。(後日、行ってみたらカーブミラーの少し手前にチェーンがしてあって進入禁止になっていた。)

(写真:小河内から三郡山山頂を望む)


小河内登山口から縦走路まで
小河内登山口(送電鉄塔) → 崩壊地 → 小河内・内住峡分岐 → 林道 → 縦走路(小河内コース分岐)

登山口を探しながら鉄塔の横の道を進むと前方と左の谷に堰堤が現れ、行き止まりになっていて、何処にも登山口らしいところは見当たらない。引き返しながら良く探してみると鉄塔の近くの土手に何かが通ったような跡があったので、そこから土手を上がって林の中へ入って行く。木の幹に点々とピンクのリボンが結んであるが、登山道の目印のそれとはチョッと違うようだ。とりあえずリボンに沿って尾根を辿る。リボンは石で囲まれた補点らしい物が現れたところで切れていて、そこから先はシダで覆われ踏み跡もハッキリしない。歩けそうなところを探して先へ進むと今度は明らかに登山道の目印に付けられた赤いテープが見えてきた。帰りに気付いたのだが、ここからやや東側はヒノキの幼木が植林されていて木と木の間はススキに覆われているのだが、その中を通って鉄塔の方へ出る踏み跡がついている。どうやら、それが本来の登山道であるようだ。

赤テープから先も確かに道はあるのだが、シダに覆われてよく見えない所もある。小さな瘤を左から巻いて少し行くと崩壊地に突き当たる。どうやら登山道は崩壊地で消失したらしく、崩壊地を突っ切って上部で反対側の尾根に上がると再び道が現れた。ヒノキの植林と自然林の境辺りを行く道は松葉に覆われているが明瞭で、これまでに比べると格段に歩きやすい。

標高480m辺りで尾根を回り込んで斜面をトラバースして行く道と左へ尾根を登る道に分岐しているが、ここは左へ尾根を登って行く。このルートは木の幹に赤ペンキで丸と矢印で目印がしてあるようだ。木漏れ日が影を落とした松葉に覆われた道には茸がニョッキリと顔を出している。所々、北側の谷を隔てて隣の尾根が見えるが、やはり松の木がたくさん生えている。

標高540m辺りで今度は左右へトラバースする踏み跡がついている。左側の踏み跡は割りと明瞭でしっかりしているようだ。登山道は尾根を真直ぐに登っている。尾根の北側は自然林で所々大木も見られる。時々、木の間越しに龍王山が見え隠れする。右から尾根が合流する手前で右へ赤テープが付いているので少し覗いてみると尾根を越えて谷を横切る踏み跡が隣の尾根まで続いているようだ。帰りに調べてみたら、これは内住峡コースへ向かう道へのショートカットであった。

すぐに左側の林が切れて明るくなっている場所に出る。登山道はここから右へロープの急登を行くが、左の方へ少し行って見ると山腹を林道が横切っているのが見える。地図には記載されていないが内住林道がここまで延びているようだ。登山道へ戻ってロープの急坂を登ると目の前に標識が見えてくる。ここが、内住峡コースへ向かう登山道の分岐点である。標識には左へ「三郡・砥石」、右へ「内住・九郎原」、手前へ「小河内・大分」の表示がある。

分岐を左へ少し降ると林が切れて林道へ飛び出す。この林道は内住林道が延びてきたものらしいが、荒れ果ててススキに覆われている。ススキの下の路面も水に流されてボコボコのようだ。登山道の小河内側の入口には小さなケルンと「小河内・JR九郎原へ」と書いた杭が立ててある。さて、縦走路へ向かう登山道の取り付きは何処かと辺りを見渡すと左手の木の枝に赤テープが見えている。その下には標識があり、林の中へ道がついている。標識には「三郡砥石縦走路」の表示があり、その下に小河内方面へ「10m先右折」の表示がある。標識は黒ずんでかなり読みづらくなっている。

登山道はヒノキの植林帯へと入って行くが、すぐに右へ折れ、尾根に上がると今度は左へヒノキ林の中を明瞭な道が延びている。尾根の両側は浅い谷になっていて左の谷からは水音が聞こえている。両方の谷が合わさる辺りは水気が多く、足元が悪い。左の斜面を登り、次第に右方向へ進んで行くとヒノキ林が切れて明るい縦走路へ飛び出す。手前に黄色いテープを巻いた杭(「JR九郎原駅へ2時間」の表示あり)と縦走路の向う側に標識が立っている。標識には左へ「三郡」、右へ「砥石」、手前へ「内住峡・小河内」の表示がある。近くには「鳥獣保護区」の赤い看板が立っている。

(写真:小河内・内住峡分岐から稜線を望む)


三郡山縦走路
小河内コース分岐 → 欅谷Aコース分岐 → 内ヶ畑コース分岐 → 内住峡コース分岐

縦走路は既に冬枯れの装いで、葉を落とした木々が登山道に影を落とし、美しいシルエットを描いている。小河内分岐から砥石山方面へ少し登った所には露岩がある。露岩の上からは左から三郡山、頭巾山、仏頂山、宝満山と並んで見えるが、狭いので落ちないように注意が必要だ。

露岩から降ると左へ欅谷Aコースが分岐している。欅谷Aコースは、登山口へ向かう林道が水害で荒れてまだ復旧していないが、歩く分には問題なさそうだ。欅谷Aコース分岐から緩やかなアップダウンをこなすと今度は内ヶ畑コースが左へ分岐している。内ヶ畑コースの入口は2ヶ所あるが、最初の入口には標識は無く、赤テープが見えるだけである。2ヶ所目は南西へ尾根が分岐している所で、こちらは入口に「昭和の森へ 内ヶ畑コース」と書いた小さなプレートがかかっている。また、縦走路脇にはい小さなベンチが2個置いてある。この辺りにはやたらと赤テープが増えている。内ヶ畑コースへの入口は以前はヤブのようになっていたのだが、今は広く明るくなっているので砥石山方面から来ると縦走路と間違えてしまうのかも知れない。本来、三郡山地の縦走路に赤テープや標識はほとんど必要ないはずだが。。。

内ヶ畑コース分岐から5分程行くと右へ内住峡コースが分岐している。縦走路の左側に標識が立っていて、右へ「内住峡 JR九郎原」の表示がある。このまま縦走路を20分程行くと前砥石山であるが、今日はコース状況を調査に来たのでこのまま内住峡コースへ降ることにする。

(写真:冬枯れの三郡山縦走路)


内住峡コースから小河内コースへ
縦走路(内住峡コース分岐) → 林道 → 三郡山・砥石山分岐 → 小河内・内住峡分岐 → 小河内登山口(送電鉄塔)

内住峡コースに入るとヒノキ林の急な降りが続く。10分程降った所で右の沢へ出て、今度は沢沿いに降って行くが、この沢が荒れていて実に歩きにくい。滑らないように気をつけながら歩けるところを探して降って行くと、やがて下の方に林道が見えてくる。左岸の岩壁の横をロープにつかまりながら降り、最後は右岸に付けられた道を通って林道へ降り着く。以前来た時はボロボロだった林道も今は綺麗に復旧されている。

登山道は林道の反対側の護岸の左端から降っていて、コンクリートの上に赤い矢印を描いた石が乗せてある。下を覗いてみるとススキとヤブで覆われていて、チョッと怯んでしまいそうだ。ちょうどお昼になったので、ここで昼飯にする。護岸のコンクリートに腰掛けて弁当を食べていると、縦走路方面の空が暗くなってきた。今日は天気予報では雨は降らないと言っていたのだが。。。
そのうち、ポツポツと雨が落ちてきた。大雨にはならないことを祈りながら傘を広げて弁当を食べ、急いで降りにかかる。

護岸の下へ降りてススキを掻き分け沢沿いに降って行く。沢はかなり荒れていて右へ左へと渡りながら進んで行く。左岸を緩やかに登って林の中に入ると左から別の谷が合流する。この頃から辺りは暗くなり、ゴロゴロと不気味な音が響きだした。カミナリだ。それも真上で鳴っている。幸い雨は小降りなので雨具は必要なさそうなのでザックカバーだけ付ける。

2つの沢の間を通って右側の沢の方へ降り、所々、林の中を高巻きながら降るが、それにしても悲しいくらいに荒れている。それでも所々に岩の上をすべるように流れる水に心を癒され、カミナリに脅されながらひたすら降って行く。今度は右から谷が合流して、さらに降って行くと最後は左岸から右岸へ渡った所で杉林へ入る。

杉林に入って少し行くと標識が立っていて右手前へ道が分岐している。これが小河内コースへの分岐だ。標識には今歩いてきた方へ「砥石山(内住峡)」の表示が、もう一方へ「三郡山」の表示がある。また、近くに「JR九郎原へ この先林道を下る」と書いた標識も立っている。

今日は小河内へ戻るのでここから「三郡山」方面へ向かう。杉林の道は、やがて谷沿いになり、朽ちかけた丸太の橋を渡って左へ進むと谷を渡り斜面を登って行く。尾根に出ると右へ松葉に埋もれた道を辿る。左から尾根が合流すると今度はこの尾根を登って行く。所々、東側の展望が得られ、最近出来たばかりなのか地図に載っていない送電線が見えている。道はしっかりしていて特に危険な箇所はない。左前方に三郡山が見えてくるが、山頂付近はガスに隠れている。小河内分岐のあるピークへ最後の登りにかかるところで左へ巻き道がついている。今朝、林の中についていた赤テープの道がここへ出るのであろう。

植林帯をひと登りで小河内コースの分岐に着く。時間が早ければここから三郡山へ向かい、山頂直下から小河内へ降るコースを調査したいところだが、今日のところは止めておいて左へロープの急坂を降り、先ほどのショートカットを確認してから今朝来た道を降って行く。

途中、左右へ分岐があったところで南側の分岐を少し覗いてみると道は斜面をトラバースして谷に突き当たったところで沢へ降る踏み跡がありロープが付いていた。ロープに沿って沢へ降り、少し下流へ行ってみると10m程の滝があり、水はゴツゴツとした岩に溝を作って流れ落ちている。

登山道へ引き返してひたすら降って行くと崩壊地の上に出る。今朝はこの崩壊地を横切って来たのだが、本来の道は崩壊地に沿って左へ降っていたようだ。しかし、今はヤブに阻まれて先へ行く気はしない。崩壊地へ降りて調べてみると、結局は少し下の方でこの崩壊地を横切っていたらしい。

崩壊地からはシダに隠れた道を足をとられないように注意しながら降って行く。今朝、赤いテープが現れた辺りで右の方を見ると林が切れてススキとヒノキの幼木が見える。その境の所の木の幹に赤テープが付いている。どうやらこちらへ道がついているようだ。林を出てススキの中を進んで行く。ついつい右の方へ行ってしまいそうになるが、送電鉄塔を目印に方向修正する。左の林との境界辺りを行くのが良さそうだ。それでも最後はススキの原を掻き分けて送電鉄塔の奥の方へ出た。鉄塔の下では工事中で、数人の人が働いているので邪魔にならないように縁を通って愛車RAV4の待つ作業道へと出る。

帰りに内住本村から内住峡へ向かう林道(内住林道第1支線)へ入り内住橋まで行って見た。林道はかなり荒れていて車のタイヤが心配になったが何とか内住橋手前の駐車スペースまで辿り着くことが出来た。林道は内住橋の手前で通行止めになっている。このコースはアプローチも登山道も荒れてしまい、今後廃れてしまわないか心配だ。

(写真:内住峡の渓流)


あとがき

 今年は山へ行く機会が少なく、久しぶりの山歩きなので少し緊張した。小河内コースは登山口付近で送電線の鉄塔工事が行われていて登り口が分かりづらくなっている。私が気付かなかったのかもしれないが「ここが登山口です!」といったところはなかった。また、崩壊地までは足元がシダに隠れているところもあり、多少歩きづらかった。しかし、崩壊地を過ぎると踏み跡もしっかりしていて特に危険箇所も無く快適に歩くことが出来た。

一方、内住峡コースは沢が荒れてかなり危険になっており、渓流歩きを楽しむといった雰囲気ではなくなってきている。もはや一般的なコースとしてはお勧めできない。内住から登ってきた場合は、沢を渡る手前の分岐で「三郡山」方面へ向かい、小河内コースに合流して縦走路を目指した方が良いであろう。特に降りはこちらを通った方が安全である。

これから三郡山地は冬枯れの季節だ。木漏れ日の縦走路をひとり静かに歩くのも良いだろう。

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