山歩記 ][ 写真館 ][ ホーム ]

内住峡から砥石山・若杉山縦走 (2005年5月14日) → 写真集


 三郡山地へは何度も登ったが、筑豊側からは一度も登ったことが無い。いつか「内住峡コース」を歩いて見たいと思いながら、実現しないままになっていた。そのうち、そのうちと思っている間に、水害でコースは荒れ、災害復旧工事で林道が通れなくなってしまった。もう、そろそろ工事も終わったころだと思い、出かけてみることにした。いつもは車で登山口まで行くのだが、今日は縦走してみようと考えて電車を使うことにした。


登山コース

JR九郎原駅(7:20)→(8:38)上内住峡橋(8:43)→(10:12)縦走路(10:20)→(10:58)砥石山・鬼岩(13:26)→(14:23)ショウケ峠(14:30)→(15:17)若杉山→(17:14)JR篠栗駅

MAP

JR九郎原駅から三郡山縦走路まで
 JR九郎原駅 → 内住峡橋 → 上内住峡橋 → 三郡山縦走路

 JR九郎原駅に着いたのは7:13。九郎原駅から内住を目指して車道を歩く。行く手には三郡山が少し霞んでいる。登山口へ向かう道路の分岐が分かるか不安だったが、内住公民館を過ぎるとすぐに三叉路が在り、壁に写真付きの案内が貼ってあった。三叉路を右折し、集落の間を抜けると工事の車が数台上がっていった。「まだ工事をしているのだろうか、やはり始発で来るべきだったな」と後悔しながら歩いて行くと、工事の車は右のゲートのあるほうの林道へと入って行く。登山口へはゲートのある林道を右に分けて直進する。

 登山道へ向かう林道は思ったより整備されていて、林道沿いの堰堤工事もほとんど終わっていた。内住川の崩壊もかなりすごかったようだ。真新しい堰堤のところで右へ回り込んで進んで行くと、やがて車止めのチェーンが現れる。チェーンの手前には数台駐車可能なスペースが在り、ここまでは車で来れそうだ。少し先にはコンクリートの橋が見えている。橋の右側にガードレールが取り付けてあるが、よじれてしまっている。この橋が内住峡橋だろうか? 橋を渡ると左から高巻いて右下に内住川を見ながら進む。内住峡橋から15分程歩いたところで林道が分岐している。左側の林道の入口付近に「三郡・砥石山」と書かれた板の道標が掛けてある。ここは左の林道を進む。前方に堰堤が見えてきた。右の方には橋も見える。これが、上内住峡橋だ。

 林道は上内住峡橋を渡って右上の方へ延びているが、左側へも最近作られたような道が分かれていて、近くに立っている道標はこちらの道を指している。左の道を登って行くとふたつ並んだ堰堤の上に出て、さらに進むと小沢を渡り、大きな堰堤の前に出る。堰堤の手前で、左へ細い道があり、入口の石に赤いペンキで「高巻」と書いてある。これを見送って堰堤の方へ近付くと「三郡・砥石方面」と書かれた白い標識が立っていた。どちらを行くか迷ったが、堰堤の左側から土手を登って行く。土手の上の杉林の間にトラロープで挟まれた踏み跡が続いている。どうやら、「高巻」と書かれた道と合流しているようだ。トラローブの間に入りそのまま杉林のなかへ入って行くと、すぐに分岐があり、左へ「三郡山」、右へ「砥石山(内住峡)」の表示がある。三郡山と砥石山の間に内住峡への下山口が2ヶ所あるので、おそらくそこへ登るコースがここで分岐しているのだろう。ここは、「砥石山(内住峡)」方面へ向かう。

 分岐を出発するとすぐに沢に出る。ここからは沢沿いの道が続く。しばらくは小滝が続く綺麗な沢が続くが、やがて水害の爪跡が残る荒れはてた姿に変わる。赤いペンキの目印を頼りに沢を登って行く。何ヶ所か二俣にぶつかる。最初の二俣は右へ向かう。左の沢の入口の岩には赤ペンキで×が書いてある。次は真ん中に流木がかたまったところに出るが、ここは左から流木の塊を越えていく。次の二俣は左へ向かう。かつては緑に溢れる綺麗な沢だったのだろう。途中には炭焼釜の跡も残っている。岩がゴロゴロしたところを登って行くと上に林道らしきものが見えてきた。直前で赤ペンキが左右に分かれている。右の目印を辿ると林道らしきところへ飛び出した。

 林道はズタズタに崩壊していて、正面には岩が剥き出しになった沢が続いている。右側には岩に赤ペンキで「不通」と大きく書いてある。左の方はもう少し先まで延びていそうだが、やはり崩壊が激しいようだ。岩に腰掛けてしばらく休憩する。登ってきたほうを見ると荒れた谷の上に新緑が美しい。

 林道を横切って正面の岩肌がむき出しになった沢を登って行く。12、3分沢を登ってから右の林の中へ入る。ここからは林の中の急登が続く。左下には崩壊した谷が見えている。林の中には所々にギンリョウソウが咲いている。沢を離れてから30分程で縦走路に出た。

(写真:内住峡の清流)


縦走路から若杉山まで
 三郡山縦走路 → 前砥石山 → 砥石山 → (鬼岩往復) → 砥石山 → ショウケ峠 → 若杉山

 出たところは前砥石山とP782の間で登山道脇に道標がある。砥石山の表示の方に丸で囲って40分と書いてあるが、おそらく30分程で行けると思う。休憩して、行動食に持ってきたバナナを食べていると砥石山方面から男性が一人やって来た。若杉山から縦走して来たのだろう。この後、砥石山までの間に単独の男性2人と男女のペア1組に出会った。男女のペアは朝の電車で見かけた人達だ。篠栗で降りていったが、ベテランらしくザックに年季が感じられた。格好にも隙がない。15分で前砥石山、さらに15分で砥石山に着く。

 砥石山で記念写真を撮っていると5人組の若者(中学生か高校生だろう)が通り過ぎていった。しばらくして、今度は老年の男性が一人やって来た。篠栗から登ってきたらしい。少し言葉を交わして三郡山方面へ歩いて行った。

 今日の目的は内住峡コースを歩くことであったが、三郡山方面へ行かずに砥石山へやってきたのは、かねてから気になっていた「鬼岩」が頭に浮んだからだ。「鬼岩」は砥石山から北西へ延びる尾根にある白い大きな露岩で、国土地理院の地図にも名前が載っている。以前、宇美林道を歩いたときに登り口が無いか調べてみたがそれらしい入口は見つからなかった。また、砥石山の山頂近くに今屋敷へ降る道とは別に北側にテープがあったのを記憶している。おそらく鬼岩への道があるのだろうと思い、いつか行ってみたいと思っていた。今日は、後は下山するだけなので鬼岩まで行ってみることにした。

 砥石山山頂から縦走路を少し北へ向かいすぐに左の林へ入る。記憶にあるテープの目印から尾根を降っていく。落ち葉が敷き詰められた腐葉土の上をテープを頼りに降って行く。7、8分降った辺りで、林の中に赤い目印があちこちに見える。赤いリボンがあちこちに結んであり、木の幹に赤いテープがいくつも貼ってある。テープに記号が書いてあるので何か調査用の目印なのだろう。目印は左右の尾根を降っており、どちらへ進むべきか迷っていると、赤いリボンとは別に白いビニールの目印が右の方へついているのに気付いた。白いビニールの目印を辿って右の尾根を降って行くことにする。途中に一本だけ石楠花が綺麗に咲いている株があった。25分ほど降ったところに大きな岩の塊があった。鬼岩かと思ったが辺りは林の中で、どう考えても下の林道からは見えなさそうだ。白いビニールテープはさらに下のほうへ降っている。どうやら林道への下山路らしい。鬼岩はどこだと考えていると、林の間から北側の尾根に露岩が見えている。あれが鬼岩だろうと思い、引き返して北の尾根を降る。

 尾根の西側を降って行くと潅木の中の露岩に着く。慎重に岩の上に登ってみると岩は三つに分かれていて、足場が狭く、下は切れ落ちている。下の方に宇美林道が見える。右手には若杉山が、左手には四王子山が見える。正面には市街地が広がっているが霞んでいて遠くは見えない。岩の上で展望を楽しんだ(?)あと、岩の北側に廻り、鬼岩の全貌を見ようとしたが、木に阻まれてよく見えなかった。どうやら大絶壁になっているようだ。帰ってから、以前林道から撮った写真で確認してみると林道から見えていた大きな岩は、今日登った岩よりもう少し下にあるようだ。今度は冬の見通しがいいときにでも行ってみよう。鬼岩の近くで昼食休憩をとり、砥石山まで戻る。今日は車ではなく電車を使ったので縦走が可能だ。交通の便を考えて、若杉山まで縦走して篠栗から電車に乗ることにした。

 砥石山から鬼岩谷まで約20分、鬼岩谷からショウケ峠まで約30分、ショウケ峠から若杉山まで約30分かかった。若杉山山頂の手前に展望の良い露岩がある。最近付けられたのか「若杉ヶ鼻」と書いた標識が立ててあった。ここから見る三郡山地は素晴らしい。また、眼下に広がる若杉山の山裾も素敵だ。しかし、今日はカメラのメモリが満杯近くであまり撮影できない。残念だ。休憩していると外人さんが一人カメラを担いで降ってきた。短パンにTシャツという軽装だ。若杉山から散策に来たのだろう。

(写真:新緑の三郡山縦走路)


若杉山からJR篠栗駅まで
 若杉山 → 若杉楽園 → 若杉山登山口 → JR篠栗駅

 若杉山へはしばらく来ていなかったが、相変わらず奥の院への参拝客が多いようだ。駐車場へは向かわずに遊歩道を若杉楽園に向かって降る。遊歩道は綺麗に整備してあって、途中には綾杉をはじめ、ジャレ杉、若スギトウダの二又杉など杉の巨木が見られる。ちょっとコースを変えれば、大和杉、七又杉なども見れる。この辺り一帯は「大和の森遊歩道」として杉の巨木を巡るコースが整備されている。

 山頂から約30分で若杉楽園に着く。ここはキャンプ地になっていて、この日もテントが数張り張ってあった。中には定住しているようなテントもある。若杉楽園から遊歩道を降り、途中何度か車道に出ながらバス停に着いたのが16:32。山頂から1時間20分程かかった。バス停を覗いてみると時刻表も、バス停の表示もない。どうやら巡回バスに切り替わったようだ。ここまで降ってくる途中に「若杉の湯」がある。最近出来たのだろうか、入場料800円は登山帰りの入浴にはちょっと高い気がする。

 篠栗駅まで歩くことにしたが、街中に出るとにわかに方向音痴になる。当てをつけながら車道を歩いたが結構長く感じた。どうやら遠回りをしたようだ。篠栗駅に着いたときには疲れ果ててしまっていた。

(写真:若杉山山頂)


あとがき

 今日は久しぶりに電車を使って縦走してみた。内住峡コースは水害の影響でかなり荒れてしまっていたが、所々、岩が多いところは綺麗な水が流れていた。縦走路へ出てから若杉山までは何回か歩いたことがあるので、目新しいことも無かったが、鬼岩を訪れたのでちょっとだけ変化をつけられた。



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送