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三郡山茜屋コース周回(2010年4月17日) → 写真集


 三郡山へ登るコースでこのHPで紹介できていないコースがまだ幾つかある。そのうちのひとつがサンビレッジ茜から登るコース(茜屋コース)だ。このコースは古くから登られているコースで、私が始めて三郡山へ登った時もこのコースを往復したのだった。コースの途中にある白糸の滝と山頂近くの道端にツクシが沢山生えていたのを覚えている。また、丁度、若杉山から宝満山まで走り抜けるクロスカントリーの大会が行われていた時で、山頂直下の道路にチェックポイントが設置されていて人が沢山居たのに驚いた記憶がある。そのせいか、このコースを登ったときの記憶は登山といった感じで残っておらず、それ以降このコースを登ることはなかった。今日は、過去の記憶を辿りながらこのコースを歩いてみようと思う。また、山頂の電波塔の近くから尾根を降ってサンビレッジ茜へ降るコースがあるようなので、降りはそのコースを歩いてみよう。

※便宜上、ここでは登りのコースを「白糸の滝コース」、降りのコースを「電柱コース」と呼ぶことにする。


登山コース

サンビレッジ茜(10:25) − (10:35)白糸の滝(二の滝、三の滝) − (10:45)白糸の滝(一の滝) − (11:05)車道出合1(11:10) − (旧道) − (12:30)三郡山山頂(13:22) − (13:30)電柱コース入口 − (14:35)電柱コース登山口 − (15:12)サンビレッジ茜

MAP

サンビレッジ茜から白糸の滝コースで三郡山へ
サンビレッジ茜 → 白糸の滝(二の滝、三の滝) → 白糸の滝(一の滝) → 専用道出合1(十字路) → 専用道出合2 → 専用道出合3 → 展望の露岩 → 専用道出合4 → 三郡山山頂

 県道65号線の米の山峠を越えて飯塚方面へ向かう。辺りの山肌は新緑でモコモコとしているところや、まるで紅葉を見るように若葉が色付いているところがある。途中で案内の看板に従って左折しサンビレッジ茜へ向かう道路へ入る。正面には三郡山の山並みが見えているが、こちらから見ると山頂がどこなのか分かりにくい。曲がりくねった舗装路の終点にサンビレッジ茜のレジャー施設がある。少し手前に登山者用駐車場の表示があったが入口はチェーンで封鎖されていたので上の駐車場に車を停めて出発の準備をする。スキー場入口の受付ではスキー板を持った男性が入場手続きをしている。サンビレッジ茜には人工芝スキーのゲレンデがあり、すでに滑り始めている人たちもいるようだ。その他にもロッジやバンガロー、キャンプ場などの設備がある。

登山口の表示がないか探したがそれらしい表示が見つからないので、以前の記憶を頼りに人工芝スキー場の受付がある建物の横から遊歩道らしき道へ入って行く。左側はフェンスで人工芝スキー場の施設と隔てられている。右上に東屋が現れると右へ遊歩道らしき跡が分岐している。登山道はそのままフェンス沿いに進んで行くが次第に岩が露出した道へと変わる。フェンスの内側には人工芝スキー場の緑のゲレンデが降っていて10人近い人影が見える。スピーカーからはひっきりなしになにやら注意する声が聞こえている。登山道は谷に突き当たると谷沿いに登って行く。古いベンチの跡が現れると目の前に滝が現れる。ちょっと倒木で荒れているが、これは3つある滝のひとつ(三の滝)でそのすぐ上にもうひとつの滝(二の滝)がある。ふたつともそれほど大きくはない。登山道は三の滝の左側の鎖が取り付けられた岩場を登り、二の滝の下を横切って右側から登って行く。鎖やロープが設置してあるが岩場は滑りやすいので注意が必要だ。

二の滝の上の谷に沿って進むと左前方の木の枝の隙間に、立ちはだかるような岩を流れ落ちる滝が見えてくる。これが白糸の滝の本滝である一の滝だ。水量は少なく、立て板に幾筋かの白糸を垂らしたように水が流れ落ちている。滝壺がないので近づいて真下から見上げると結構迫力がある。この滝のところは二俣になっていて滝のある谷の右側にもうひとつ谷が降ってきている。登山道は右の谷の右岸から滝の上へ上がって行く。谷から登るところは露岩の斜面でロープが張ってある。一の滝の上の谷を遡り、古い道標の板を見ると炭焼き窯の跡がある辺りで谷をふたつ横切って斜面を登って行く。左側に露岩が見える尾根を越えて少し降り気味に進むと林の中の空間に出る。正面にはカーブミラーの後姿が見えている。油須原から三郡山山頂まで登っている航空路監視レーダーの専用道路に合流したのだ。道路へ出て様子を見ると三郡山側に九州自然歩道の距離を示す標柱が立っていて「米の山峠まで2800m」の表示がある。三郡山山頂までの距離は書いていない。あとどれくらいあるのだろうか。。。

実は、今日は体調があまりよくないようでさっきから立眩みがする。それに、写真を撮る為にファインダーを覗いて片目を瞑った後で、目を開けるとしばらく辺りが白くなってクラクラするのだ。腎炎の治療の為に薬を飲み始めてから時々起こるようになったので薬のせいだろうと思って気にしなかったが今日は特にひどいようだ。。。

さっき林の中で標識を見かけたような気がしたので林の中へ戻って確認すると、そこは十字路になっていて登って来た方から見て右へ「旧道入口三郡登山道」の表示がある。地図を見ると確かに三郡山山頂へ向かう尾根の途中まで登山道を示す破線が載っている。専用道路に比べてかなり距離は短いようだ。一方、左側の踏み跡の入口にも標識が取り付けてあって「白糸の滝」方面と「油須原」方面へそれぞれ矢印がついている。また、この標識の右隅には踏み跡の方向へ「竹の尾山」の表示が小さく書いてある。多分、左側の踏み跡は竹の尾山方面へ降る道なのであろう。今日は旧道を歩くことに決めて三郡山山頂へ向けて出発する。

旧道は最初ちょっとだけ西の方へ登ってから北東へほぼ一直線に登って行く。自然林の中をどこまでも登って行く道は意外と明るくて気持ちがいい。北東と南へ尾根が派生している辺りは登り上げたところで左へ折れ、さらに登りあげたところを右前方へ越えて行く。所々にヤブ椿の赤がまだ散らずに咲いている。露岩が増えてくるとやがて林が切れて車道へ飛び出す。出た所は車道が急カーブになっている所で、ちょうどガードレールが切れて隙間が開いている。ガードレールに「旧道入口・・・」と書いた小さな道標が取り付けてある。正面には真っ白な法面が見えている。十字路からここまで約25分かかった。

地図ではまだ破線が続いているので、入口を探してみると右側の法面の手前から上がって行く道がついていてワイヤーが張ってある。これを登ると法面の上から林の中へ踏み跡が続いている。後を振り返ると展望が広がり、近くに大根地山が見えている。林の中へ進み、再び自然林の中を登って行く。木は細く背丈も低くなってきた。少し登ったところで右側の林が切れていて筑豊平野を一望できる。眼下にサンビレッジ茜の駐車場も見えていて愛車RAVちゃんも確認することが出来た。登山道へ戻ると今度は右の足元に標石が2つ設置してあるのが見える。手前の標石には「公共」の文字が、奥の頭が丸くなっている標石には「航」のような文字が見て取れる。今まで見たことがない種類の標石だ。航空路監視レーダーと何か関係があるのだろうか。。。
さらに少し行った所には道の両側に丸みを帯びた岩があり、左側の岩は真中から割れてパックリと開いている。所々に咲き乱れるヤブ椿を見ながら登って行くとさっきの車道から15分ほどで、また車道に出る。今度はガードレールが切れていないので乗り越えて車道へ出る。ここも先ほどと同じように急カーブになっているところでガードレールに同じ標識が取り付けてあり、正面には灰色の法面が見えている。三郡山側の車道の横には「250」と書いた札が立っている。

地図の破線はここまでになっているが、右側の法面の手前を見ると踏み跡のようなものが見えていて、木の枝に標識がかかっているようだ。標識には「三郡山頂へ 旧道」の表示があり、矢印が法面の上の方を指している。法面の上からは先ほどとほとんど同じ景色が見える。林はますます細く、背丈も低くなって明るい落葉樹林帯へと変わった。林へ入ってすぐに、また、頭が丸い標石があり、今度は「運」の文字が読み取れる。所々に、シロモジであろう、黄色い花が咲いている。天気も良く、久しぶりに暖かい日で気持ちよく歩くことが出来る。登りあげた小ピークには露岩があって、右側の露岩に上がると正面に三郡山山頂とレーダードーム、アンテナ設備などが見える。左側には潅木の上に頭巾山から仏頂山への稜線が見え、右側には潅木の広がりの向こうに竜王山が見えている。正午を過ぎていたのでここで食事休憩にしようかと思ったが、とりあえず三郡山山頂まで行くことにして露岩の小ピークから降って行くと、今度は車道へ降り着く。車道は緩やかに曲がっているところで正面には先ほど露岩の上から見た景色が少し下から仰ぐ形で見えている。車道の左側は空き地になっていて、以前ここで昼飯を食べたことがある。旧道はここで終わりになる。この最後の区間は車道を歩いても時間的に大差無いと思われるが、露岩からの景色もあるのでやはり旧道を歩いたほうが良いだろうと思う。もしかすると冬場には露岩の上から樹氷の海を見ることが出来るかもしれない。

さて、ここからは車道を辿って三郡山山頂へ向かう。右側にアンテナ設備を見ると、その先で今日降るコースの入口を確認して約10分で三郡山山頂に到着する。今日は天気も良く暖かいので登山者が多いようだ。途中で数人すれ違ったし、山頂にも10数名の登山者が昼飯を食べながら休憩している。山頂から砥石山側へ降ってレーダードームの壁の横で昼飯を食べながら休憩することにする。登山道からそれたところで陽気に誘われて出てきたのかシマヘビが横たわっていた。今年の初ニョロだ。山頂の樹林帯は新緑にはまだ早く、灰色の景色が広がっている。

(写真:白糸の滝と旧道の露岩から見た三郡山山頂)


電柱コースでサンビレッジ茜へ下山
三郡山山頂 → 電柱コース入口 → 電柱1 → 電柱2 → 電柱3 → 沢 → 電柱コース登山口 → (遊歩道) → サンビレッジ茜

 昼食を終えて、三郡山山頂へ引き返すと誰もいなくなっていた。いつもと変わらない景色を眺めながらこの後のことを考える。少し歩き足りない気がするが、今日の目的は茜屋コースを歩くことであるし、降りに使うコースは初めて歩く。縦走路を少し歩いてみたい欲求もあるが、体調があまりよくないので今日は素直に降ることにする。

山頂から来た道を引き返してアンテナ設備の手前から左の林の中へ入る。入口付近の木の枝に「飯塚六四会」の標識がかかっている。林の中へ入ってやや右側へ進むと、公園などでよく見かける樹木を支える杭が立ち並んでいる。これに沿って左の方へ進み、上を見上げると樹の間に電線と2本対になった電柱が見え、程なくこの電柱の根元に辿り着く。さらに5分ほど林の尾根を降ると、また電柱の下に着く。途中で露岩の塊を見るとヒノキ林と自然林の境の尾根を降り、2本目の電柱から約10分で3本目の電柱に辿り着く。

3本目の電柱から少し降った左に浅い谷が見える辺りでルートを見失いそうになった。ここは尾根が分岐しているところでまっすぐ進みそうになるが、この辺りから次第に南東方向へ方向を変えて行くので注意が必要だ。ここは右の尾根を降り、小鞍部に着くと少し上ったこぶでまた尾根が分かれている。左は自然林、右はヒノキ林であるが、この辺りもルートが分かりにくく、目印のテープは一旦左の方へ向かうかに見えるが途中から右へ方向を変えて、結局は右のヒノキの尾根を降って行く。右よりの尾根を降って行くと途中で明瞭な踏み跡が左右へ横切っているところがあり、左奥に石組みのようなものが見えている。炭焼き窯の跡かと思ったが今まで尾根筋で炭焼き窯の跡を見たことが無い。確認しに行ってみると、石組みの上には標石が立っている。このような石組みと標石は時々見かけるので納得して元の位置へ戻ると今度は右側が気になってくる。右の方からは沢音が聞こえてきている。コースをそれてそちらへ行ってみると沢が流れていて、近くには今度は本物の炭焼き窯の跡があった。再び元の位置へ戻るが、この辺りには谷に沿って明瞭な踏み跡がついているようだ。辺りには背の高い木が生えていて中には巨木も見られる。林の中の木々を眺めながら進むとすぐに広い道へ飛び出す。

道といっても車が通ったような跡は無く落ち葉に埋もれている。おそらく、サンビレッジ茜から登ってきている遊歩道か作業道であろうが、ここでは遊歩道としておこう。遊歩道から登山道?への入口には「飯塚六四会」の標識がかかっている。遊歩道は右から左へ降っているのでどちらへ行くか悩む。とりあえず左へ行ってみてから引き返して右の方へ行ってみると、もうひとつ六四会の標識があったのでそちらの方から降ることにした。遊歩道の脇にはミツバツツジが綺麗に咲いていて、それを写真に撮りながらのんびりと右へ左へと迷いながら降って行く。最後に根元だけがやたらと大きな木(おそらく幹が折れて枝のみが残っているのだろう)とまるで紅葉を見るような新緑の景色を見ながら進むと右へ降る明瞭な道路に出た。後でカシミール3Dで調べてみたら、そこは地図に載っているサンビレッジ茜から登ってきている道路の終点辺りであった。道路を降って行くとやがてバンガローの建物が見えてきた。最後は舗装路を降って駐車場の奥の方に辿り着く。

(写真:コース上の電柱と遊歩道脇のミツバツツジ)


あとがき

 今日歩いた茜屋からの登りのコースは、過去のイメージに反してなかなか良いコースであった。前半は鬱蒼とした感じの谷沿いの道であるが、白糸の滝が気分を変えてくれる。後半は、一見、専用道路が雰囲気をぶち壊しそうだが、旧道を歩く限りにおいてはそれも無かった。旧道は自然林の尾根をほぼ一直線に登っているので、途中で何回か車道に出ることがかえって気分転換になって良いくらいだ。

一方、降りに使った電柱コース(仮称)は踏み跡が不明瞭なところが多く、ひたすら目印のテープを追いかけるだけだったような気がする。おそらく、電柱工事用のしっかりした道がついているのだろうが、地図を見れば分かるように枝尾根が沢山派生していて迷いやすい地形でもあり、あまり進められないコースである。

やはり、茜屋からのコースは昔から歩かれている白糸の滝経由で旧道を歩くコースが一般的であろう。

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