大船東尾往復(2005年3月7日) → 写真集

九州北部に大雪注意報が出た。久しぶりに雪山を歩いてみたくなって九重の大船山へ登ることにした。大船へ登るルートとしては坊がつるからのルートが一般的だが、風の影響なども考えて東尾根を登ることにした。登山口で前泊(車中泊)して、日帰りで山頂を往復することにして出発する。
登山コース
今水登山口(7:00) − (8:20)前セリ(8:30) − (9:10)ポールの広場(9:20) − (12:10)大船山頂(13:15) − (15:15)ポールの広場 − (15:35)前セリ − (16:15)今水登山口
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前日、今水登山口まで
九州北部には大雪注意報が出ていた。いつも通っている峠道を避けて、3号線から386号線に入り、日田方面へ向かう。北側は暗雲が立ち込めているが南側は晴れている。どうやら雪が降っているのは福岡方面だけらしい。日田から212号線を南下し、小国から442号線を瀬の本高原へ向かう。周りの山にも雪は見えない。
久住の山々が見えてくるとやっと雪をかぶった山の姿が見えてきた。瀬の本の交差点を越えて久住高原へ向かう。道路は残雪もなく凍結している様子も無い。広域農道へ入り、今水登山口へ向かうが、時間が早いので岳麓寺登山口の様子を見に行くことにした。岳麓寺で標識にしたがって左折し、牧道を上がって行く。1kmほどで進入禁止の標識がある。左側に駐車スペースが在り、RV車が一台止まっていた。
車を停めて牧道を終点まで散策した。駐車場から少し行ったところに柵があり、脇に登山届けの箱が設置してある。ここが岳麓寺の登山口になる。急な牧道を登って行く。辺りは放牧地になっているようで牧道には渇いた牛の糞が点在していた。のどかな高原が広がり、この辺りを散策するだけでも気分が良い。牧道は1時間ほど行ったところで終点になり、鉄線の柵がしてあった。ここからが本格的な登山道になっているようだ。地図で調べるとここから急登をひと登りで柳ヶ水にいけるようだ。
広域農道へ戻り今水登山口へ向かう。今日は、前回通った牧道ではなく、少し先へ行ったところから林道へ入ることにした。この林道はガラン台への三叉路の少し先で牧道と合流する。こちらの方が道路の状態が良い。
今水の登山口手前で車中泊した。夕方、RV車に乗った高年の夫婦がやってきて炭酸水の場所を尋ねてきた。いつも車の窓に布を張って寝るので、今流行の練炭自殺と間違われないかと心配だ。
(写真:黒岳を望みながら今水登山口へ向かう)
大船東尾根往復
今水登山口 → 前セリ → ポールの広場 → 大船山頂 → ポールの広場 → 前セリ → 今水登山口
翌日は5時過ぎに起床。車の内側には氷が張っている。6時ごろ外の気温を測ったら−7.5℃。朝飯を食うのも億劫になるような寒さだ。それでも湯を沸かして春雨スープを作り、紅茶を入れる。木の枝に雪が付いていることを想定して雨具を上下とも着用する。
6:55 駐車ポイントを出発。
今水登山口へ向けて林道を歩く。前方には黒岳が朝陽を浴びている。前回来たとき林道を塞いでいた倒木は綺麗に処理してあった。
7:03 今水登山口。
登山口付近には雪はほとんど見られない。斜面を斜めに、時々折り返しながら登って行く。気温が上がってきたのかすぐに暑くなってきた。雨具の上を脱ぎ、シャツの下に来ていたフリースを1枚脱ぐ。途中1ヵ所倒木が登山道をふさいでいた。七里田分岐辺りから少しずつ雪が現れてきた。
7:44 鉄条網の柵。
七里田分岐を過ぎて10分ほどで鉄条網の柵の間を通る。ここら辺までが最初の急登である。柵の間を抜けて、涸れ沢を渡り、やや緩やかな谷沿いの道を登って行くと、小さな板に赤い文字で書かれたガラン台への道標がある。ガラン台分岐を過ぎると、また、鉄柵を抜ける。鉄柵を抜けてしばらくで、平坦な疎林の中を行く。木々の間は雪に埋もれている。奥の方は次第に狭まくなり、谷沿いの道になる。途中、岳麓寺方面からの登山道が合流する。前日のものか、岳麓寺方面から足跡が付いている。岳麓寺分岐を過ぎて杉林をひと登りで前セリに着く。
8:23 前セリ。
岳麓寺からの足跡は風穴方面へ向かっている。東尾根に人の足跡は無く、狐のものであろうか獣の足跡だけが付いていた。雪面に最初に足を踏み入れるのは気持ちがいいものだ。尾根の南面は雪が融けて地面が見えている所があるが、北面は30〜40cmくらい積もっている所もある。思った以上に雪はやわらかく、この分だとアイゼンは使わずに済みそうだ。靴が冬山用ではないので、アイゼンを付けると足が締め付けられて靴擦れが出来てしまうのだ。時折、ふくらはぎ位まで埋もれる所もあって、足を蹴り込んで体重を掛けるとぐっと沈み込む。踏ん張りが利かず、これで体力を消耗するのだ。所々にある赤いペンキの跡とテープを頼りに登っていく。なるべく歩きやすいところを選んで歩く。尾根を外さなければ大丈夫だ。登山道が潅木の中に入るとポールの広場は近い。
9:12 ポールの広場。
山火事の後なのだろうか、ススキの原が広がり、周りは潅木が茂っている。ススキの原の真ん中に紅白のポールが一本立っている。正面に大船の山頂部が横たわっている。右手には黒岳の峰々が、左手には遠くに傾山が霞んでいる。10分ほど休憩してポールの広場を後にする。潅木の間を抜け、再び尾根上の道に出る。次第に雪が深くなってきた。岩が目立つようになり、傾斜が急になってくると先へ進むのに時間がかかる。所々、道が不明瞭になってくる。歩けそうなところを選んで一歩ずつ歩を進める。ポールの広場から2時間もかかって、岩峰を右側から越えると樹林が切れて広い場所へ出る。普段は草と背の低い若木が目立つ場所だが、今は雪で覆われている。うさぎの足跡が広場を横切って左の方へ延びている。広場を抜けるとまた、潅木の林に入る。窪地の手前で右へ向かい、窪地の縁を越えて潅木に入るとすぐに御池の上に出る。御池の湖面は雪に覆われて真っ白だ。おそらく水面は凍りついているのだろう。
12:12 大船山頂に到着。
今水登山口を出てから約5時間かかった。山頂には夫婦らしい高年の登山者が仲良く座って祖母方面を眺めていた。長者原から登ってきたそうだ。降りるのを残念がっていたが、40分程してから降っていった。久住山方面の峰々は山頂部が白くなっている。硫黄岳の噴煙が一際目立つ。
南東には祖母傾、その向こうに見えているのは新百姓山から桧山であろう。南西には阿蘇山が霞んでいる。北には由布岳の双耳峰が一際目立つ。黒岳の向こうに見えるのは高崎山だろう。写真を撮りながら昼食を摂る。山頂で一時間ほど過ごして下山にかかる。最初の予定ではガラン台へ降るつもりだったが、登る途中で三脚を落としてしまったので探しながら東尾根を戻ることにした。
13:15 山頂出発。
御池の湖畔まで降って写真を撮る。湖面は雪に覆われて木の枝がシルエットを落としていた。雪の上には何の足跡も無い。さすがに獣らもここまでは来ないのだろう。池の上を歩いてみようかと思ったが、危険なのと、後で来る人達にこの美しさをそのまま残して置いてあげようと思いなおしやめにした。三脚は御池の先の潅木帯で見つかった。
急斜面も何とか降り、見晴らしのいい岩尾根に出たとき、爆音が聞こえてきた。何だろうと思っていると、黒岳と大船の間の谷をジェット機が通り抜けていった。自分より低いところをジェット機が飛ぶのを初めて見た。その後、ジェット機は九重上空を何度も旋回してから何処かへ去っていった。もう一回谷間を飛んだら写真を撮ってやろうと30分近く待ったが、さすがに二度目は無かった。
15:18 ポールの広場。
15:36 前セリ。
さすがに降りは早い。気温が上がったせいか登るときに比べて雪は大分融けていた。
16:17 今水登山口。
雪で綺麗になった登山靴も、すっかり泥だらけになってしまった。
16:25 駐車ポイント着。
思ったより早く降りついた。途中で炭酸水を汲んで帰途に着く。
(写真:雪の大船山頂と九重の山々)
あとがき
最初は雪が少ないかと思い、少しがっかりしながら登ったが、途中から雪が深くなり、思わず時間を食ってしまった。しかし、凍結した御池は雪で真っ白に覆われ、山頂から望む九重の山々も雪をかぶって光り輝いていた。下界では春の息吹が聞こえてくる頃だが、山の上はまだまだ冬の装いであった。
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