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犬鳴山系タタラ谷コース(2008年2月19日) → 写真集


 先日、水汲みの帰りに久しぶりに旧犬鳴トンネルまで行ってみた。そのとき、旧道入口のゲートに犬鳴山系の地図が取り付けてあり、赤線で「タタラ谷コース」と「ダムコース」という登山道が記入されていた。「タタラ谷コース」は犬鳴ダムの周回道路から大平林道へ登り、西山への縦走路に向かうコースで、「ダムコース」は同じく犬鳴ダムの周回道路から犬鳴山へ登るコースである。どちらも最近出来たようで、「タタラ谷コース」の方は「みやわかふれあいページ」のHPにもまだ記載されていない。

犬鳴ダム湖(別名「司書の湖」)を取り巻く尾根を周回縦走する場合、今までは脇田温泉口から大平林道へ登り、西山、犬鳴山と周回して旧県道21号線へ降るか、またはその逆コースが一般的で、交通量の多い県道21号線を歩かなければならなかったが、この2コースの新設で犬鳴ダムの周回道路から直接登り降り出来るようになった。犬鳴山へ登る「ダムコース」は以前犬鳴山から降りに使ったことがあり、降りついたところはダムの入口に近いガレ谷だったが、新しい登山口はもうひとつ奥の谷で登山口には標識が立っている。

今日はこの2コースのうち「タタラ谷コース」を試してみようと思う。


登山コース

犬鳴ダム駐車場 (11:25) − (11:45)タタラ谷登山口(11:50) − (12:20)尾根(12:25) − (12:40)大平林道(12:50) − (13:00)西山大観望(13:10) − (13:15)西山縦走路入口調査(13:25) − (13:40)大平林道終点(昼飯)(14:15) − (14:55)タタラ谷登山口 − (15:10)親水公園(15:20) − (16:10)犬鳴ダム駐車場

MAP

タタラ谷コース登り
犬鳴ダム駐車場 → タタラ谷登山口 → 大平林道タタラ谷コース下山口 → 西山大観望 → 西山縦走路散策 → 大平林道タタラ谷コース下山口

 手作りのバクダンおにぎりをザックに入れて県道21号線を犬鳴ダムへと向かう。今日は天気も上々で、寒さも少し和らいだようだ。久山町と宮若市の境にある新犬鳴トンネルを抜けると犬鳴ダムはすぐだ。出発が遅かったのでダムに着いた時には11時半になろうとしていた。

 ダム湖入口の駐車場に車を停めて早速登山口へと向かう。「タタラ谷コース」の登山口はダム湖の左岸にあるのでダムの上の歩道を通って対岸へ渡り、ダム湖左岸の周回道路を奥の方へと歩いて行く。対岸の尾根の奥に犬鳴山の山頂が少しずつ見えてくる。山頂の木立が切れているのが犬鳴山だ。周回道路は幾つか小谷を横切るが、そのひとつにパイプで沢水を引いた水場があり「犬鳴川香華の水」の表示がある。さらに小谷を横切ってその先の少し大きな谷がタタラ谷で、ガードレールが右の方へ曲がっている。手前には「道路記念碑」が2つ立っていて、前方には庚申尊天の黒い石碑が立っているので目印になるだろう。駐車場からここまで約20分かかった。

 ガードレールに沿って谷の入口へ向かうと右手に登山口の標識が立っている。登山道は良く手入れされた杉林の中を登って行く。丸太を合わせた橋を渡ると2つの小谷の間の尾根を登って行く。杉の植林地は段々になっていて、所々石垣も見られる。どうやらピンクのテープが目印になっているようで、途中で右の谷へと向かっている。水が涸れかけた細い沢を渡るといきなり急斜面の登りが始まる。ハッキリとした道は無く、自然林の斜面にジグザグにトラロープが張ってある。足元はやわらかくて崩れやすい。トラロープに沿って5分程登ると右へトラバースして尾根の中央に辿り着く。さらに急な尾根を10分少々、ひたすら登ると広い尾根に合流する。尾根の反対側はヒノキの植林帯になっている。

 合流した尾根は左右へ延びていて左へ緩やかに上り、右の方へは下っている。GPSと地図で現在位置を確認して左の方へ進む。右のヒノキ林でガサガサ音がすると山犬が二匹現れた。こちらへ近付いてくるので木の枝で威嚇すると反対方向へ向かうふりをしてまた戻ってくる。こちらも木の枝を持ち身構えているとヒノキ林のほうへ戻っていった。一瞬緊張したが、飼い犬が逃げ出したものか、割と人に慣れているようだ。尾根は以外に広く、左下には水溜りのようなものも見えている。途中、荒れた植林帯を過ぎて上が明るくなって来ると林道へ飛び出す。

 林道は左右へ延びていて、西山縦走路へは右へ向かうが、左が何処まで延びているのか気になる。帰りにチョッと様子を見ることにして、とりあえず、右へ向かうことにする。この林道は若宮の乙野から登って来ていて、以前車で来たことがあるが最後の方はススキが生えてかなり荒れていた記憶がある。しばらく行って土砂崩れの跡が盛り上がっている所を乗り越えると作業小屋が建っている。車で来れるのはこの作業小屋の前までである。この先、林道はジャリを敷き詰めて綺麗になっている。

 作業小屋から3、4分行くとカーブミラーの横から右へ脇田温泉口への登山道が降っている。さらに行くとすぐに右へ小道が分岐している。この小道へ入るとカヤトの斜面があり、ここが西山大観望である。西山大観望はハンググライダーの基地になっているようでススキが押し倒されて展望が開けている。左の福智山山系から右の方へ目を移すと笠置山や湯川山などが一望できる。

 西山大観望から林道へ戻りさらに先へ進むと林道の右下に工事したばかりの広場がある。災害復旧工事なのか、何か建物を建てようとしているのか分からないが、結構広い平地が作ってある。この辺りから左の林の中へ入ると細い踏み跡がついていたのでしばらく辿って見ると結局、西山へ向かう縦走路へと繋がっていた。しばらくうろうろした後林道を引き返してタタラ谷コース降り口まで戻る。

(写真:司書の湖とタタラ谷コース登山口の標識)


大平林道終点から別ルートを下山
大平林道タタラ谷コース下山口 → 林道終点 → タタラ谷登山口 → 親水公園 → 犬鳴ダム駐車場

 タタラ谷コースへの降り口から林道を反対側へ行ってみる。道は狭いが歩く分には何の支障も無い。林道脇の木立に陽が当たって美しい影を落としている。風が少し冷たいが気分良く歩ける道だ。途中、壊れた赤い原付が乗り捨ててあり、その先はチョッと崩れて狭くなっているが、そこを越えるとまた広くなる。林道は谷を横切ったところで少し広くなり終点となっている。向かい側には犬鳴山が見えている。時計を見ると13時30分を過ぎていたので、ここで昼飯にする。

 自分で作ったバクダンおにぎりとミニチキンラーメンを食べる。ラップにお新香を2切れ包んで持ってきていたので1切れ食べてもう1切れをレジャーシートの上に置いといたらチョッと眼を放した隙に消えている。風に飛ばされたのかと思って辺りを探してみるが見つからない。鳥や動物が来た気配も無かったのでなんとも不思議でならなかったが、山の神様が食べたのだろうなどと思うことにしてあきらめる。

 林道終点から林の中へ踏み跡がついているので辿ってみる。道は斜面をトラバースして崩れかけた谷を渡ると尾根に出る。途中まで赤やピンクのテープが付いていたが登山ルートを示すものかどうかわからない。先は急な谷になっているのでこの尾根を左へ降ることにする。辺りの木には、何かの調査用なのだろう、番号を書いた小さなテープがあちこちに留めてある。急な尾根を適当に降って行く。右側は傾斜がきつく、左側の方がいくらか緩やかなようなので少しづつ左の方へ進んで行く。やがて、杉林になると林の中に墓のようなものが見える。立ち寄ってみると墓石が10数個立ち並んでいる。墓石の裏には明治22年だとか明治37年だとか彫ってある。こんな山の中に古い墓が残っているとは驚きである。江戸時代末期、タタラ谷には精錬所があったそうだからそこで働いていた人達の墓かもしれない。手を合わせて後にする。

 墓地から段々になった杉林の中をしばらく降ると見覚えのあるピンクのテープが見えてきた。どうやら、今朝登ってきた道に合流したようだ。小谷に挟まれた尾根を降って行くとすぐにタタラ谷コースの登山口に出た。

 帰りは周回道路を反対側へ進み、ダム湖を一週して帰ることにする。ダムの水はかなり減っていて、いつもは水に隠れている水没した橋が見えている。親水公園の池には大きな鯉や小さな鯉が沢山泳いでいる。ダム湖の周回道路のポイント、ポイントにはダムに沈んだ分校跡地の説明があったり、「魚釣広場」や「見晴らし広場」などの名前が付けられている。「魚釣広場」の谷には「薬研谷の水」と名付けられた水場が設けられている。ダムの入口が近付くと右の谷間に犬鳴山への登山口がある。ここは最近作られた登山口で「みやわかふれあいページ」のHPにも記載されている。ダムから直接犬鳴山へ登れる便利な登山コースだ、近いうちに登ってみよう。

(写真:タタラ谷コース下山口から奥へ延びる林道)


あとがき

 今日登ったタタラ谷コースは、まだあまり登られていないようで踏み跡がハッキリしていない。ピンクのリボンを忠実に辿れば迷うことはないが、沢を渡ってからのトラロープを張った斜面の急登は崩れやすいので要注意である。このコースで迷いやすそうなところは杉林から右の沢へ向かうところと、急登を終えて広い尾根に合流したら左へ向かうところくらいである。水場は登山口の少し手前に「香華の水」という水場が設けられている。トイレはダム入口にある「犬鳴お茶屋米の花」の外側とダムの反対側にある簡易トイレ、それに親水公園のトイレがある。駐車場はダムの入口と親水公園の近くに2ヶ所ある。タタラ谷登山口へは親水公園の対岸にあるピクニック広場の駐車場が近い。なお、犬鳴ダム湖の周回道路は時計回りの一方通行になっている。

今回降りに使ったコースは登山道では無いので初心者は使わないように!!

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