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犬鳴山ダムコース(2008年2月21日) → 写真集


 一昨日、犬鳴ダムからタタラ谷コースを西山大観望まで登ってみた。タタラ谷コースは最近開拓されたコースであるが、他にも犬鳴ダムから犬鳴山へ直接登るコースが開拓されたようで、「みやわかふれあいページ」に紹介されている。以前、犬鳴山からの降りでこのコースの一部を歩いたことがあるが、そのときはダム入口の駐車場近くのガレ谷へ降った。新しいコースの登山口はもうひとつ奥の谷にある。途中で以前歩いたコースと合流して犬鳴山山頂へ登って行くようである。

 また、周回縦走したときに辰ノヘラと西山の間からダムへ降る分岐があって、これも気になっていたので、今日はダムコースで犬鳴山へ登り、西山まで縦走して辰ノヘラへ向かう途中からダムへ降ってみようと思う。


登山コース

犬鳴ダム駐車場(10:15) − (11:20)犬鳴山(11:35) − (13:05)鹿見岐れ(昼飯)(13:40) − (14:30)こもの峠(14:35) − (15:00:)西山 − (15:50)西山登山口(司書口) − (16:25)犬鳴ダム駐車場

MAP

ダムコースを犬鳴山へ
ダム入口駐車場 → ダムコース登山口 → P380 → 藤七谷口尾根コース分岐 → 犬鳴山山頂(583.7m)

 県道21号線の新犬鳴トンネルを抜けてしばらく行くと犬鳴大橋の手前に「犬鳴お茶屋 米の花」が見えてくる。「米の花」の手前で左折すると犬鳴ダム入口の駐車場がある。今日も天気は上々で、司書の湖も一昨日より凪いでいる。

駐車場に車を停めて早速歩きだす。ダムコースの登山口はダム湖右岸の周回道路を3分程行った小谷の入口にあり標識が立っている。涸れたガレ谷は杉の木が覆いかぶさって暗そうに見えるが、登り始めると意外に明るい。しばらくガレ谷を登ってから右の杉林へ入り、自然林の尾根へ登りあげる。この尾根を左へ辿ると、また植林帯の急登をジグザグに登り、再び自然林の尾根に出る。ここは以前犬鳴山からの降りに通ったことがあり、そのときは、左へ尾根を降って駐車場近くのガレ谷に降りついた。自然林の尾根を右へ登るとすぐに標高380mのピークに着く。

標高380mのピークから一旦降るとすぐにまた登りになる。豊かな自然林の中の登りはかなりの急登でふくらはぎに堪える。途中で緩やかになるが、すぐにまた急になり、やがて左へ回り込むようにピークに辿り着くと木に小さな標識が取り付けてある。ここは藤七谷登山口へ降る尾根コースの分岐点で左へ登山道が降っている。藤七谷が荒れてからはこのコースが犬鳴山へのメインコースになっていたが、ダムコースが定着すると歩く人も少なくなりそうだ。ピークから降ってすぐに急登を10分程こなすと犬鳴山山頂へ飛び出す。

犬鳴山は標高583.7mで熊ヶ城の別名を持つ。山頂は狭い平坦地で北東側が開けていて犬鳴ダムの東側の尾根を一望できる。正面の山腹に見える剥げたところは御別館跡で、左手の山肌が削れたところは犬鳴林道延長の工事跡であろう。また、東側の木立が少し切れていて隙間から犬鳴大橋と脇田温泉のある谷間が見えている。山頂の西側へは西山へ向かう縦走路が降っていて、藤七谷コースへ降る場合もこの道を使う。少し時間が遅くなったが、今日は久しぶりに西山縦走路を歩くことにする。

(写真:犬鳴山山頂の景色)


犬鳴山から西山へ縦走
犬鳴山 → 犬鳴林道 → 猪野岐れ → 鹿見岐れ → 番兵跡 → こもの峠 → 西山

 犬鳴山山頂から西へ降り、藤七谷コース分岐を左へ見送って急坂を降るとやや緩やかな自然林の中を快適に歩いて行く。犬鳴山山頂から10分少々で林道を横切るが、これは犬鳴林道で旧犬鳴隧道の近くから登って来ていて、最近縦走路の東側を北の方へ延びてきている。林道を左へ降ると旧県道21号線の若宮側へ出ることが出来る。

縦走路は林道を横切って正面の林を上っている。猪野岐れまでの大半は尾根の右側を巻いて行くが最初の小ピークの南側と北側の2ヵ所に北犬鳴尾根への入口がある。北犬鳴尾根は犬鳴林道の西側を南へ延びている尾根で旧犬鳴隧道の上辺りで古犬鳴峠に達する。古犬鳴峠から先は南犬鳴尾根と呼ばれていて柳原越を経て猫峠まで続いている。標高こそ低いがどちらも枝尾根が入り組んだ難しいコースだ。2つ目の北犬鳴尾根入口からピークをひとつ巻いた鞍部は左側が植林地になっていて、ここを降ると作業道経由で轟林道終点に出る。さらに巻き道を進み辿り着いた鞍部は猪野岐れ(猪野越)で、ここからは左へ轟林道終点から猪野ダムへ通じる作業道に出る道が分岐している。また、右へは犬鳴ダムの炭焼小屋へ降る道(日原炭焼コース)が分岐している。

猪野岐れからは緩やかな照葉樹林の道が続き、標高492.8mのピークを過ぎた辺りで道が分岐している。右は従来からある巻き道で、左は割と新しい尾根道である。今日は左側の尾根道を登ってみる。最初は平坦な道が続くが、やや急になると小さなアップダウンの後、尾根道の最高点に達する。林の中に白い杭が立っているだけで特に何も無い所だ。ここから北へ急坂を降り平坦になった頃に右から巻き道が合流する。こちら側からの尾根道の入口は分かりにくい。ここからは松葉が多い道で次第に急な登りになる。松葉で滑りそうになりながら登りあげた所には、以前は「ここは猪野地点」と書いた小さな標識があったが今はなくなっている。縦走路は右前方へ降っているが左へも踏み跡があり、そちらへ少し入ると南側に犬鳴山が見えている。縦走路へ戻り、一旦降ってから登りあげた尾根(標高560m地点)は横へ長く延びていて右の木に赤ペンキでバッテンがしてある。ここを左へ進むとすぐに標識があり、直進は高圧送電線の鉄塔へ向かう道で縦走路は右へ降って椿峠に着く。椿峠からは左へ谷沿いに畑林道へ降る道が分岐している。椿峠から登りあげたところが鹿見岐れである。

鹿見岐れは東西南北に尾根を広げた平坦な樹林帯のピークで展望は無い。ここから白木越へ向かう道が西へ分岐している。午後1時を過ぎていたので、ここで昼飯にすることにした。今日はコンビニで買ったおにぎりとマグヌードルで済ませる。静まり返った林の中はチョッと怖いくらいで、一昨日に登ったタタラ谷コースで山犬に遭遇したことが思い出される。

鹿見岐れを過ぎると送電線の鉄塔が建っている。ここは、この縦走路では数少ない展望が利くところで西山方面が見えている。送電線は地図にも記載されているので現在地の確認に役立つ。送電線の先には今日降る予定の尾根も見えているようだ。ここからこもの峠まではいくつものアップダウンを繰り返す。途中、司書口登山口へ降る登山道の分岐(パイプで作ったT字型の道標有)や番兵跡、それに清滝への分岐を3箇所過ぎてこもの峠に到着する。途中、微かにバイクが通ったような形跡が見られ気にかかる。

こもの峠は宮若市と古賀市の清滝を結ぶ道が越えているが、「清水道」と彫られた石の道標があるところをみると、ここから辰ノヘラを通って清水へ降る道も昔から使われていたようだ。今は西山へ登る登山道の要所となっている。

こもの峠から西山までは急登の連続で、途中足場が悪い所はロープが張ってある。右側の植林帯にも道がついているようで赤いテープが見えている。途中の竹が生えている辺りにはあちこちにテープが見えて分かりづらい。アカガシの巨木を過ぎると正面にコンクリートの壁が見えてくる。壁の上は自衛隊専用道路で右側から回り込んで道路へ上がる。西山山頂は防衛庁の用地になっていて、道路への上がり口にはロープを張って一応立ち入り禁止になっている。

西山は標高644.6mで鮎坂山の別名を持つ。一等三角点補点が設置されていて展望が開けている。山頂は防衛庁の用地でコンクリートの格納庫が2ヶ所あり、自衛隊専用道路が見坂峠方面から上って来ている。西山へはこもの峠経由で登るコースの他に清水寺の登山口から登るコースや脇田温泉口やタタラ谷から西山大観望を経て縦走するコースがある。他にも辰ノヘラへ向かう途中から馬口谷方面へ降る道があるようだがこちらの方はまだ歩いたことが無い。

(写真:西山山頂)


西山から犬鳴ダムへ
西山 → 犬鳴ダム分岐 → 送電線鉄塔 → 司書口コース合流 → 犬鳴川源流の碑 → 西山登山口(司書口)→ 司書橋 → ダム入口駐車場

 西山山頂から辰ノヘラ方面へ向かい、馬口谷分岐を過ぎた辺りに右手前へ道が分岐している。これが今日降る予定のコースで歩くのは今回が初めてだ。入口には白地にピンクで犬鳴ダムへの矢印が書いた標識が下がっている。この道は送電線の鉄塔へ降る道のようで近くには「東福岡新幹線95号」の白い杭が立っている。道はすぐに左へ降り、ロープを張った植林帯を降って行くと送電線の鉄塔に着く。

西側へ延びる送電線の先には今日通ってきた鹿見岐れの近くの鉄塔も見えている。鉄塔から白い杭の横を降って、右へ回り込み荒れた小谷へ降る。谷から鉄塔へ作業用の道がついていたらしく土止めの階段の跡があるが崩れて使えない。荒れた谷を降り、すぐに右の植林帯へ上がって尾根を越えるとこもの峠から降ってきた道に合流する。あとは谷底についた道を降って行く。犬鳴川源流の碑を過ぎると上品な雰囲気の高年の夫婦が歩いてきた。どうみても山歩きの格好ではないので不思議に思っているとこもの峠までの時間と西山までの様子を聞いてきた。こもの峠まではもう少しかかることと、こもの峠から西山まではかなりの急登であることを伝えたら納得したらしく引き返し始めた。沢沿いの道を降って西山登山口に着く。

登山口の近くにはダムを作るときに移された墓が集められた墓地があり、ダム湖奥の司書橋からここまで車道が通じている。また、この登山口からは鹿見岐れと番兵跡の中間あたりへもう一本の登山道が登っているが、その道をおっちゃんが1人降ってきた。先ほどの夫婦も降って来て4人でちょっとした立ち話をする。2人は近いうちに西山へ登るので様子見に途中まで行ってみたようなことを話している。納得して、3人と別れて先にダムへ向かう。途中、左へ御別館跡への道路が分岐している。西山登山口へ向かう道路はここで通行止めになっていて、さっき分かれた2組のものであろう、車が2台停まっていた。司書橋を渡らずにダム湖の左岸を通って最後にダムの上を渡り、無事に駐車場に帰り着いた。

(写真:犬鳴ダムへ降る途中の鉄塔からの景色)


あとがき

 ダムコースは最初こそ植林帯を通るが尾根に上がってからは豊かな自然林の中を登るなかなか素敵なコースである。ただ、犬鳴山山頂まで急登の連続なのでそれなりの覚悟はしておいた方が良い。しかし、なんと行っても交通量の多い県道を歩かなくてもよいのは魅力である。今回は西山までの縦走であったが、時間があれば西山大観望まで足を延ばしてタタラ谷コースを降る周回コースを歩きたいところである。

ひとつ気になったのは本文中にも書いたがバイクが通ったらしい跡である。今はまだ1台通ったくらいの薄い跡であるが、近くの猫峠界隈の三ツ頭山や鉾立山はバイクの轍があちこちに深い溝を作り、登山道は無残な姿になっている。犬鳴山系をあのような姿にしない為にも何か対策を打つ必要があるのでは無いだろうか。

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