ほっつき歩記山記録 (英彦山系)No.2 | 籠水峠・英彦山 |
裏英彦山道 |
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下の図をクリックするとコース図が表示されます。 | |||||||||
(注)この鳥瞰図は「国土地理院のウォッちずで提供されている2万5千分の1地形図」を使用してカシミール3Dで作成したものです。 | |||||||||
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● | 豊前坊から登山口まで 写真 | ||||||||
先日、岳滅鬼峠(がくめきとうげ)から籠水峠(こもりみずとうげ)へ縦走したとき、英彦山南岳登山道との合流点で標識に「裏英彦山道」の文字を見かけた。帰ってからインターネットで調べたら山旅人さんとJimnyさんのHPで山行記録が紹介されていた。しばらく雨の日が続きそうなので今日しかないと思い、早朝、英彦山に向け車を走らせた。 豊前坊に着いたのは午前6時25分。今日の天気予報は晴れであるが、前日の雨のせいか空気が湿っており、ガスが晴れきっていない。コース上には笹藪があるようなので雨具の上だけは着用することにした。 午前6時50分、豊前坊を出発。野峠方面へ向かい、油木ダム方面への車道を左へ分け、すぐに右の林道へ入る。この林道は薬師峠を越えて新谷で野峠から降ってきたR500と再び合流する。薬師峠辺りは荒れていて車での通行は無理だ。薬師峠を越えて少し降ると左に白いアンテナのような設備があり、その手前、左側に鷹の巣山の登山口がある。そこから少し降ると、右側の杉林に鳥獣保護区の看板があり、側の2本の杉の木に赤いテープが巻いてある。登山口の表示はないが、ここが裏英彦山道の登山口である。ここを過ぎてさらに進むと、もう一箇所小さな赤いテープが見つかる。この日は、最初の登山口を見過ごしてしまい、次の赤テープの位置から杉林に取り付いた。 |
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● | 登山口から籠水峠まで 写真 | ||||||||
目印になるテープもなく不安であったが、杉林の尾根を登って行くと右から登ってくる登山道に出会った。ここからは赤いテープの目印もあり一安心である。杉林から自然林へと変わり、クマザサの間を進むようになるが、踏み跡はしっかりと付いている。新緑が美しいが、ガスはまだ晴れ上がっておらず、薄暗い感じがする。 笹の間を進んで行くと、突然目の前が開け、正面は切れ落ちた崖になっている。崖の上を左から右へ道が付いており、右上のほうに英彦山北岳の一部がガスに霞んでいる。裏英彦山道は右側へ尾根を5分ほど登ったあと、尾根を離れて左へ降って行く。この尾根は北岳の肩へ続く尾根であるが途中が岩場になっており、登れるかどうかは分からない。 尾根を離れ斜面をトラバースして行く。こんなところに誰がつけたのか木に巣箱が何個かつけてある。岩がゴロゴロした谷をいくつか渡り、大きなブナの木を見て、崩壊した小谷を渡ると尾根に向かって登って行く。この尾根は英彦山北岳の山頂から南東へ降っている尾根である。尾根に沿って左側にも赤いテープが見えるが、裏英彦山道は尾根を乗り越して降って行く。相変わらず苔むした岩がゴロゴロした斜面をトラバースしていくと途中で英彦山南岳の岩壁が見える。この日はまだ、ガスに包まれておりはっきりとは見えなかった。 足場の悪い道を降っていくと、水量が多く、倒木が何本か横たわった沢に出る。沢の周りにはケルンがいくつも積んである。ここが「ケルンの谷」である。沢は前日の雨で水量が多く、音を立てて流れている。なぜここにケルンが沢山あるのか分からないが、あちこちに積んであるので道標としては役立たない。「ケルンの谷」と書かれたブリキの標識が木に掛かっていた。 登山道は沢の上流に向かって左上の方、倒木の上の方に積んであるケルン(おそらくこれが一番上のケルン)のところから左上へ登っている。 ケルンの谷から上り、小さな岩窟があるところで左へ斜面を横切る道になる。少し行ったところに岩場があり、英彦山北岳の斜面が見える。写真を撮っていると突然後ろでガサゴソ音がした。びっくりして振り向くと登山者が一人現れた。今日は誰にも会わないだろうと思っていたので本当にびっくりしてしまった。田川の人で私と同じコースを行くらしい。しばらく話をしていて、どうやら裏英彦山道の入口は私が取り付いたところよりもっと手前にあるらしいことが分かった。ペースが違うので先に行ってもらったが、途中で何度か追いつ、抜かれつになってしまった。 ケルンの谷から10分ほどで「垂水の壷」と呼ばれている岩窟に着く。岩窟の奥行きは浅くて、中の壁に「垂水の壷」と書いた木の札が下がっていた。岩窟の上から水が滴り落ちており、中へ入るのはやめにした。「垂水の壷」を過ぎると、ガスも晴れて青空が覗いてきた。新緑が陽に輝いている。尾根に差し掛かるとクマザサが茂り、倒木も多くなる。小さな谷を渡ると一箇所左側へ崩れ落ちた場所を通る。やっと足の置き場を確保できるくらいの斜面をトラバースしてP1071の南東斜面を巻いて行くと、やがて籠水峠に着く。峠の手前でさっき会った登山者が休憩していた。ちょっと言葉を交わして先に籠水峠へ行く。 |
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● | 籠水峠から英彦山北岳まで 写真 | ||||||||
籠水峠の岩壁は何度見ても圧巻だ。今日は峠から少し降ってから岩壁の下まで行ってみた。真下から見上げる岩壁も迫力があるが、写真ではなかなか感じが出ない。岩に張り付いたツルの葉の新緑は陽に輝いており、水滴がキラキラと舞落ちてくる。 岩壁の基部をずっと歩いて見たい欲求に駆られたが、迷子になったら困るので途中で引き返した。 ここからは、先日、岳滅鬼峠から縦走したときに歩いたコースである。そのときは最後の最後で道をはずして藪こぎを強いられたので、今日は慎重に歩く。苔むした岩、倒木、笹と悪路の要素いっぱいの道を行く。途中、木が根っこから倒れ、窪んだところを通るが、前回はここから左へ降ったらしい。本来のルートは右上の笹のほうについているのだが、左側が明るいためついそちらへ降ったようだ。良く見ると右上の笹に赤いテープがついている。今回は正しいルートを慎重に進む。少しくだり気味になるとやがて英彦山南岳の登山道に飛び出す。 英彦山南岳へは岩の多い急登を行く。材木石、鎖場など結構変化に富んでいる。途中で何ヶ所か展望の良いところもあり、岳滅鬼山方面や古処山、馬見山などが見える。遠くのほうは霞んで展望が利かなかった。鉄柱に鎖を張った岩場の少し手前で、左へ笹を刈ったばかりの道が分岐していたのでちょっと覗いてみた。この道は2、3分行ったところでロープが張ってあり、行き止まりになっている。ロープの手前には薄い岩がニョキッと立っている。鎖場を過ぎて少し行ったところで右へ道が分岐している。入口には「迂回路 中岳上宮」の標識がある。この道は南岳の東面を巻いて南岳と中岳の鞍部に出る。 ひと登りで南岳山頂に出る。南岳山頂には展望台と祠がある。祠の奥には一等三角点が設置してある。南岳から一旦降り、登り返すと中岳上宮に着く。目の前に上宮の社が立ちはだかっている。社の左を通って裏のほうへ行くと、山頂広場がある。英彦山に登るのは今回で4回目になるが、いつも学校の団体さんと出会う。この日も小学校の遠足か何かだろう、山頂を子供たちが走り回っていた。とても休憩できそうにないので、北岳まで行って昼飯にすることにした。 中岳から岩の多い道を降ると、北岳への道には気持ちの良い新緑が溢れている。特に、右側の斜面にはクマザサとブナ林が広がり英彦山で一番美しい樹林帯であろう。 緑が降り注ぐ道を登って行くと小さな祠がある北岳山頂に着く。北岳の最高地点付近は聖域になっており、立ち入り禁止になっている。祠の左側に小広い場所があり、山頂表示が立っている。 |
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● | 英彦山北岳から豊前坊まで 写真 | ||||||||
北岳で昼飯を食べ、北岳の肩に向かって降る。この辺りは自然林が豊かで、巨木も多く、秋の紅葉の季節も美しい景色を見ることができる。前方には犬ヶ岳の稜線が見え隠れする。 北岳の肩から豊前坊へは左へ降って行くが、尾根沿いに正面への踏み跡がある。地図を見ると尾根沿いに裏英彦山道へ降れそうである。今日は裏英彦山道の登山口を間違ったようなので、正しい場所を確認するためにそちらのほうへ行ってみることにした。道はすぐに笹薮の中に入り、登りきった辺りで東へ折れて猛烈な藪コギとなる。しかし、笹の下に踏み跡はついているので安心して進んでいくと、笹薮がきれ、岩稜に出る。右も左も切れ落ちており、正面は岩場の降りになっているようで、降れるのかどうか分からない。迷った末、西の斜面を少し横切り、様子を見てみることにした。カメラをザックにしまい、両手をフルに使って急な斜面を横切っていく。左下へはガレた狭い谷が落ちている。さっき居た尾根の辺りを見ると、手前は絶壁になっている。尾根を降るのはあきらめて、今居る所から斜面を降ることにした。少し降ると裏英彦山道が横切っているはずである。急斜面を木の枝につかまりながら降り、途中からはガレ場に出てさらに降って行く。幸い崩れそうな場所はなく何とか降りきると裏英彦山道に出た。 裏英彦山道を薬師峠方面へ向かい、さっきまで居た尾根の下部に登りあげる。尾根を乗り越して反対側へも踏み跡がついているが、ここは右へ尾根沿いに少し降って、右側が切れ落ちたところで左へ降り、笹の間の道を行くとやがて杉林に入る。登ってきた時とは違い、登山道は少し北へずれて林の中を降って行き、アンテナの設備の近くの林道に降りつく。今朝登り始めた地点より15mほど薬師峠側に近い地点で、鳥獣保護区の看板があり、側の杉の木に赤いテープが巻いてある。今朝はこんなに近くにあるとは思わなかったので、見逃してしまった。 薬師峠を越えて豊前坊へ向かうと、今朝とは違い、鷹の巣山がすっきりと見えている。途中の流水で顔を洗い、笹のほこりを落として豊前坊へたどり着いたのは午後4時38分であった。 |
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● | その他 | ||||||||
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