ほっつき歩記山記録 (英彦山系)No.3 鷹ノ巣山
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登山日 : 2004年11月8日 (晴れ)
コース : 豊前坊→野峠登山口→三ノ岳→二ノ岳→一ノ岳→薬師峠登山口→豊前坊
登山口 : 野峠登山口
 野峠の三叉路から豊前坊側へ3、40m戻った石垣の切れ目のところに「大雨の時通行注意」の青い看板が立っている。その看板の裏側の茂みに赤い小さなテープが何本か見える。登山口の標識は無くかなり荒れた感じがするが、ここが鷹ノ巣山への登山口である。ここは主に三ノ岳から一ノ岳への縦走時の登山口として、また、逆コースの下山口として利用されているようだ。豊前坊からR500を歩いて約1時間かかる。ちなみに、野峠の三叉路を左(犀川町)側へ入ったところには犬ヶ岳方面への登山口がある。
薬師峠登山口
 豊前坊からR500を野峠方面へ500m程行くと左へ油木ダム方面へ車道が降っている。 さらに、野峠方面へ進むとすぐに右へ薬師峠への林道が分岐している。 この林道に入り、荒れた薬師峠を越えて少し降ると左に白いアンテナの設備がある。その少し手前の左側に鷹ノ巣山登山口がある。豊前坊から歩いて20分程かかる。
R500登山口
 豊前坊からR500を野峠方面へ進み、鷹ノ巣山一ノ岳の北側を回りこんで左へカーブする辺りの右の林の中にテープが見える。登山口の表示は無いが、ここから一ノ岳と二ノ岳の鞍部へ登る踏み跡が付いている。一ノ岳、二ノ岳への最短ルートのようであるが、天然記念物の山なのであちこちにルートを作ると九重の三俣山のように問題になりかねない。エスケープルート程度に利用するのが良いかと思う。
所要時間: 約5時間20分(休憩は含まず) → 詳細

(注)この鳥瞰図は「国土地理院のウォッちずで提供されている2万5千分の1地形図」を使用してカシミール3Dで作成したものです。

前日  写真
 早朝、女房が作ってくれたおにぎりを持って出かけたが、豊前坊に着いてさあ出発と思ったら登山靴が無い。マンションの駐車場に置き去りにされた登山靴の絵が頭に浮んだ。家に電話をすると駐車場の横っちょに登山靴が寂しそうに取り残されていたそうだ。
靴を取りに帰り、急遽、計画を変更して今日は豊前坊で車中泊し、明日、鷹ノ巣山を縦走、明後日に裏英彦山道を歩くことにした。

 日暮れまで時間があったので、英彦山大権現の紅葉見物に出かけた。「英彦山温泉しゃくなげ荘」の駐車場は満杯で、英彦山大権現へ向かう道路脇にも車が停めてある。英彦山大権現の駐車場まで車で行くと離合が大変そうなので、酒蔵の入口の駐車場に停めて歩いて行くことにした。
英彦山大権現の紅葉は見ごろを迎えており、見物人も多かった。

豊前坊から野峠登山口まで  写真
 簡単に朝食を済ませて薄暗いなかを野峠へ向かう。時刻は午前6時19分。猪だろうか獣の遠吠えが辺りに響く。出会わないことを祈ろう。。。
一ノ岳を回り込んだ辺りで右側にリボンと赤テープが見えた。一ノ岳と二ノ岳の間の鞍部から降る道があるそうなのでここに出るのだろうと思いながら先へ進む。
やがてトンネルが現れる。トンネルの手前には道路の左側に駐車スペースがあり、ベンチも設けられている。トンネルの向こう側に水場があるのでここも宿泊には適しているが、夏場はスズメバチが居ることがある。後ろを振り向くと一ノ岳の岩壁が聳えていた。

 道路脇の紅葉を楽しみながら歩いて、1時間程で野峠に到着。登山口は、事前に山旅人さんのHPで調べていたのですぐに見つけることができた。登山口は「大雨の時通行注意・・」の看板の裏側にある。入口には杉の倒木があり少し荒れているが、赤いテープが何ヶ所か巻いてある。


野峠登山口から三ノ岳まで     写真
 登山口から荒れた斜面を登って行き、松の倒木を越えると尾根沿いに右へ踏み跡が付いている。ヒノキの植林帯を登って行き、左から尾根をあわせて主稜線上に出ると、すぐに小ピークに着く。さらに小ピークをもうひとつ越えてヒノキのやせ尾根を進むとやがて展望の良い岩場に着く。この岩場からは三ノ岳の展望が良い。山頂の左手(南側)に岩峰がいくつか見えている。後で分かったが、三ノ岳へはこの岩峰の間を登ることになるのだ。

 岩場の多いやせ尾根が続き、丸く盛り上がった岩を越えると広い樹林帯へ入って行く。広々とした林を過ぎ、大きな岩がゴロゴロした所を過ぎると急登になり、やがて南側から三ノ岳の山腹を回り込む。三ノ岳の山腹を回り込む手前で赤テープがふた手に分かれているがすぐ先で合流しているようだ。合流した辺りのテープに右へ野峠、左へR500の表示がしてあったが、違いが良く分からない。

 三ノ岳の登山道は岩峰の下で縦走路から離れ右へ登っている。また、ここへ戻ってくることになるのでザックを背負って行くかどうか迷ったが、三脚やGPSなども持って行きたかったので結局背負って行くことにした。しかし、降りで後悔する羽目になった。

 三ノ岳へは岩峰の間を登って行く。ロープが設置してあるが木の幹や、根っこに固定してあるので少し不安だ。ホールドとスタンスを探しながら三点支持で登って行く。岩峰の間から見る景色は美しいが足が震えている。何とか岩場を登りきって少し行くとちょっとした広場が現れる。ここからは英彦山北岳の展望が良い。

 三ノ岳の山頂には真ん中に木が一本あり、その前に「企救山の会」の山頂表示と三角点補点が設置されている。周りは木で囲まれており木の隙間からわずかに西の展望が得られる。山頂の雰囲気は静かで落ち着いた感じがして好きだ。しかし、あの岩場を降るのかと思うと気が重い。

 ザックを岩に引っ掛けないように気をつけながら終始後ろ向きで岩場を降って行く。何とか登り口に降りついて、今度来ることがあったら絶対に空身で登ろうと言い聞かせながら二ノ岳へと向かう。


三ノ岳から二ノ岳まで   写真
 三ノ岳の岩壁の下を通り抜け、二ノ岳との鞍部辺りからは岩峰がいくつか現れる。後には三ノ岳が聳えている。岩峰の間に踏み跡があったので登ってみる。右の岩峰へ行ってみると行き止まりで、三ノ岳方面の展望がすばらしい。三ノ岳の左側には野峠から一の岳、犬ヶ岳へと続く尾根が見えている。岩稜伝いに今度は左へ行ってみる。途中左へ降る道があるが見送って進むとやはり行き止まりで、先ほどの分岐へ戻って岩の間に付けられたロープを伝って降りる。この辺りは岩峰の南側を巻いて行く道と、岩峰の上を巡りながら行く道があるようだ。

 二ノ岳の手前のピークに差し掛かると人の声が聞こえてきた。すぐ隣のピークに男女の高年のペアが登ってきた。「そこが二ノ岳ですか?」と声を掛けるとそうだという返事が返ってきた。一ノ岳から登ってきたそうだ。食事を始めたので邪魔にならないように記念写真を撮って先に出発する。


二ノ岳から一ノ岳まで   写真
 二ノ岳からの降りも岩稜伝いと途中から降る道に分かれている。岩稜伝いに行くとちょっとした岩場を降ることになる。このコースを歩くのに岩場にビビッてはいられないようだ。しばらく、紅葉と迫り来る一ノ岳の姿を眺めながら降っていくと、一ノ岳と二ノ岳の鞍部辺りで右下へ降る道が分岐している。ここから車道へ降る道が付いているようだ。

 一ノ岳への登りは途中からスズタケの間の道となり、山頂付近もスズタケに囲まれている。山頂はスズタケの間のわずかなスペースで、三角点と、壊れてしまったらしい山頂標識が木に掛けてあった。明るい山頂ではあるが今一である。山頂で簡単に食事をして降りにかかると、すぐに、右へスズタケの中へ踏み跡が付いている。一ノ岳は北西へ長い山頂を持っているので、この先に絶景があるかもしれないと思い、スズタケの中へ踏み込んでいった。背丈を越えるスズタケの中に道がしっかりと付いている。スズタケを掻き分けながら進んでいくと、途中に左側の展望が得られる箇所が1ヵ所あったが後はスズタケに阻まれて何も見えない。5分ほど行ったところで急激に降り始めたのであきらめて引き返した。


一ノ岳から豊前坊まで   写真
 山頂まで戻り、薬師峠への降りにかかる。この降りは紅葉が綺麗で何度も立ち止まっては写真を撮る。山頂から約20分で薬師峠の鷹ノ巣山登山口に着く。登山口の側には「山崩れ発生予知設備」の白いアンテナがあり、少し降ると右側に裏英彦山道の入口がある。

 反対側へ薬師峠を越えて豊前坊へと向かう。途中で、一ノ岳の姿を写しながら豊前坊に帰り着いたのは午後2時36分。もう少し、上でゆっくりしてくればよかったと思ったが、初めてのコースなので、まあ、こんなものであろう。豊前坊は平日にもかかわらず紅葉見物の観光客で溢れていた。ここの紅葉もピークを迎えており、散り始めている。今週いっぱい持たないかもしれない。

 英彦山温泉・しゃくなげ荘で汗を流し、側の六角堂で早めの夕食を摂って豊前坊へと戻り、午後7時ごろには眠りについた。明日は裏英彦山道を歩く。


その他
  • 鷹ノ巣山は、一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳それぞれが特徴のある姿をしている。麓から眺めて一番迫力があるのは一ノ岳であるが、登ってみて面白いのは三ノ岳である。また、二ノ岳とその周辺の岩峰は展望が良く、特に三ノ岳の姿が特徴的だ。
  • 車2台を利用しての縦走も考えられるが、交通量も少ないのでウォーミングアップ代わりにのんびりと歩いて野峠登山口まで行くのもいいと思う。豊前坊から野峠まで約1時間かかる。
  • 縦走路から三ノ岳への登路は岩場が続くので、ザックを岩に引っ掛けバランスを崩すことがないように注意する必要がある。なるべく空身で登った方が良いと思う。。
  • 途中、水場は無いので豊前坊で準備しておく。
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